当時の課題として、財務シェアード業務の作業時間増がありました。シェアードを拡大する一方で、グループ各社の様々な伝票を手入力で基幹システムに登録していくという処理が残っていたためです。日立グループは国内全体で200社を超え、社員数で25万人という規模であり、グループ各社のビジネスがますます加速していく中、それに伴う膨大な数の伝票、契約書、資産などの管理を従来の延長線上で行うには限界がありました。当然、入力ミスなども起こりうるので、IT化して、日立グループの成長速度に見合う業務効率にする、というのが急務であり、その第一歩が今回のintra-mart導入でした。
intra-martの導入にいたる経緯ですが、本当は内作で開発したかったのですが、それだとリソースが足りない。そこで候補にあがったのが既存の基幹システムを活かしながら、intra-martを導入するやりかたでした。intra-martはカスタマイズ性があり、また業務ユーザー自身でもアプリが作れたりと、とても魅力的でしたね。また様々な業界で導入実績がある点、開発コストが抑えられる点で、初めの一歩としては導入しやすかったです。
もともと取引先として富士ソフトさんはあり、今回お声がけしました。他にいくつかの取引のある会社さんにも提案してもらい、最終的に決めたのが富士ソフトさんです。一番は導入コストが低かったことですが、プレゼン内容も分かりやすかったですね。私達の要求に対してストレートにシンプルなシステムを提案していただきました。また、intra-martに強い人員が多数いらっしゃり、導入実績も豊富にあったので、そこも決め手になりました。
今回のシステムで特にポイントだったのは、各社のゆずれないところをいかに上手く集約するかで、グループ会社それぞれで、ワークフローの手続きが少しずつ違ってたんですね。それらを一本化となると、やはりintra-martの標準機能だけではやりきれないところが出てきまして、そこを上手くカスタマイズして実装いただきました。これはintra-martの開発導入実績が豊富な富士ソフトさんならではですね。例えば、資産管理の情報シートの一部分に資産の画像を添付できる機能や、書類に電子印鑑を押せる機能など、ユーザビリティを考えた時、これらの機能は必要なんですが、そこを臨機応変に対応いただきました。
最初の契約管理ソリューション開発は、富士ソフトのエンジニアさんに派遣契約で3名常駐で開発ご支援いただきました。1ヶ月半くらい、とにかくモックアップとユーザーレビューを繰り返す日々が続いて(笑) あの時は、本当に大変でしたね。ずっと苦楽をともにしていて、仲間みたいな感じでやってましたよ。遅くまで作業して「これからみんなで焼肉行くか」みたいな。皆さんたしか20代中~後半でしたよね。富士ソフトさんて、若くて前向きな方が多いんだなと。開発の完遂まで、一緒に根気よく対応してくれて本当に助かりました。