VMware Cloud on AWSで開発環境をオフロードするメリット
2020年1月6日
小林 栄治(富士ソフト株式会社)
開発やテスト環境をオンプレミスで構築しているケースは多いと思いますが、この環境をクラウド上に移行することで、オンプレミスの固定資産やランニングコストを削減することができます。リスクが比較的少ない開発・テスト環境をハイブリッドクラウド化することで、本番環境のクラウド移行も視野に入れることができます。
ここでは、「VMware Cloud on AWS」で開発環境をクラウドにオフロードすることについて紹介します。
開発・検証に求められる環境とは
IT化が進んだことで、様々な業種においてアプリケーションの採用が求められています。業種に特化したアプリケーションは独自の機能が求められるため、汎用のアプリケーションを使用するより、社内で開発する傾向にあります。アプリケーションの開発・テストには、複数のテスト環境が必要になるため、必要に応じてサーバを構築するなど、スケール性の高い環境が求められます。
また、アプリケーション開発は複数のプロジェクトが同時進行しているケースが多いので、それぞれのプロジェクトにおいてスケール性の高い環境が求められます。開発・テストにおいては、より広大なシステム環境が必要になるのです。柔軟にスケールできることを考慮すると、開発・テスト環境は仮想環境であることが理想的といえます。しかも、より多くのリソースが必要になるため、データセンターの環境そのものにも十分なスペースが求められます。
オンプレミスで開発環境を持つデメリット
特にテスト環境は、ひとつの開発プロジェクトでも複数の検証環境が必要になります。そのリクエストを受けて、都度複数の環境を構築したり、削除するといった対応を行うIT管理者の負担も少なくありません。プロジェクトごとのシステム管理が繁雑な上に、複数のプロジェクトが同時進行している場合には、複数の開発・テスト環境を維持、管理する必要があるのです。
柔軟な開発環境を可能にするために、オンプレミスに仮想環境を構築するケースも増えていますが、それぞれのプロジェクトから寄せられる仮想マシンのリクエストなどに対応する手間もあり、IT管理者が対応に追われる実態は変わらないという問題もあります。
さらには、オンプレミスでも仮想環境の拡張には物理的な増設などが必要になります。既存のオンプレミス環境の空きスペースが少なくなってくると、データセンターそのものの拡張も必要になり、それには多大なコストがかかってしまいます。
「VMware Cloud on AWS」に開発環境を展開
こういった開発・テスト環境における課題を解決するのが、VMwareの提供するパブリッククラウドサービス(IaaS)「VMware Cloud on AWS」です。「VMware Cloud on AWS」を活用することで、オンプレミスの仮想環境をそのまま移行できます。個々のVMマシンを含む環境を丸ごと移行できるので、移行作業も容易に行えます。
「社内環境」→開発・テスト環境を丸ごと移行→「クラウド環境」
開発・検証環境をクラウドで提供することで、より安価で、必要に応じてすぐリソースを拡張できる柔軟な開発環境が実現できます。開発の終わった仮想マシンは、そのままオンプレミスの本番環境へ移行して活用可能。開発者に自由なプロビジョニング環境を提供するとともに、IT管理者の手間も大幅に削減できます。さらに、将来的な本番環境のクラウド移行も現実的になります。
富士ソフトでは、VMware製品の提供、構築だけでなく、他の仮想化ソリューションとの連携などにも対応します。さらに、仮想化環境においても重要な機能となるセキュリティ対策などの構築も合わせて支援するほか、セミナーや運用支援などのサポートも提供しています。仮想化製品の導入を考えているなら、ぜひ富士ソフトにご相談ください。
富士ソフト株式会社
ソリューション事業本部
インフラ事業部 営業部 第1営業グループ 課長小林 栄治(vExpert)
VMwareソリューションに関する提案から設計・導入まで幅広く従事している。 主にSDDC(Software-Defined Data Center)製品を担当しており、vSphere、NSX、vSANに注力している。 製品検証はもちろんのこと、セミナー登壇や記事寄稿なども行っている。