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試合のルール変更点

事務局では、競技の安全性向上のため、ロボットの鋭利な部分についての規定化を検討しています。
来年度以降でのルール変更を予定しておりますのでご協力をお願いします。
また、検討内容については今後公式HP等にて情報を展開予定ですので、各自ご確認をお願いします。なお、2019年度試合規則の変更はありません。


《ロボット製作における改善のお願い》
安全確保のため、ロボットの状態が他の人にわかるよう自立型ロボットに状態を示すLEDをつけることを推奨します。 READY(消える)、動作中(点灯)※走行していなくてもすぐに動く状態、停止(点滅)

試合のルール

第1章 総則

(目的)

第1条
この規則は、全日本ロボット相撲大会の試合規則として定める。

第2章 試合の定義

(定義)

第2条
試合は試合者(1台のロボットに付き操作員1名を登録し、その他に補助員1名を付けることができる。ただし、この補助員は操作員を兼ねることはできない。)双方が試合規則(以下「この規則」という。)に従って定められた土俵内で独自に製作したラジコン型・自立型のそれぞれのロボットを用いて試合を行い、互いに有効の決まり手(以下「有効」という)を競い、審判員の判定によって勝敗を決めるものである。

第3章 土俵場内の規格

(土俵等の規格)
第3条 土俵等の規格は以下のとおりとする。

土俵等の規格
1 土俵場内の定義 (1)土俵場内とは、土俵と余地の部分を言い、その他を土俵場外という。
2 土俵の規格 (1)高さ50mm、直径1,540mm(区画線を含む)のアルミ製板の上に黒色の鋼板(冷間圧延鋼板:SPCC)を張り合わせた円形とする。
3 仕切り線 (1)土俵の中心点から左右に100mmずつ離れた位置に幅20mm、長さ200mmの茶色線で表示する。
4 土俵内、外の区画線 (1)区画線は、土俵の円形外側円周より内側に幅50mmの白色線(白色線上は土俵内とする)で区画する。
5 余地 (1)1辺が3,600mの正方形とする。形状や材質は自由とするが安全性に配慮しなければならない。

第4章 ロボット等の規格

(ロボット等の仕様)
第4条 ロボット等の仕様は以下のとおりとする。

1 ロボット本体の規格 (1)幅200mm、奥行き200mm、高さ自由とし、四角形の規格検査枠に納まることとする。
2 ロボット本体の重量 (1)付属部品を含めて3,000g以内とする。ただし、ラジコン型の場合はプロポーショナル・システム(以下「プロポ」という。)を含まないものとする。
3 ラジコン型で使用する電波 電波は2.4GHz、27MHz(01~12)のナローバンドならびに40MHz(61、63、65、67、69、71、73、75バンド)とする。
4 プロポの指定 (1)ロボット1台に付き1台のプロポとする。
(2)プロポは新ラジコンシステムまたは国内で販売されているフタバ社・JR社・三和社・近藤科学社製のいずれかを用いる。
5 クリスタル (1)ラジコン型で使用するクリスタル受発信部品は、大会で使用する周波数帯の全てのクリスタルを出場選手は用意し、事前に大会事務局から承認を得て使用する。持参したクリスタルに不備がある場合は、大会事務局で用意したものを使用する。
(2)ロボット本体でのクリスタル受発信部品の着脱を容易に行なえるように予め工夫されているものとする。
(3)新ラジコンシステムを使用する場合は上記の限りではない。
6 自立型の動作開始 (1)ロボットは大会事務局の「遠隔スタート・停止用リモコン」(以下「専用リモコン」)によるスタート指示により動作を開始しなければならない。 専用リモコンの操作は審判または競技スタッフが土俵場外から行う。
7 自立型の停止方法 (1)自立型のロボットは専用リモコンまたは選手のリモコンで遠隔から停止しなければならない。 専用リモコンの操作は審判または競技スタッフが土俵場外から行う。
(2)「リモコン」が電波式の場合、大会で使用されるラジコン型の電波周波数帯を使用してはならない。
ただし、2.4GHzはこの限りではない。また、リモコンには新ラジコンシステム以外のプロポを使用してはならない。
8 ブレ-ド使用条件 (1)ロボット同士が接触したとき、または動作中に飛散する材料部品の使用を禁止する。
9 出火防止対策 (1)ヒューズまたはポリスイッチの装備、回路による遮断等、バッテリーへの過電流を防止する対策がなされていること。
(自立型ロボットの動作条件)
第5条
相手ロボットを探知し、自らも向きを変えて戦意ある動作をするよう製作されているものとする。なお、動作が疑わしき場合は、動作確認を審判の指示で行う場合がある。(プログラム変更等をせずに、試合が終了した状態のままで実施する)

