個人情報を含む機密データのやりとりが行われるスーパーシティでは、セキュアなデータ交換を実現する情報プラットフォームの構築が欠かせません。
連載最終回は、データの完全性と安全性を保証し、すべての照会履歴を監視できるデータ連携基盤「UXP(Unified eXchange Platform)」の有用性に迫ります。
個人情報などの機密・機微データを行政や企業間で共有し、利活用するためには、第三者から傍受されない安全な通信経路を用意するのは言うまでもなく、取り交わすデータ自体の信頼性を確保することも重要な要件となります。
この課題を解決するのがセキュアなデータ連携基盤として知られる「UXP(Unified eXchange Platform)」です。
UXP はTLS暗号化通信や電子署名、タイムスタンプなどのセキュリティ技術とユーザー認証・認可、履歴管理を組み合わせ、「誰が」「いつ」といったデータ自体の完全性を保証する仕組みを提供することで、高い信頼性を確保したデータ交換基盤を実現します。加えて「誰の」データを「何のために」参照したかを徹底して管理することで、不正利用を抑止します。
既存の情報システムに対して容易に導入できることもUXPのメリットです。情報システムに標準的なWeb API(SOAP/REST)が備わっていれば導入可能です。仮にWeb APIが存在しない場合でも、UXP Connectorという接続ツールを用いることでWeb APIを自動生成し、ノンコーディングで導入できる仕組みとなっています。クラウドへの対応も進めており、クラウド上でUXPの利用も可能です。
また、UXPは分散型データ連携の基盤であるため、連携する情報システムの着脱も簡単に行うことができます。情報システムへ影響を与えることなく、管理コンソールから追加・削除の設定を行うだけでUXPへの接続をコントロールできるのです。UXPに接続する情報システムは自由であり、特定のベンダーに囲い込まれる「ベンダーロックイン」に陥る心配もありません。
こうした優位性からUXPは、米国疾病管理予防センター(CDC)における個人用保護具(PPE)の監視および監視システム、ウクライナの電子政府相互運用システム、ナミビアのe政府相互運用システムなど、各国政府の重要システムでも導入が進んでいます。
スーパーシティにおける安全なデータ利活用を実現するには、取得したデータを利用するための基盤と、データの信頼性の確保するためのシステム構築が求められます。
富士ソフトはFIWAREとUXPの提供を通じて、自治体のDX推進に貢献してまいります。
UXPによりデータ提供者や利用者の間でデータの信頼性が保たれる
UXP(Unified eXchange Platform)はCybernetica AS社の開発した商標登録製品です。
https://cyber.ee/products/secure-data-exchange/
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