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2022年9月8日
株主による臨時株主総会招集請求及び株主提案に関する補足説明
【状況説明】
当社は、2022年9月1日に公表しましたとおり、当社の株主である3D OPPORTUNITY MASTER FUND(以下「3D様」といいます)より、会社法第297条第1項の規定に基づき、臨時株主総会招集の請求(以下「本請求」といいます。)に関する書面(2022年8月31日付「臨時株主総会招集請求書」)(以下「本請求書」といいます。)を2022年9月1日に受領いたしました。
当社は、2022年9月7日付「臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ」において開示いたしましたとおり、2022年11月中に本臨時株主総会を開催することを検討しており、本請求における3D様の提案内容に対する当社取締役会の対応方針につきましても、その内容を慎重に検討の上、決定次第開示いたします。
それに先立ち、本件に対する株主様のご理解を深めていただくことを目的として、本請求において争点となっている、「企業価値向上委員会(以下「本委員会」といいます。)」の設立と本請求に至る経緯をご説明させていただきます。
【企業価値向上委員会設立の背景】
当社は、2022年1月13日に3D様より、2022年3月11日開催の第52回定時株主総会において、3D様のCEO兼CIOである長谷川寛家氏、および3D様の特別顧問である鳥居敬司氏の取締役選任を求める株主提案をいただきました。これに対して、当時の取締役会は、会社提案の取締役候補者9名(新任の社外取締役候補者を含む)が企業価値を高めていくために最適な布陣であると考えていること、株主提案の候補者は、いずれも提案株主と同一の投資グループに属する関連法人のCEO又は 特別顧問でもあり、特定の株主の利益代表になり得る点が懸念されることから、株主提案に反対いたしました。
結果として、第52回定時株主総会では会社提案の取締役候補者9名全員が賛成多数で可決され、株主提案の取締役候補者2名全員が反対多数で否決されました。このことから、現経営陣及び現行の経営方針は株主の皆様から一定の信任をいただいたと理解しております。
一方で、当社は、2022年2月に中期経営計画を公表して以降、3D様を含む多くの株主の皆様と対話を実施し、ガバナンスや資本効率、事業方針などについて様々なご指摘・ご提案をいただいており、当社の事業方針や社内資源配分、ガバナンス、ステークホルダーとの対話等について再検証の必要性があるものと真摯に受け止めております。
上記の課題認識のもと、ステークホルダーに対する更なる価値向上を推進する目的で設立したのが、本委員会でございます。
【企業価値向上委員会の概要】
まず、議論の前提となる本委員会の概要を改めてご説明いたします。本委員会は取締役会出席者により構成され、下記の点に関する検証と改善案の策定を通じた企業価値向上を目的としております(詳細は、8月5日に公表の「企業価値向上委員会の新設について」https://www.fsi.co.jp/ir/management/kigyoukachi.htmlをご参照ください)
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- より客観性と実効性を高めたガバナンス体制の整備
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- 保有資産構成とキャピタルアロケーションの見直しを通じた資本効率とお客様への提供価値の向上
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- より透明性のある開示とより積極的な対話を通じた株主コミュニケーションの強化
主要な経営課題に関しては、下記の5つのWG(ワーキンググループ)において個別論点の再検証を行う体制となっております。
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企業統治検証WG
現状のガバナンス体制の課題を検証し、より客観性や実効性を高める改善点について検討する
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株主投資家対応WG
株主・投資家との対話方法を検証し、非財務情報も含めた、より適切な情報開示とIR/SR活動のあり方を検討する
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事業検証WG
これまでの事業戦略を検証し、長期的な方向性の検討と併せて、キャピタルアロケーション方針を検討する
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企業グループ検証WG
子会社上場の意義の再検証を行い、今後のあり方を検討する
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不動産検証WG
不動産所持の意義と資本効率観点での再検証により、必要に応じた見直しを行う
また、実効性と公正性を担保するために、本委員会には社外取締役及び社外監査役も委員として参画しており、加えて専門性を持つ適切な外部アドバイザーを登用しております。
【本委員会公表から本請求に至る経緯】
本請求書に記載の通り、3D様からは2022年8月9日付で当社取締役会宛に書簡を送付いただいて以降も、継続的な対話を行ってまいりました。当社としては、ご指摘の懸念点を重く受け止めた上で、最適な体制構築に向けた建設的なディスカッションを行う所存でございましたが、十分な議論を尽くすこと無く本請求に至ることとなり、大変残念に思っております。
本請求に至るまでの当社と3D様のやり取りの経緯及びその概要について下記の通りご説明いたします。
3D様からは、8月9日付及び8月22日付で当社取締役会宛に書簡(以下、8月22日付の書簡を「22日書簡」といいます。)を送付いただいており、企業価値向上委員会について、
以下 1.~4.の指摘がありました。
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利益率の改善・成長戦略が検証スコープに含まれていない。
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各スコープでは豊富な経験を有する外部アドバイザーを登用した上で検証を行うべき。
