北京蒲蒲蘭⽂化発展有限公司(中国リージョン導入事例)

業務システムの基盤としてAWSを採用
安定したシステムが急成長する中国での絵本ビジネスを支え、
日本本社とのリアルタイム情報共有も実現

導入前の課題

  • 急増する刊行数に版権管理業務に限界が来ていた
  • 日本本社への経営情報共有が不十分だった
  • システム基盤に割くスペースや人員がなかった

導入後の期待

  • 版権管理業務をシステム化し、業務効率化を実現
  • 日本本社側とリアルタイムでの情報共有を実現
  • 運用負荷を最小限にしつつ、将来へのスケーラビリティを確保




導入の背景

10年で売上規模が20倍に急成長
属人化した業務が限界に

北京蒲蒲蘭⽂化発展有限公司
副董事⻑
北村 明 氏

-版権管理システム導入の背景をお聞かせください

当社は児童書などで知られるポプラ社の事業を中国で展開するために2004年に設立されました。当時のポプラ社代表が中国を訪問した際に、中国には絵本がほとんどないことを知ったのが設立のきっかけです。
当初は絵本が全く理解されず苦戦していましたが、中国国内の経済成長ともに子どもの教育意識も高まり、この10年で売上・利益ともに約20倍になるほど急成長しました。

この急激な成長に伴い課題になってきたのが管理業務でした。北京蒲蒲蘭文化発展有限公司(以下、北京蒲蒲蘭)では、日本や海外で出版された絵本を翻訳して販売しているので、元の絵本の作家や出版社に印税を支払う必要があります。
これまではExcelベースで業務を行っていましたが、発行部数が増え、また版権管理自体が複雑なこともあり、人手による管理に限界を迎えつつありました。また、業務自体が属人化し、異動などで担当者が変わると、その引継ぎで混乱することもありました。印税計算はお金が絡むこともあり、精度の向上と担当者の業務負荷軽減が必須な状態でした。さらに、日本本社(株式会社ポプラ社)への版権や売上情報の共有にも時間がかかっており、本社サイドからも改善を求められていました。そこで、これらの課題を解決すべく版権管理のシステム化を決定しました。

会社選定のポイント

富士ソフトの自社での開発体制及びコストを評価​

-パートナーとして富士ソフトを選ばれた理由をお聞かせください

日本本社との連携もあるので、日系ベンダーが良いと判断し、富⼠軟件科技(⼭東)有限公司(富⼠ソフト中国)と、もう1社日系のIT系コンサルタントにシステム提案を依頼しました。両社ともシステムの考え方自体にあまり差はなかったのですが、サーバーの設置の仕方、そして富士ソフトが自社で開発を行うのに対し、もう1社は中国ベンダーに外注するという開発体制の違い、そしてコストの3点を総合的に評価しました。

さらには、富士ソフト中国の代表が富士ソフト本社の役員であるということから、富士ソフトの中国ビジネスに対する姿勢も感じました。その結果、富士ソフトのほうが安心して、かつリーズナブルにお願いできると考え、パートナーに決定しました。

-システム構築の要件はどのようなものだったのですか

喫緊の課題は版権管理でしたが、将来的には他の業務のシステム化も進めていく方針でしたので、システムの拡張性は重要なポイントでした。
また、社内にはサーバーを設置するスペースはなく、運用を行う人員の確保も難しいため、オンプレミスは避けたいと考えていました。さらには中国内の複数拠点(北京、上海、広州)で使うことができ、日本とも円滑なやり取りができることを必須としていたので、必然的にクラウドで、ということになりました。
この要件に対する富士ソフトからの提案は、AWS上にintra-mart Accel Platformによる業務システム基盤を構築し、その上に版権管理システムを乗せるというものでした。システムとしてはスモールスタートが可能で、将来の拡張性も問題ありません。
さらに、AWSであれば日本国内からのアクセスも専用線が不要となるため、パフォーマンス的にもコスト的にもメリットがあると感じました。
このように当社の要件をしっかり把握しつつ、最適な提案をもらったので、富士ソフトに対する信頼感は非常に高いものとなりました。

-導入はスムーズに進みましたか

当社にとって、版権管理業務のシステム化は初めての取り組みであり、どのような形にしていけばいいかというところからのスタートでしたが、富士ソフト中国の担当者が現場の声を吸い上げて、システム化を進めてくれた結果、使いやすいものなったと感じています。
システムの運用にあたっても、丁寧なサポートをしてもらえたので、当社の担当者たちもかなり早く新しいシステムになじんでいったと感じています。

システム構成図

北京蒲蒲蘭⽂化発展有限公司様 システム構成図​

導入の結果

安定したAWSの基盤で広い国土も、国境も超える

-基盤としてAWSを選択したことはどのような効果をもたらしているでしょうか

まずは、基盤としての安定性です。稼動から1年余りがたちますが、システムが落ちたことは全くありません。この手のシステムは何らかのトラブルが付き物ですが、それが全くないことは素晴らしいことです。
また、いずれの拠点からの接続も安定した速度で接続できるので、業務を円滑に進めることができます。さらには、専用線を使わなくとも日本から安定して接続ができるようになったので、日本側への情報共有もリアルタイムで行えるようになったのは大きな成果だと思います。
実は中国では中国国内のクラウドベンダーが圧倒的に強いのですが、日本から国境を越えた接続や利用、という点ではやはりAWSの安心感やパフォーマンスに軍配が上がるかなと考えています。
今後の展望

システム拡張も安心して進められるAWSのスケーラビリティ

-今後のご予定についてお聞かせください

富士ソフトからの提案を土台に、順次業務システムを基盤に載せていく計画を進めています。現在は編集・印刷の工程管理システムを構築中で、2021年に稼動を開始する予定です。
これにより、出版予定の本の進捗状況が可視化できるようになり、事業計画の精度が上がると期待しています。さらに今後数年以内に、現在パッケージソフトを使っている会計システムや絵本の販売管理システムも業務システム基盤上に移行し、会社全体の業務効率化を図ることで、さらなる拡大が見込まれる中国における絵本出版事業を支えていきたいと考えています。
このように今後拡大する業務システム基盤を支えるものとして、AWSの拡張性に期待するところ大です。

他方、北京蒲蒲蘭での成功を見て、日本本社側も関心を示しています。実際、富士ソフトとの話し合いも進めているようですので、近い将来はAWS基盤上の業務システム基盤で、日中のシステムが連携し、効率的な業務遂行が行われるのではないかと期待しています。

-最後に、富士ソフトに期待することをお聞かせください

版権管理システムの構築の時から、富士ソフトがいなければこのシステムはできなかっただろうと考えています。また、当社のビジネスと課題をよく理解し、それに対する適切なソリューションを随時提案してくれる存在として、富士ソフトに対する信頼性は絶大なものがあります。今後も北京蒲蒲蘭、そしてポプラ社をシステム面から支えていっていただきたいと期待しております。

導入サービス

今回取材に応じてくださった方

  • 北京蒲蒲蘭⽂化発展有限公司
    副董事⻑
    北村 明

北京蒲蒲蘭⽂化発展有限公司

北京蒲蒲蘭⽂化発展有限公司

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