2024年12月10日
富士ソフト株式会社
名古屋大学
富士ソフト株式会社と名古屋大学は、バス専用レーンを活用した走行課金システムの技術検証を実施いたします。2024年度は当社が中心となり、スマートフォンのカメラや位置情報(GNSS)を用い、レーンごとの走行距離を算出する技術の検証を行います。
バス専用レーンや優先レーンは、公共交通機関であるバスの安定的な運行を目的として設置されてきました。しかし増え続ける交通量に対して、レーン1つをバスのためだけに空けておくことは、道路を効率的に活用できているとはいえません。バスの運行を妨げない範囲でレーンの細かい空き時間を有効に活用することが、渋滞の緩和や移動時間の短縮につながります。
富士ソフトは、「先進モビリティサービスのための情報通信プラットフォームに関するコンソーシアム」に、2023年より参加しています。同コンソーシアム活動の一環として、バス専用レーン走行課金システムの研究開発のための検証を実施いたします。バス専用レーン走行課金システムは、現在通常走行できない道路であるバス専用レーンを課金により開放、走行可能とすることで、サービス利用者にとっては移動時間が短縮でき、道路全体としても道路容量の増加による交通パフォーマンスの向上により渋滞の緩和が期待できるシステムです。2024年度は当社が中心となり、スマートフォンのカメラや位置情報を用い、レーンごとの走行距離を算出する技術の検証を愛知県名古屋市守山区志段味のバス専用レーンにて行います。なお、実験はバス優先レーンの時間帯にて、バス優先走行の法規に従って実施します。2025年度以降はバスとの情報通信を想定したバスの接近通知や、非課金車の見える化機能等の研究開発も検討しており、バス専用レーンの開放が道路の効率に与える影響の検証や、受益者負担を前提とした道路課金に対する社会受容性の検証を実施予定です。
同コンソーシアムは、2016年から道路交通システムの情報通信プラットフォームであるダイナミックマップ※1の研究開発に取り組み、社会への協調型ITS(Intelligent Transport Systems)の基盤作りと付随した新規サービス創出の後押しをコンソーシアム型研究という形にて産学連携で活動してまいりました。現行では経済産業省・国土交通省委託事業「RoAD to the L4プロジェクト」で自動運転へのダイナミックマップの適用も検討しています。このような情報通信プラットフォームを活用すればリアルな混雑状況や車一台一台がどのように走ったか、レーンレベルでの走行情報を管理、連携できることから、様々なロードプライシング※2への活用、社会実装に貢献できると考えています。
本検証の成果を基に、道路交通のパフォーマンス向上を通した渋滞の緩和による都市の活性化を目指します。また、様々なロードプライシングによる交通マネジメントの社会実装への基盤構築を実現し、都市全体の交通を最適化するスマート道路システムの実現に貢献することを目指します。さらにバス専用レーン運用の道路政策の検討やロードプライシングの社会実装への検討材料としても役立ててまいります。
※1 高精度道路地図データ上に、交通情報データ(動的情報、準動的情報、準静的情報)を位置参照方式によって紐付けたデータ集合。それらのデータ管理には、情報基盤システムによる支援が必要
※2 特定の道路や地域の自動車利用者に対して料金を課すことや、時間帯により料金を変動させることで交通量を調整する交通マネジメント施策
研究概要
・課金をすることでバス専用レーンを一般車でも走行可能とするシステムの研究開発
・スマートフォンを用いたレーン単位での走行距離を算出する技術の検証
・バス専用レーン走行課金システムに対する社会受容性の検証
・公共交通機関の利便性を損なわずにレーンの空きを有効利用
RoAD to the L4プロジェクト(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト)
https://www.road-to-the-l4.go.jp/
以上
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名古屋大学
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教授 高田 広章(たかだ ひろあき)
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