セールスフォースといえばCRM(Customer Relationship Management)というイメージがあります。しかし、セールスフォースは成長を続けており、ポートフォリオを拡大しています。それは、お客様が実現したいことに対し、さまざまなポートフォリオで課題を解決していく「ビジョンセリング」というコンセプトに基づいています。ここでは、現在のセールスフォースで代表的な3つのサービスについて紹介します。
業務アプリ開発のための「Force.com」
主に企業のIT部門がビジネスアプリケーションを開発し、運用するためのクラウド型プラットフォームが「Force.com」です。統合されたツールとアプリケーションサービスのセットとなっており、Database.com上で稼働します。言わば、SaaS(クラウド型アプリケーション)を開発するためのPaaS(クラウド型プラットフォーム)であるといえます。クラウドサービスのため、企業内にハードウェアやソフトウェアを用意することなく、すぐに利用を開始できることが特長です。
導入コストを大幅に抑え、安価な月額料金で利用できるため、従来の半分のコストでビジネスアプリケーション開発が可能になります。また、「Appforce」「Siteforce」「ISVforce」「vmforce」といったツール類によって、開発の工数を大幅に削減します。特に「Appforce」ではアプリケーション構築の8割をクリックのみで行うことができ、コーディング作業を2割に抑えることができます。これにより、従来の5倍のスピードでアプリケーション開発を行えます。現在では、100,000の企業がForce.comを採用し、220,000本のアプリケーションが運用されています。
Webアプリ開発に適した「Heroku」
Webアプリケーションの開発には、「Heroku」が有効です。「Force.com」と同様にクラウド環境でアプリケーションを開発、導入、運用するためのPaaSであり、コストを大幅に抑えて導入、運用できることが特長です。クラウドサービスのため、サーバの容量を気にすることなくアプリケーション開発に専念でき、またオープンなプラットフォームなので標準的な技術を利用できます。特に、要件が刻々と変わるようなケースでも素早く対応できるため、アジャイル開発にも最適です。もちろん、アプリケーションの利用者が急増したときに、すぐに拡張して対応することが可能です。
また「Heroku」の特長として「容易なデプロイ」「幅広い開発環境への対応」「アプリケーションのモニタリング」が挙げられます。デプロイはシンプルなコマンドをひとつ実行するだけでよく、必要なソフトウェアインフラの検出やインストール、設定は「Heroku」が自動的に行い、アプリケーションの稼働も管理します。開発環境では、Java、Ruby、Python、Node.js、Clojure、Scalaをはじめとするあらゆるプログラミング言語をサポートしています。さらにモニタリング機能では、一元化されたログ・モニタリング機能によって、デプロイしたアプリケーションの状態を完全に把握できます。
マーケティング基盤「Marketing Cloud」
高まるマーケティングニーズに応えるのが「Marketing Cloud」で、セールスフォースの大きな柱のひとつとなっています。「Marketing Cloud」は、マーケティングに必要な機能をクラウドサービスとして提供するもので、その内容は多岐にわたっています。その中心となるのが、One to Oneマーケティングを実現する「Journey Builder」です。これにより、顧客に対して適切なメッセージを、最適なタイミングとチャンネルで提供できます。
具体的なマーケティング施策は、メール、モバイル、ソーシャルメディア、Webなどを介して行うことができ、それぞれに最適化されたマーケティングツールが用意されています。もちろん、これらを組み合わせたクロスチャネルマーケティングも可能になっています。それぞれ効果測定機能も搭載されているので、顧客ごとのマーケティング施策の最適化ができ、結果として企業のマーケティング施策全体において効率化とコストの最適化を実現します。
富士ソフトは、独自のソリューションと組み合わせてSalesforce CRMやForce.comを活用したSaaSアプリケーションを販売する、VAR(付加価値再販)パートナーです。販売、マーケティング、請求、サポートなどお客様とのすべての窓口を担い、専任の担当者がお客様の課題をトータルに解決します。