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コラム

COLUMN.6業務システムの導入効果は?システムの種類や生産性向上の仕組みを解説

業務システムの導入効果は?システムの種類や生産性向上の仕組みを解説

企業の成長と競争力向上において、業務システムの導入は重要な戦略的投資となります。手作業によるミス、業務処理時間の長期化、コスト増加などの課題を抱える企業にとって、適切な業務システムの選択と導入は大幅な業務効率化と生産性向上をもたらします。
本記事では、業務システムの種類とそれぞれの特徴、導入による具体的な効果、そして生産性向上の仕組みについて詳しく解説します。

Writer Profile

阿部良平

富士ソフト株式会社
ソリューション事業本部 営業統括部
ソリューション営業部 第4営業グループ

2014年 富士ソフト株式会社入社。お客様付きのアカウント営業として活動したのち、2024年よりintra-martのソリューション営業担当としてお客様へご提案を実施。

業務システムの基本概念

業務システムは、企業の生産性向上や業務の効率化を支える重要な基盤です。日々の業務を自動化・最適化することで、人手や時間のコストを削減することができます。

業務システムとは

業務システムとは、特定の業務プロセスを効率化し、日々の業務運営をサポートするためのシステムのことです。従来手作業で行っていた業務をデジタル化し、自動化することで、作業時間の短縮とヒューマンエラーの削減を実現します。
業務システムは特定の業務領域に特化した機能を提供し、業務の現場で日常的に活用されるよう設計されています。例えば、経費精算システムや勤怠管理システム、在庫管理システムなどが代表的な例として挙げられます。
現代の企業環境において、業務システムはDX推進の重要な要素として位置づけられており、企業の競争力向上に欠かせない存在となっています。

業務システム導入の背景

近年の業務システム導入の背景には、働き方改革の推進と労働力不足への対応があります。企業は限られた人的リソースでより多くの成果を上げる必要に迫られており、ICTツールの活用による業務自動化が急務となっています。
また、リモートワークの普及により、場所や時間に制約されない柔軟な働き方への需要が高まっています。クラウドシステムの普及により、中小企業でも導入しやすい環境が整い始めてきたため、業務システムの選択肢が大幅に拡大しています。
さらに、コスト削減圧力の高まりも重要な要因です。手作業による非効率な業務プロセスを見直し、システム化によって人件費を含めた総合的なコスト削減を実現する企業が増加しています。

業務システムの主要な種類

業務システムの種類は多岐にわたり、目的や業種によって活用されるシステムは異なります。各分野の業務を支えるシステムが存在し、適切に選定・導入することで業務効率は飛躍的に向上します。

人事・給与管理システム

人事・給与管理システムは、従業員の個人情報をはじめ、給与、賞与、年金といった多様な人事情報を統合して管理できるシステムです。企業規模や業種に応じて柔軟な運用が可能で、人事データの整備や検索、更新が容易になります。
人事データは他のシステム(勤怠・評価・研修など)と連携させることで、戦略的人材マネジメントにも活用できます。たとえば、部署異動やスキル管理に基づいた人材配置計画の立案など、企業の成長を支える基盤としても重要です。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、従業員の出退勤時間、休憩、残業、有給休暇などの労働時間情報を管理できるシステムです。
勤怠データは人事・給与システムと連携させることで、給与計算の自動化や労務リスクの低減につながります。さらに、従業員の働き方分析を通じて、組織改善や働き方改革への対応にも役立ちます。

営業支援システムと顧客管理システム

SFA(Sales Force Automation)は営業活動を支援する業務システムであり、CRM(Customer Relationship Management)は顧客情報の管理と関係性の強化を目的とします。両システムは密接に連携しており、営業プロセス全体の効率化に役立ちます。
まず、営業支援システムでは営業活動の進捗管理、商談管理、売上予測などの機能があり、営業担当者の活動を可視化できます。顧客管理システムでは顧客の購買履歴や問い合わせ履歴を一元管理することで、個々の顧客に適したアプローチが可能になります。

会計管理システム

会計管理システムは、企業の財務活動全般を効率的に処理するためのシステムであり、仕訳帳や総勘定元帳、試算表、貸借対照表、損益計算書などの作成を効率化できます。クラウド型では、いつでもどこでもリアルタイムで財務状況を確認できます。
また、内部統制や監査対応にも有効であり、財務の透明性向上にも寄与します。経営層にとっては、キャッシュフローや予算実績の把握を通じて、迅速かつ正確な意思決定を下すための基盤となる重要なツールです。