(自立型の「リモコン」の使用条件)
第6条
審判の指示があるまで「リモコン」は指定された場所に置き、触れてはならない。

2 ロボットを停止する際の「リモコン」の操作は土俵場外で行わなければならない。

(製作上の禁止事項)
第7条
妨害電波発生装備または、ストロボ等相手のコントロールを乱す装備を内蔵してはならない。

2 土俵上を傷つけたり、汚したりする部品を使用してはならない。

3 液体、粉末および気体を内蔵し相手に吹き付ける装置をセットしてはならない。

4 発火装置を内蔵してはならない。

5 物を飛ばす、投げる装置を内蔵してはならない。

6 吸盤、糊等を用いてロボットを土俵上に固定し、自らも動作不能になる部品を用いてはならない。


第5章 試合の方法

(試合の方法)
第8条
試合時間は3分間で3本勝負を原則とし、試合時間内に有効2本先取した方を勝ちとする。

2 一方が有効1本を取り試合時間が終了したときはこれを勝ちとする。

3 試合時間内に勝敗が決しないときは、第15条[優勢]の判定により勝敗を決める。
優劣の判断し難たいとき、3分間の延長戦を行なうものとする。
ただし、延長戦の場合は有効1本を先取した方を勝ちとする。

4 試合が終了するまでは一切整備は禁止する。
ただし、次の試合までの待機中の整備、
また自立型の試合中のプログラムの変更はこの限りではない。

5 土俵の傷、汚れなどについては、審判が試合可能と認めた場合は土俵を交換せずに継続使用する。


第6章 試合の進行

(安全の確保)
第9条
試合を行うに際し、試合者及び審判員は安全確保のため、ゴーグル及び手袋、運動靴の防具を装着する。

2 ラジコン型の試合は、審判の停止合図でプロポの操作を止め、
プロポは指定場所に置き、試合以外での操作をしてはならない。
従って、ラジコン型の仕切り線への仕切り(ロボットの置き方)方法は、プロポ操作による仕切り線への移動を禁止する。
ロボットには手を添えて仕切り線に素早く仕切らせ、試合開始の態勢を取らなくてはならない。

(試合の開始)
第10条
試合者は主審の指示に従い、土俵場外で立礼した後、操作位置に移動する。
試合の開始、再開時は速やかにロボットの全ての設定を行い、土俵場内に入らなければならない。

2 試合者は主審の合図に合わせ相手と同時に土俵上にロボットを仕切らせなければならない。
(この時、仕切り線より前にロボットの一部が出てはならない。かつ、仕切り線両端から垂直に白線に向けて線を引いた延長線の内側、またはロボットの一部がその延長線に触れるよう仕切らなくてはならない。) 
なお、ロボットを仕切らせた後、仕切り位置を移動してはならない。
また仕切り後は速やかにロボットから離れなければならない。

