問い合わせ対応を効率化! 発生件数や対応時間を削減する対策とは
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UX(ユーザエクスペリエンス)と聞くと、見た目や機能をまずイメージする人が多いかもしれませんが、テキスト情報も重要であり、「UXライティング」という言葉も存在します。
そこで今回は、技術やトレンドが目まぐるしく変化するウェブ業界で特に注目されている「UXライティング」について、その概要や取り入れる際のポイントを詳しく解説していきます。
ウェブサイトやウェブサービス、ウェブアプリやネイティブアプリなど、私たちの身の回りにあふれているデジタルプロダクト。数ある製品の中からどれを選んで使うのか、その決め手となるのが「使いやすく、目的を達成できる製品である」ということです。
例えば、英会話のオンライン学習ができるサービスを探していて、良さそうなサービスを見つけたとします。ところがWebサイトから実際に申し込みをする際に、どこから登録するのか分かりにくかったり、申し込み方法が複雑だったりした場合、申し込みをやめてしまうかもしれません。
こうした利用者の離脱を防ぐために欠かせないのが、「UXライティング」です。具体的には、エラーメッセージや注意喚起、利用規約、ボタンやメニューのラベルから登録時の指示まで、直感的で分かりやすい言葉を用いて、プロダクト内での利用者の行動を促す文章のことです。
分かりやすく言えば、「利用者に寄り添った言葉がけ」のことで、ユーザーの定着率にも大きく影響する、とても大切な要素のひとつなのです。
UXライティングと混同されがちなものに、「コピーライティング」があります。ここでは、このふたつの違いについて詳しく見ていきましょう。
UXライティングとコピーライティングの違いは、その目的です。コピーライティングは「利用者の注目を引く」「利用者の印象に残る」ということを一番の目的にしていますが、UXライティングは「利用者に分かりやすく伝え、次の行動を促す」ということを目的にしています。
一般的には、コピーライティングはプロダクトを利用する前に目にする文章で、UXライティングはプロダクトを利用している最中に目にする文章という位置づけです。
数あるサービスの中から、どうしたら自社のサービスを選んでもらえるのかという点に重きを置いて考えられたのがコピーライティングで、選んでもらったサービスをどうしたら快適に使い続けてもらえるのかという点を意識して書かれたのがUXライティングとなります。
UXライティングを意識してプロダクトを制作することで、企業はクリック率やコンバージョン率の向上、ブランディングの強化といった多くのメリットを得ることができます。UXライティングは利用者の満足度にも影響する重要な要素のため、近年では大手企業がUXライティング専門のライターを採用するケースも増えているほどです。
このように、プロダクトを制作するうえで欠かせないUXライティングですが、具体的には、ウェブサイトやアプリ登録時のスタートガイド、利用の流れを説明するコンテンツ、タイトル、ボタン、エラーメッセージ、キャンセル、各種通知など、利用者の理解や行動を促すさまざまなシーンで必要となります。
では、実際にUXライティングを行う場合、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。ライティングの際に意識すべきポイントをまとめてみました。
利用者の性別や年代によって価値観が異なるように、その人に響く適切な言葉も変わってきます。UXライティングを行う際には、まず誰をターゲットにするのかを決定し、どうすればその人とプロダクトの距離が縮められるのか、どうすればその人が快適にサービスやモノを利用できるのかを考えていきます。利用者の理解を深めるためには、ペルソナシートなどを活用するのがおすすめです。
UXライティングは「どのように伝えるのか」がとても重要な要素になりますので、どのような言葉を使ってどのような表現をするのかを、しっかりと見極めることが大切です。ポイントは、「簡潔な文言」を用いるということ。不要な言葉で長々と説明するのではなく、最低限の言葉で伝わるように心がけましょう。
特定の企業や業界の中だけでしか使われていないような専門用語は使用せず、誰でも理解できる言葉を選ぶことも大切です。これは、プロダクトだけに限らず、マニュアルなどを作成する際にも重要な要素で、UXライティングでは、できるだけ平易な文章を心がけ、複数の解釈が生じない文章で書くことが求められます。
ひと通りのUXライティングが完了したら、初見の利用者に実際に使ってもらい検証することも忘れてはいけないポイントのひとつです。言葉のわかりにくい部分がないか、使いにくさを感じる箇所はないかなど、利用者からのフィードバックを参考にして、必要に応じた改善を行いましょう。
利用者の定着やコンバージョン率の向上を目指す場合には、UXライティングを意識することが大切です。上記を参考に、UXライティングを取り入れてみてください。
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