2020年11月25日
富士ソフト株式会社は、車載ソフトウェア開発において安全性に重要な役割を果たす「メモリ保護機能」の習得を目指す技術者の育成を支援するため、国内外で普及が進むAUTOSAR)※1の開発体験が可能な「AUTOSAR開発体験キット(メモリ保護編)」の販売を2020年11月26日(木)より開始いたします。
近年の自動車開発では、ECU(Electronic Control Unit)の高度化、複雑化が進んでいます。自動車に搭載されるECUの数が増加したため、複数のECU機能を1つのECUに搭載する「統合」の動きが進んでいます。「統合」はECUの数を減らすことが出来る反面、安全性の高い機能と安全性の低い機能が混在することで、不具合が安全性の高い機能へと伝搬する懸念があり、顕在化した場合には致命的な問題が発生します。
車載ソフトウェア開発の分野では、安全な製品の開発を促すために機能安全対応(ISO26262)※2の規格があり、その規格に沿った解決手法の一つがメモリ保護機能です。国内外で普及が進む車載ソフトウェアの基本アーキテクチャ「AUTOSAR」※1でも、メモリ保護機能が規定されています。重要な機能でありながら実際には、実機開発を行いながらAUTOSARのメモリ保護機能の習得を目指すしか手段がなく、技術者育成の大きな課題 となっています。
当社は、2015年4月にAUTOSAR入門者向けにECU上で動作するアプリケーションの開発を体験できる教材「AUTOSAR 開発体験キット(基本編)」を発売しています。今回発売する「AUTOSAR開発体験キット(メモリ保護編)」をあわせて活用していただくことで、AUTOSARにおける車載ソフトウェア開発の機能安全対応、メモリ保護の技術向上を支援いたします。
AUTOSAR 開発体験キット(メモリ保護編) https://www.fsi-embedded.jp/product/fsi/adtk/contents/
AUTOSAR 開発体験キット(基本編)
TOPPERS/ATK2、Artop等、無償で⼊⼿可能なソフトウェアを活⽤した低価格の開発キット。
このキットだけで、AUTOSARメソドロジによる基本的な設計からアプリケーション(SW-C)開発まで体験可能。
(参考)
AUTOSAR 開発体験キット(COMスタック編)
AUTOSAR 開発体験キット(基本編)と合わせて利用することで、CANを用いたAUTOSAR準拠のECU間通信ソフトウェア開発の学習が可能。
以上
※1 AUTOSAR(AUTomotive Open System ARchitecture) URL:
https://www.autosar.org/
車載ソフトウェアの共通化を目指してダイムラー・クライスラー(当時)、BMW、ロバート・ボッシュなどが中心となって2003年7月に設立した組織の名称、および同組織が策定している車載ソフトウェアプラットフォーム仕様の名称。富士ソフトは、2008年よりAUTOSARに加入。
※2 機能安全対応(ISO26262)
ある機能/部品が故障したとしても、安全機能や対策により安全性を確保するという考え方に基づいた開発手法。
●ニュースリリースについて
コーポレートコミュニケーション部
広報窓口
TEL:050-3000-2735
E-MAIL:mkoho@fsi.co.jp
●製品・サービスについて
ASI事業部 営業部
TEL:050-3000-2164
E-MAIL:fs-adtk@fsi.co.jp
※記載のニュースリリース情報は発表日現在のものです。
その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※記載の会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。