3 ラジコン型は電子音で試合を開始する。

4 自立型は審判または競技スタッフによる専用リモコンのスタート指示で試合を開始する。

(試合の中止、終了)
第11条
主審の試合中止の合図によりロボットを即時に停止する。
自立型は専用リモコンまたは選手のリモコンで停止しなければならない。

2 試合の終了時は、主審の勝敗宣告後、試合者双方、礼をする。

(試合の取り直し等)
第12条 試合中に以下の状態となったときは試合を中止し、取り直しとする。

1 双方のロボットが接触した状態で走行を停止、または接触した状態で同一軌道上を走行しており、審判が3カウントしても状況が変わらない場合。

2 双方のロボットが土俵外の余地部分に同時に接触した場合。

3 その他、勝負が決まらないと審判が判断した場合。

4 取り直し後においてもなお勝負が着かない場合、主審は双方のロボットを指定する位置に仕切らせることができる。
さらに勝負が着かない場合は「優勢」の判定を行う。


第7章 有効及び死に体ならびに優勢

(有効)
第13条 次の場合を有効とする。

相手のロボットを適法な手段で土俵外の余地部分に接触させた場合。

2 相手のロボットが何等かの理由で自ら土俵外の余地部分に接触した場合。

3 第14条[死に体]の判定を受けた場合。

4 第15条[優勢]の判定を受けた場合。

5 第16条[警告]各項に掲げる警告を2回受けた場合。

6 第17条[反則]の各項に掲げるいずれかの判定を受けた場合。

7 第20条第3項[不戦勝]の判定を受けた勝者には、有効2本(既に1本取得しているときは1本)を与え、
 敗者の既得本数はそのまま有効とする。

(死に体)
第14条 次の場合を死に体とし有効1本を与える。
1 ロボットの車体が土俵からはみ出した状態で審判が3カウントしたが戻れない場合。

(優勢)
第15条 次の場合を「優勢」として有効1本を与える。

1 審判は試合中、双方ロボットの戦法、動き、技などを総合的に判断し、優れているロボットを優勢として有効を与えるものとする。

2 第8条[試合の方法]第3項の規定は、前項の判定によって決する。


第8章 反則及び罰則

(警告)
第16条 試合者が次の各号に該当する行為を行った場合は警告とする。警告を2回受けた場合は、相手方に有効1本を与える。

1 試合中に操作員または補助員の一部(プロポ等)が土俵場内に入ったとき。ただし、主審の停止合図後はこの限りではない。

2 試合開始前にロボットが動作(物理的な拡張及び移動)した場合。

3 第6条[自立型の「リモコン」の使用条件]に違反した場合。

4 ロボットを土俵に仕切らせた後、再度仕切り位置を移動させた場合。または、速やかにロボットから離れなかった場合。

5 試合者が、第9条第2項[安全の確保]に違反した場合。

6 遅延行為とみなされる行為があった場合。

7 その他試合の公正を害すると思われる行為があった場合。

(反則)
第17条 試合者が次の各号に該当する行為を行った場合は反則とし、相手方若しくは双方に有効1本を与える。

1 本体より部品の一部が分離し、その部品が動作した場合。

2 ロボットが土俵上にて停止し、動かなくなり、審判が3カウントしても動かない場合。

3 双方のロボットが互いに走行するが接触せず、審判が3カウントしても接触しない場合。

4 選手自ら試合の中止を申し出た場合。

5 試合開始前にロボットをスタートさせ審判が危険と判断した場合。

6 部品が飛び審判が危険と判断した場合。

(反則負け)
第18条 試合者が次の各号に該当する行為を行った場合に反則負けとする。

1 試合開始にあたり、呼び出しがあっても指定された土俵に試合者がいない場合。

2 土俵を傷つける、汚すまたは変形させるなど著しく試合の公正を害する行為を行った場合。
傷については長さが20mm以上で土俵の下地がみえる傷を反則負けとする。

3 試合者が第4条[ロボット等の仕様]に反する場合。
また同条第8項ブレード飛散の定義は、飛散の大小に関係なく「飛散した場合」は「反則負け」とする。

4 ロボットが第5条[自立型ロボットの動作条件]に掲げる動作をしなかった場合。

5 試合者が第9条[安全の確保]第1項に記載する防具を装着せずに出場した場合。

6 ロボットより火が出た場合、もしくは火が出たと同じような状況にあると審判が判断した場合。

(失格)
第19条 試合者が次の各号に該当する行為を行った場合は失格とし、順位はつかないものとする。

1 試合者が第7条[製作上の禁止事項]に掲げる不当な手段により、ロボットを製作した場合。

2 試合者が相手方または審判員等に暴言、中傷、意図的な棄権をはじめ、フェアプレー精神に反する行為を行った場合。

3 故意に相手方を傷つける行為を行った場合。


第9章 試合中負傷または事故が生じた場合

(試合の一時中止の要請)
第20条 試合者が試合中にロボット操作による事故などのため負傷し、試合を継続することができなくなった場合は審判員に対し試合の一時中止を要請することができる。

