Salesforceでお客様センター業務を効率化し顧客満足度向上
周辺の仕組みづくりや継続的な保守を富士ソフトがご支援
東京建物アメニティサポートは、お客様センターにSalesforceを導入し、Excelによる手作業からの脱却を図ることで大幅な業務効率化を実現しました。
運用にあたっては、富士ソフトの「エンタープライズサポート for Salesforce」を活用することで、きめ細やかな改善と効率的な保守を行っています。この取り組みの過程、およびそこから得られた成果について、東京建物アメニティサポートの皆様に話を伺いました。
導入の背景:
お客様センターで処理する情報量の増大にいかに対応するか
総合不動産デベロッパーの東京建物のグループ会社である東京建物アメニティサポートは、日本の民間分譲マンションの黎明期より約50年の実績を有する管理会社です。「Brillia」をはじめとするマンションの資産価値を維持し、安心の暮らしと洗練の暮らしをトータルにサポート。現在の管理受託総戸数は92,782戸(2019年12月31日)に達しており、「マンション管理会社調査2019」(スタイルアクト株式会社が実施)によるマンション入居者管理満足度調査において、「10万戸未満のランキング 第1位」を2年連続で獲得しています。
この高品質な管理サービスを提供するフロント業務のサポートしている部署がお客様センターです。住まいと暮らしの総合窓口として管理物件オーナーや仲介業者から受けた相談や困り事に迅速に対応するほか、顧客満足度調査や居住者アンケート、重要事項調査依頼受付などの業務を担い、お客様の信頼獲得を第一に据えた管理サービスを追求しています。
とはいえ、管理受託するマンションの戸数が増え、より高度な管理サービスを提供するのに伴い、必然的にお客様センターで処理する情報量も増大していきます。この作業をいかに効率化・迅速化するかが課題となっていました。
「たとえば顧客満足度調査ひとつを取り上げても、単にアンケートを依頼して回答を収集するだけでは意味がありません。お客様からいただいた貴重な声を分析し、経営陣から現場のマネージャーまでグループ全体で問題点を共有し、改善のためのアクションにつげていく必要があります。」
東京建物アメニティサポート
お客様センター センター長 兼 グループリーダー 小林 浩 氏
選定の経緯:
Excelに代わる新たな情報管理基盤としてSalesforceを導入
上記のような視点に基づき、お客様センターの業務改革を進めていく上での最大の課題となっていたのがExcel作業からの脱却です。
「顧客満足度調査にしても重要事項調査依頼にしても、お客様からFAXや郵便で送られてくる紙の書類に記載された内容をExcelに手入力し、さらにそこからレポートやお礼状を作成するという作業を毎回行っていました。以前はそれでもなんとか対応できたのですが、管理物件が大幅に増えた現在、お客様センターの限られた人員体制ではとても手が回りません。」
東京建物アメニティサポート
お客様センター 主任 永瀬 瑛美 氏
また、システム面においても課題がありました。
「Excel作業そのものも属人的に作られたマクロにかなりの場面で依存しており、変更や修正は容易ではなく、拡張は限界に達していました。」
(東京建物アメニティサポート 企画部 システムグループ 堀 千尋氏)
こうしてExcelに代わる新たな情報管理基盤を導入すべく2014年にSalesforceを導入。タイミングよく富士ソフトから提案を受けたのが「エンタープライズサポート for Salesforce」だったのです。
「単なるSalesforceの運用サポートにとどまらず、当社のお客様のエクスペリエンス(体験価値)をさらに高めていくための周辺の仕組みづくりや継続的な保守など、幅広い相談に乗ってくれるという姿勢を重視して富士ソフトに継続的なサポートをお願いしました。」小林氏)
導入のプロセス:
「こんなことができないか」というあらゆる相談に対応
東京建物アメニティサポートは現在、富士ソフトと一体となった緊密なチームワークのもとでSalesforceの活用を進めています。
「Salesforceの基本機能の活用についてはシステムグループが主導し、お客様センターや関連部署に対するサポートを行っています。一方で、お客様向けのポータルサイトやグループ各社のシステムとのデータ連携など、Salesforceのアドオンで作り込みを要するものに関しては富士ソフトに依頼するというのが、現在の主な役割分担となっています。」(堀氏)
「私たちの『こんなことができないだろうか』というさまざまな相談に対して、富士ソフトはサポートの範囲外などと線引きすることなく、すべてを親身に受け止めて業務目線からの改善策を検討・提案してくれており、とても助かっています。」(小林氏)
導入の効果:
お客様のニーズをより早く汲み取って改善につなげる
Salesforceの導入から5年以上が経過した現在、お客様センターにおける情報管理の業務は大幅な改善が図られました。たとえば重要事項調査依頼について、仲介業者様との間で行っていた紙の書類のやりとりに関しては一切なくなりました。
「仲介業者様がWeb上のフォームから重要事項調査や長期修繕計画、管理規約などに関する依頼項目を入力すると、そのデータがすぐにSalesforceに反映されて可視化されます。また、発行手数料の入金確認や各種報告書の作成、領収書の発行などの業務もシームレスに行うことが可能です。こうしてデータ再入力などの手作業が抑えられたことで、人的なケアレスミスも大幅に削減できました。」
東京建物アメニティサポート
お客様センター 小田 祥子 氏
また、こうした効率化は業務のスピードアップをもたらし、数あるマンション管理会社の中での東京建物アメニティサポートの競争優位性を生み出す源泉にもなっています。以前は年1回実施するのが精一杯だった顧客満足度調査は、Salesforceを導入した現在は年2回に増やすことが可能となりました。
「お客様の変化するニーズをより早いタイミングで汲み取って改善していくサイクルを築いたことが、第三者機関による『マンション管理会社調査』において毎年好成績を獲得することにもつながっています。」(小林氏)
今後の予定:
全国の拠点が管理する物件・お客様情報をSalesforceに統合
今後に向けて東京建物アメニティサポートでは、Salesforceのさらなる利用拡大を検討しています。
「現時点においてSalesforceに顧客満足度調査や居住者アンケートなどの情報を集約できているのは、首都圏および関西圏の管理物件です。弊社には名古屋エリアや九州エリアにも支店があり、それぞれ別システムで管理されている物件情報やお客様情報をできるだけ早期にSalesforceに統合して一元管理したいと考えています。」(小林氏)
また、マンション管理運営、建物保全、緊急対応の主要3業務をワンストップサービスとして提供していく中で、お客様センターとグループ各社の業務システムとの連携をさらに強化していく必要があります。
「手作業に多くを頼っている物件情報の追加登録や更新などの作業をもっと効率化するともに、さらにそれらの情報をどのように活用していくのか。分析やレポーティングのあり方も含めて議論を進めていきたいと考えています。」(堀氏)
その意味でもSalesforceを中心としたシステム基盤の拡張・整備は残された大きな課題の1つであり、富士ソフトに対して「引き続き業務と技術の両面からのサポートをお願いしたい。」(小林氏)と期待を寄せています。
お話を伺った方
-
株式会社東京建物アメニティサポート
お客様サポートセンター センター長 兼 グループリーダー
小林 浩 氏 (左側)
お客様サポートセンター 主任
永瀬 瑛美 氏 (中央)
お客様サポートセンター
小田 祥子 氏 (右側)
- ※ 記載の部署・役職は2020年8月現在の情報です。
会社名 | 株式会社東京建物アメニティサポート |
---|---|
従業員数 | 1,387名(2019年 12月31日現在) |
資本金 | 1億円 |
URL | https://www.ttas.co.jp/ |
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