2022年3月1日
当社は、議決権行使助言会社であるInstitutional Shareholder Services Inc.(以下「ISS」といいます。)が、2022年3月11日開催予定の当社の第52回定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で上程をしております株主提案である第7号議案「取締役2名選任の件」(以下、「本株主提案」といいます。)について、「賛成」を推奨するレポート(以下、「ISSレポート」といいます。)を公表したことを確認いたしました。
当社取締役会は、本株主提案に反対しており、ISSレポートは当社の見解との相違が認められることから、改めて当社の見解をご説明させていただきます。
株主の皆様におかれましては、本説明資料及び当社招集通知をご参照頂き、何卒当社取締役会の意見へのご理解を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
記
1.ISSレポートの内容
ISSは、当社が同業他社と比較して営業成績が低く、ROEやROICが低迷している要因は不動産への多額の投資にあり、株主提案の社外取締役を2名追加することが、資本配分を最適化させ、今後当社が進むべき道を決定することに役立つとの理由から、本株主提案に対して賛成推奨をしております。
2.当社の見解
当社は、変化の激しいシステム・ソフト開発業界において、51年の間、着実に成長を続けてまいりました。独立系IT企業として、資本系列等のバックボーンを持つ大手企業に対抗すべく、長期に渡る付加価値向上と安定した成長を目指してまいりました。その時々の技術の発展や様々な環境の変化をチャンスと捉え、他社の追随や特定の技術分野・業種に拘泥することなく、事業を常に変化・発展し続ける独自の経営戦略を強みとして成長してまいりました。一方で、そういった強みが当社独自のものであるが故に、十分にご理解をいただくまでに時間を要することや、同業と分類される他社と比較した場合に劣後している経営指標もあると捉えられてはいるものの、当社は直近10年間(2012年3月期~2021年12月期)において、売上高で約1.9倍、営業利益高で約2.3倍、当期純利益高で約2.3倍、ROEで2.3%の改善、株価で約5倍の上昇を果たしており、企業価値向上を着実に実現していると考えております。
当社は、経営戦略における優位性を持つための手段の一つとして、自社不動産を活用することで開発コストの低減とそれに応じた価格競争力の確保や、セキュリティ対策の整った専用プロジェクトルームを設置すること等で、お客様を始めとする外部からの信用を獲得しております。また、自社不動産の魅力を高めることで優秀な社員の確保につながっており、保有する不動産が当社独自の強みの源泉として企業価値向上に大きく貢献してきたと評価しております。
当社の不動産保有についての考え方の詳細につきましては、3月1日に公表しております「株主提案等に対する当社取締役会意見に関する補足説明」をご確認願います。
当社は、提案株主やISSが指摘している点を真摯に受け止め、最適な資本配分の検討を今後も継続的に行ってまいります。そのためにも、本定時株主総会の会社提案の取締役候補者は、高い財務・会計・ファイナンススキルを有し、当社の属するIT業界にも経験のある独立社外取締役候補者の選任を提案しております。独立社外取締役が過半数を占める指名委員会機能を有する経営委員会の審議を経て、スキルや経験のバランスにも配慮した会社提案の取締役候補者9名が資本配分などの重要テーマを継続的に検討するうえで最適な布陣であると確信しています。
他方で、株主提案の候補者2名につきましては、継続的な対話の中で代表取締役の坂下が面談を行っております。2021年6月には、創業家の保有する株式の生前贈与と併せて当社株主である3D Investment Partners様(以下、「3D様」といいます。)の資金で全ての株式を取得するMBOにより非上場化を行い、保有不動産を私募REITに移転することで創業家に収入をもたらした後に再上場をするスキームの提案も頂いております。本提案につきましては、必ずしも3D様以外の少数株主様の利益とならないこと、保有不動産は当社のコア事業に必要であり個人の利益に転嫁することは望んでいないこと等から、お断りする旨を2021年6月29日開催の取締役会に報告しております。このような経緯も踏まえまして、株主提案の候補者2名は、いずれも提案株主と同一の投資グループに属する関連法人(3D様)のCEOまたは特別顧問でもあり、必ずしも客観的な中長期の企業価値向上の観点ではなく、特定の株主の利益代表になりえることを危惧しています。また、3D様が当社に対して提示した利益率の改善といった事業の本質のテーマについては、外部のコンサルティング会社作成の仮説の提示と、事業特性の異なる企業も含まれる他社との数値を比較することが中心で、当社のこれまでの成長してきた戦略や強みについては一切分析されていない、客観性に欠けた内容になっております。このような経緯も踏まえて、経営委員会での審議を経たうえで取締役会にて検討した結果、2名の選任については適切ではないと考えております。
株主の皆様におかれましては、上記の点をご理解いただき、十分にご検討の上、議決権を行使いただきますよう、宜しくお願い致します。
以上
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