2 前項の場合、審判員は速やかに適切な措置を講じなければならない。

3 前項の措置を講じても再試合が出来ない場合は相手方の不戦勝とする。


第10章 異議の申し立て

(異議の申し立て)
第21条 審判員の判定に対し、だれも異議の申し立てをすることはできない。


第11章 標識等の規格

(赤青の表示)
第22条 土俵は、主審の右手側を赤、左手側を青と定義する。

(ロボットの標識)
第23条 ロボットには審判から見やすい位置に第22条の定義に従った色の識別シールを貼る。


第12章 その他

(規則の改廃)
第24条 この規則の改廃は、大会委員会規則に基づく大会委員会の審議を経て大会委員長が決定する。



500gクラス規格について

これまでの3㎏クラスに比較して、さらに幅広い層が取組み易い「500gクラス」を開始しています。これはロボット相撲を通じて学ぶ機会を創出し、人材育成に貢献することが目的です。500gへ取り組むための情報や、今年の大会の詳細は追ってHPやFacebookで公開してまいります。

【ロボットの規格】()内は3㎏クラスの規格
サイズ:幅10cm×奥行き10cm以内(幅20cm×奥行き20cm以内)
重量 :500g以内(3㎏以内)
高さ :自由
機能 :吸着機能を装備することは禁止(吸着機能の制限なし)
安全対策:ブレード等先端部分は半径0.1㎜以上で丸めること(規定なし)
カテゴリ:自立型、ラジコン型
【土俵の規格】
土俵直径: 77cm(154cm)
俵     : 2.5cm(5cm)
仕切線  :長さ 10cm 幅 1cm 距離 10cm(長さ 20cm 幅 2cm 距離 20cm)
  高 さ   : 2.5cm(5cm)
材 質  :木製、表面はメラミン塗装もしくはメラミン化粧板(SPCC鋼板製)
【試合規則】
ロボット・土俵の規格以外は3㎏に準拠


500gクラスと3kgクラスの違い

500gクラスと3kgクラスの主な違いは、土俵及びロボットの大きさと吸着の禁止となります。その他の試合方法や判定については、3㎏クラスと同様です。

土俵直径:154cm   →77cm
白 線 :5cm     →2.5cm
仕切り線:長さ20cm →10cm
     幅  2cm →1cm
高 さ :5cm    →2.5cm
材 質 :冷間圧延鋼板→ 木製 (表面はメラミン塗装もしくはメラミン化粧板)




土俵の大きさ・高さは3kgの半分
幅20cm×奥行き20cm以内 → 幅10cm×奥行き10cm以内
3kg以内 → 500g以内
自由(500gも制限なし)

その他の3㎏との違い
・吸着機能の禁止
・ブレード等先端部分を半径0.1mm以上で丸める

500gクラスの安全性について

500gクラスの安全性について検討するため、最速で動作した際の運動エネルギーをクラスと比較し、3㎏より安全であることを確認しています。

運動エネルギーの計算式
運動エネルギー(J)=1/2×質量(kg)×速度(m/s) ×速度(m/s)
この計算は自動車の衝突時の衝撃の計算などにも使用されており、土俵からロボットが飛び出した際に与える衝撃力の比較として使用。ロボットの速度についてはロボット相撲の製作者より、過去の設計・実測情報を入手。500gは吸着が無く、自重による摩擦力で走行するため、3kgの1/8の最大速度となる。

3kgクラスの運動エネルギー
1/2×3㎏×4m/s×4m/s=24J
500gクラスの運動エネルギー
1/2×0.5kg×0.5m/s×0.5m/s=0.0625J

500gクラスは3㎏クラスと比較し約1/400の運動エネルギーとなり、先端を丸めて試合を行うことから、場外へ飛び出し、衝突した際もケガとなる可能性は低いと考えられる。