【AWS re:Invent 2024レポート】生成AI のためのデータ基盤と Amazon Q ビジネスを利用したチャットボット作成に関するワークショップに参加しました
2025年3月6日 荒川 祥一朗 Shoichiro Arakawa(詳しく見る)

ネットインテグレーション事業部の荒川です。Webアプリケーションの開発やそれに伴うAWS環境の構築・設計を行っています。
2024年12月2日(月)からラスベガスで開催された「AWS re:Invent 2024」に参加しました。その中で、Amazon Q Businessを利用して、チャットボットを作成するワークショップに参加しました。
ワークショップ
タイトル:Data foundations and Amazon Q Business generative AI workshop(PEX302)
・登壇者:Sudhir Gupta, Angel Conde
・概要: Amazon Q Business との顧客インタラクションにチャットボットを公開
Amazon Q Businessの特徴です。

・ビジネスに関する質問に対して、迅速かつ正確に関連性のある回答をプライベートで安全に提供できる。
・すぐに利用できるプラグインまたはカスタムプラグインを利用してアクションを実行できる。
・ユーザーの権限に基づくアクセス制御をすることができる。
・40以上の有名なエンタープライズアプリケーションとドキュメントリポジトリに接続できる。
・管理者は、応答をカスタマイズおよび制御するために、ガードレールを簡単に適用できる。
・ユーザーが作成した軽量アプリケーションで日常のタスクを合理化できる。

本ワークショップでは下記シナリオを元に作業しました。
・金融サービスのユースケース用のチャットボットを構築する
・お客様からのデータ(請求書と銀行取引明細書)をスキャンする

構成図はこちらになります。
① Amazon SageMaker Studioを使用して、Amazon Textractとやり取りを行い、請求書や銀行取引明細書をスキャンして、テキスト、構造化データを抽出します。
② AWS Glueを利用してデータ品質と機密データを検出し、編集を行う処理をします。
③ ②までで編集したデータが格納されているS3バケットをデータソースにして、Amazon Q , IAM Identity Centerを利用したチャットボットサービスを構築します。
本レポートでは③の部分を焦点に置いて、ワークショップの内容をお伝えします。
チャットボットサービスの構築


チャットボットを利用できるユーザーは、本ワークショップ用に用意されたIdCユーザー/グループとなります。
Amazon Q Business で ChatBot アプリを構成していきます。

本ワークショップで事前に用意された、Amazon Q Businessアプリケーションを更新します。
「Web experience」のチェックをONにすることで、生成型人工知能 (Generative AI) アシスタントが有効になります。
Amazon Q BusinessにアクセスできるIdentity Centerグループを追加します。

Identity Centerグループ:CustomerRelationshipManagersを追加します。
アタッチされたユーザーがAmazon Q Businessにアクセスできるようになります。
次に、Amazon Q Business を使用して構築されたアプリケーションのデータソースの設定を行います。

S3をデータソースの対象として、「Sync now」を押下して、データソースの同期を行います。

同期が完了すると「Sync history」に表示されます。
実際のチャットボットのページに遷移します。

Q アプリケーションのAccess URLを押下します。
押下後ログイン画面が表示されるので、Identity Centerユーザーでログインを行います。

ログイン後の画面はこちらになります。

実際にチャットボットに質問してみました。
今回は「List down the customer names」と質問した結果として、顧客名の一覧が回答として出力されます。
次に管理コントロールとガードレールを構成する方法についてです。
こちらの設定を行うことで、機密情報などの制御を行うことができます。

ナビゲーションペインから、「Enhancements」の「choose Admin controls and guardrails」を選択します。
「Global controls」から「Edit」ボタンを押下します。

「Allow Amazon Q to fall back to LLM knowledge」を有効にして、「Blocked words」にて、[account number]など、アプリケーションのブロックする単語を定義します。

「Create topic control」ボタンを押下して、アプリケーションのトピック コントロールを定義していきます。

「Name」にて、トピック コントロールの名前を定義します。
「Example chat message」で「新しいサンプル チャット メッセージ」を追加します。

「Add new rule」ボタンをクリックして、新しいルールを作成します。
「Behavior」で「Blocked completely」を選択して、ブロックする様にします。
ブロック対象単語が入った質問に対する、デフォルトの回答を"I cannot complete ~ Admin for help."として、「Save」から保存します。
結果的には「account numberを含む質問やInvestment adviceに対しての回答は、"I cannot complete ~ Admin for help."とする」を設定しました。
実際に質問してみます。

ガードレール設定後は、設定した通り、Investment adviceと判断され、"I cannot complete ~ Admin for help."という回答のみ出力されるようになります。
まとめ
AWS re:Invent 2024のレポートとして、Amazon Q Business を利用して、チャットボットを作成するワークショップの内容を紹介しました。
Amazon Q Businessは生成AI機能をビジネスに利用するのに最適なサービスとなっております。
実際にチャットボットを簡単に作成できたので、とても便利なサービスだと感じました。
また、今回のre: InventではAmazon Qを利用したセッションが多数あり、KeynoteでもAmazon Qの新機能が発表されました。Amazon Qの今後の展開が楽しみですね。私もこれらさらなる生成AI機能の活用をとおして、利用者様の課題解決に取り組んで参ります。