小田急不動産株式会社(Amazon WorkSpaces 導入支援)
コロナ禍におけるテレワーク環境として、
Amazon WorkSpacesを活用。
出勤抑制下の業務継続に貢献
導入前の課題
- 働き方改革(介護、育児)への対応
- 東京五輪開催時の出勤抑制への対応
- 新型コロナウィルス感染防止対策
導入後の期待
- Amazon WorkSpaces導入による先行検証
- コロナ禍のテレワーク対応で短期間に約200ユーザーを展開
- 富士ソフトのサポートにより迅速な展開を実現
働き方改革推進のためDaaSの導入を検討
小田急不動産株式会社
経営企画本部 経営企画部
顧客開発・IT推進グループ
上席チーフ 國井 昭良 氏
-導入の背景をお聞かせください
当社は小田急電鉄沿線を中心に、「戸建て・マンションの開発・分譲」、「オフィスやマンション等の賃貸」、「土地建物の仲介」の3つの事業を主軸とした総合不動産業です。
近年の働き方改革推進の機運の高まる中、当社でも2019年に人事・総務部門が社員総会において、育児休暇や介護休暇を取得している社員も在宅で勤務ができる環境を整えていくと発表しました。それを受けて当IT推進グループでは、テレワークに最適なIT環境の調査・検討を始めました。
-テレワーク環境としてDaaSを選ばれた理由はどのような点ですか
社内利用PCの持ち出しを検討しましたが、PCの管理が困難になることが予想されたため候補外となりました。
また、すでに分譲事業および仲介事業では長年VDI+シンクライアントを使っており、一部外部からのVDIアクセスも実施していたため、これを一般の社員にも適用することも検討しました。しかしながら、一般社員は様々な業務に対応する必要があるため、当社既存のVDI環境では拡張が大掛かりとなり、運用管理も難しくなることが予想されました。
ちょうどそのころ、DaaSのサービスが出てきたところでした。情報収集してみると、環境構築も運用管理も比較的容易にできることがわかり、今回のニーズに合致していると判断したため、DaaSに絞っていきました。
安定感と導入のしやすさからAmazon WorkSpacesを選択
信頼感の高さから富士ソフトを導入パートナーとして選定
-数あるDaaSの中でAmazon WorkSpacesを選んだ理由をお聞かせください
いくつかDaaSも比較検討しましたが、AWSの安定感、さらにはすぐに使えそうだと感じ、Amazon WorkSpacesを選びました。
-導入パートナーとして富士ソフトを選んだポイントをお聞かせください
前年にVDIのリプレース案件があり、その際にお声がけした1社が富士ソフトでした。その提案いただいた内容や、技術的な面での説明が非常に良かった印象があり、お願いしたいと考えていました。
Amazon WorkSpacesの導入にあたって、当初AWSに直接問い合わせていたのですが、導入にあたってはパートナー経由で行っているとのこと。
そこで、AWSのパートナーリストを見ると富士ソフトを見つけたのでAWSに聞いてみると、「富士ソフトは当社の中でも重要なパートナーSIerです」という回答があったので、迷わず富士ソフトに導入を依頼することに決めました。
検証用のスモールスタートからコロナ禍の急なテレワーク対応へ
-導入はどのように進めていかれたのでしょうか
テレワーク対応といっても、社としての具体的な予定や方針が決まっていたわけではありません。ただ、働き方改革の機運が高まる中で、システム側としていつでも対応できるようにするための先行調査という意味合いでしたので、まずはテスト環境として1台を導入し、私自身が試用しました。このような本当の意味でスモールスタートができるのもAmazon WorkSpacesの良さだと考えています。
OSがWindows 10 ではなく、Windows Server 2016 ということもあって、若干環境の違いなどはありましたが、自分で環境を構築して、テストを行っていきました。
-社内への展開はどのように考えられていたのでしょうか