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しがらみのない客観的な判断のために、委員会は外部取締役のみによって構成されるべきであり、社内取締役を含めるべきではない。
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現任の社外取締役は必要な専門性と独立性を有していない。従って、貴社取締役会には抜本的な補強が必要であり、そのために3D様は候補者(新任委員・新任社外取締役)を推薦する用意がある。
以上の指摘に対して、当社は、8月18日に3D様と面談を実施し、その後8月25日に書簡を送付する形で下記の通り回答を行いました。
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企業価値向上に向けた収益性の改善に関する事業戦略の再検証は事業検証WGの担当範囲であり、本委員会の再検証スコープに含まれている。本委員会の設置の目的は当社の企業価値向上にあり、当社公表資料でも下記の通り事業検証WGは事業戦略の検証を目的としているとご説明しているところであり、利益率改善策等の収益性の改善に関する再検証も、当然その対象となる。
※事業検証WGに対する説明(p5):「これまでの事業戦略を検証し、長期的な方向性の検討と併せて、キャピタルアロケーション方針を検討する」
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外部アドバイザーに関しては、3D様推薦のコンサルティングファームを含め複数ファームから提案を受領し、実際にファイナンス面・ガバナンス面での専門性と客観性を取り入れるために当該分野に知見を持つ外部アドバイザーの登用を行っており、今後も、検討を進めるにあたって新たな知見が必要であれば追加登用も行っていく予定である。
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当社としては、企業価値向上委員会は当社の企業価値向上に最も有効な形で運用されることが望ましいと考えている。そのために、独立した社外取締役のみでは目的の実現に不十分であり、当社の事業に知悉した社内人材の参画は不可欠であると考えている。その理由は、3D様より指摘いただいている通り、「利益率改善及び成長戦略の検証こそが、本委員会の再検証スコープの中心に据えるべき最重要項目」であるため。保有不動産や上場子会社の再検証やキャピタルアロケーション方針の策定も事業戦略を踏まえた形で実施することを想定している。また、当社としては、本委員会を、事業戦略を含む経営課題を再検証したうえで、実効性のある新たな成長戦略や企業価値向上施策について抜本的な検討をする場と位置付けている。したがって、検証においては客観性と実効性の両方が担保される必要があり、事業戦略における検証、ひいては本委員会活動そのものを実効性の伴うものとするためには、社内、社外どちらかではなく、すべての知見を結集する必要があると認識している。現在の社内取締役は、これまでの当社の成長を牽引し、当社の事業に対する深い理解を有する人材で構成している。事業を知悉し、データに現れないような事業面の課題についても認識している社内取締役も委員として参画したうえで、検証内容や検討結果の客観性を担保するためにも、社外取締役や外部アドバイザーのもたらす客観的な視点や新たな知見と合わせて検討することが、本委員会の有効な運営のためには望ましいと考えている。
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以上でもご説明した通り、当社としては、本委員会の構成は合理的かつ適切と認識している。しかし、より良い形にする余地が存在し、それが実現できる方法が存在するのであれば積極的に取り入れていきたいと考えている。22日書簡において、3D様からは専門性と独立性を有するとお考えになる複数人の候補者の推薦をご提案いただいていると認識している。当社としては、真の意味で専門性と独立性を有している外部委員の追加は企業価値向上を実現するために歓迎すべきものであると考えている。また、当社の企業価値向上に貢献いただける人物であることが確認された場合、社外取締役への就任も望ましいと考えている。なお、この点は、株主利益に配慮し取締役指名のプロセスの公正性を担保する観点から、当社には任意の指名委員会に相当する経営委員会(過半数は社外取締役)が置かれており、経営委員会での審議を経て検討・決定する必要がある。本回答(25日書簡)時点においては、候補者の面談実施前かつ十分に吟味する時間も確保できていないことから、最終的に何名の方に本委員会にご参画いただくかのお約束はできかねる。まずは3D様推薦の候補者の皆様も、重要な候補者として検討するために、随時面談を開始する。
【3Dの株主提案に対する対応】
上記の通り、3D様から提案されている4候補者については、全ての候補者との面談を完了できていない状況にあります。そのため、まずは各候補者との面談を実施し、取締役候補者として慎重に審議し、必要な社外取締役の指名プロセスを経た上で、検討を進めてまいります。
ただし、当社が8月25日の書簡で表明した「当社としては、真の意味で専門性と独立性を有している外部委員の追加は企業価値向上を実現するために歓迎すべきものであると考えている。また、当社の企業価値向上に貢献いただける人物であることが確認された場合、社外取締役への就任も望ましいと考えている。」という姿勢は変わっておらず、3D様 の提案する候補者についても、各候補者の適性は、当社が自ら丁寧に検証すべきであると考えております。
また、当社としては、企業価値向上委員会の活動は株主をはじめとする各ステークホルダーの皆様からのご理解とご信任を賜ることで初めて実効性を伴うものであると考えており、当社には、本委員会における検証プロセスの透明性・公正性が十分に担保され、一部のステークホルダーの利益に偏る形でなく、総合的な観点から当社の企業価値を最大化する結論を出すことのできる体制であることを示す義務があると認識しております。この度の3D様からのご懸念・ご指摘自体は当社としても真摯に受け止めており、本委員会の公正性の担保について、ステークホルダーの皆様に十分にご納得いただける体制の構築に向けた見直しを継続して行ってまいります。
株主の皆様におかれましては、当社が行う予定の意見表明及び当社から開示される情報に引き続きご留意いただき、慎重にご判断いただきますよう、お願い申し上げます。
以上
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