育児休暇や介護休暇取得者向けとしては、まだ社内制度が決まっていないため、すぐに出番が来るというわけではありませんでしたが、2020年夏に予定されていた東京五輪に合わせて出社抑制がかかると見込まれていたため、そこが最初の実用タイミングと想定していました。
しかし2020年春の新型コロナウィルス感染拡大に伴う、緊急事態宣言が発令され、企業に対してはテレワークが推奨されることとなりました。そこで、当社でも対応することとなり、急遽Amazon WorkSpacesによるDaaS環境の展開を始めました。
-実際、どれぐらいの方がAmazon WorkSpacesを利用してテレワークを行われたのでしょうか
最大で400ユーザーまでは想定していましたが、実際にはピーク時に250ユーザーまでいきました。現在(取材時:2020年7月上旬)は、原則7割出社・週1~2回ほどの在宅勤務が推奨されており、220ユーザーほどが利用を続けています。
今回、まさに緊急対応でしたが、Amazon WorkSpacesのメリットを享受しています。ユーザー数は1から250に一気に増えたわけですが、VDIとは異なりサーバの増強などは全くいらず、契約数を変えるだけでしたので、すぐに対応ができたのは言うまでもありません。
今回は自宅PCからのアクセスを許可しましたが、これもアクセスに対してセキュリティの懸念が不要だったことで速やかに決断できました。また、社内のActive Directoryとの連携を取っていたので、社員も日ごろ使っているID、パスワードを利用してログインでき、混乱もほとんどありませんでした。
社員にもとても好評で、「ずっとこれ使い続けられるよね」と聞いてくる社員も少なからずおりました。
Amazon WorkSpaces導入形態
VDIを含めた全面的なAmazon WorkSpacesへの移行の可能性も
-今後はAmazon WorkSpacesをどのように活用されていこうとお考えですか
ポストコロナ(アフターコロナ)の働き方として、これまで働き方改革で注目されてきた育休・介護休暇などの一時的な在宅勤務にとどまらず、今は緊急避難的に行われているテレワークが会社の制度化されることが現実的なものとなってきました。こうなってくると、状況に応じて柔軟に対応できるAmazon WorkSpacesのようなDaaSが標準的な環境になることも十分に考えられます。
また、現在は小田急グループのデータセンターで運用しているVDIのインフラも、時代の潮流から言ってデータセンター自体がクラウドに移行することも考えられるので、これらの環境もDaaSにしてしまったほうが最適だという時期も来るでしょう。
コスト面で言えば、今回はテレワークメインがメインになったので月額固定で支払っていますが、出社7-テレワーク3のような働き方になってくれば、全社的には従量制にしつつ、育休・介護休で在宅勤務するユーザーだけは月額固定で支払うという形も想定されます。
このようなコスト面での柔軟性もAmazon WorkSpacesのメリットと言えるのではないでしょうか。
-今後、富士ソフトに期待されることをお聞かせください
先ほども触れましたが、グループ含めて今後VDIだけでなく基幹システムや業務システムなどのクラウド化の流れは止められないと考えています。富士ソフトはクラウドシフトに関しても豊富な経験をお持ちと聞いているので、とても期待しています。
また、独立系SIerとして特定のベンダーに偏ることがないという点も評価しています。今後加速していく当社のデジタルトランスフォーメーションに対しても、当社の目指す方向を積極的にキャッチアップしていただき、当社が実現したいことを積極的に形にしていっていただければと思います。
今回取材に応じてくださった方
- 小田急不動産株式会社
経営企画本部 経営企画部 顧客開発・IT推進グループ
上席チーフ 國井 昭良(右)
- 富士ソフト株式会社
ソリューション事業本部 インフラ事業部 クラウドソリューション部
リーダー 高木 昌幸(左)
導入サービス
小田急不動産 株式会社
- 所在地:
東京都渋谷区初台1-47-1 - 代表者:
取締役社長(代表取締役)
金子 一郎 - 社員数:
384名(2020年3月31日現在) - オフィシャルサイト:
https://www.odakyu-fudosan.co.jp/