業務システム導入の効果

さまざまな業務システムがある中で、導入を検討する際に重要となるのが導入によってどんな効果が得られるかです。業務システムの効果は、数値で測れる「定量的な効果」と、業務の質や働きやすさに関わる「定性的な効果」の両面から評価することが大切です。ここでは、代表的な効果とその具体例を紹介します。

定量的な効果

定量的な効果としては、作業時間の短縮、人件費の削減、処理件数の向上、エラー率の低減などが挙げられます。たとえば、作業時間短縮の効果測定では、システム導入前後の業務処理時間を比較するとよいでしょう。
処理精度の向上も重要な評価指標です。手作業によるデータ入力エラー率が1%から0.1%に改善された場合、後工程での修正作業時間とコストを大幅に削減できます。これらの効果を定期的に測定し、継続的な改善につなげることが重要です。

定性的な効果

定性的な効果は、数値では表現しにくいものの、企業の競争力向上において重要な要素です。たとえば、業務の標準化によって対応品質が安定し、従業員の負担軽減や満足度の向上につながります。また、リアルタイムでの情報共有が実現されることで、部門間の連携が強化され、組織全体の一体感が向上します。
単純作業の自動化により、従業員がより価値の高い業務に集中できるようになることも大きなメリットです。結果として、人材の定着や顧客対応の質の向上といった、企業全体のパフォーマンス向上に貢献します。

生産性向上のためのポイント

業務システムを導入するうえで欠かせないのが、生産性向上の仕組みづくりです。適切なプロセスの見直しやITツールの活用により、限られた時間やリソースでより高い成果を出すことが可能になります。

業務プロセスの標準化

業務システム導入による生産性向上の基盤となるのは、業務プロセスの標準化です。
標準化されたプロセスにより、新人教育の効率化と習熟期間の短縮が実現できるだけでなく、無駄な作業の排除と最適な作業順序の確立が可能になり、全体的な業務効率が向上します。また、業務の属人化を防ぎ、特定の担当者に依存しない安定した業務運営が可能になるため、人事異動や休暇取得時の業務継続性も確保されます。

データの一元管理と見える化

業務システムによるデータベース一元管理によって、情報の重複や不整合を防ぎ、正確な情報に基づく意思決定が可能になります。各部門で個別に管理していたサイロ化されたデータを統合できるため、全社的な情報共有やデータの利活用が容易になります。
また、業務状況や成果をリアルタイムで把握できるようになります。蓄積されたデータを分析することで、業務の傾向を捉えたり、改善のヒントを得たりすることも可能です。

意思決定の迅速化

業務システムによる情報の集約と分析機能により、経営陣や管理者の意思決定プロセスが迅速化されます。
迅速な意思決定により市場変化への対応力が強化され、競争上の優位性を確保できます。
また、データに基づく客観的な判断により、感覚や経験に依存した主観的な意思決定から脱却し、より合理的で効果的な経営判断が可能になります。これにより、事業リスクの軽減と成長機会の最大化を実現できるでしょう。

導入時・運用時の課題と対策

業務システムは多くのメリットをもたらす一方で、導入・運用にはさまざまなハードルも伴います。せっかく導入しても、現場に定着せず形だけのシステムになってしまうことも少なくありません。ここでは、導入時の準備や費用面の注意点、運用時に想定されるトラブルとその対策について解説します。

導入におけるコスト理解

業務システムの導入は、単なるソフトウェアの購入にとどまらず、業務全体の見直しや教育、定着までを含む大きなプロジェクトです。どの業務を効率化したいのかを明確にし、適切なシステムを選定するには時間と労力が必要です。さらに、従業員が使いこなせるよう研修を実施し、導入に合わせて既存の業務フローも見直す必要があります。
また、システムのライセンス費用や初期導入コストも発生するため、導入初期は費用や工数の負担が一時的に増えることを前提としたスケジュール計画が重要です。これらの準備を怠ると、せっかく導入しても現場に定着せず、逆に非効率を招くリスクもあります。

運用時のトラブルへの備え

システム導入後には、運用面での課題も発生します。特に、専門的な知識やスキルが求められるシステムの場合、従業員が使いこなせないと導入効果が発揮されません。そのため、操作性や習熟難易度を事前に見極めたうえで、十分な研修やサポート体制を整えることが不可欠です。
また、システム障害やトラブルのリスクもゼロではありません。業務がシステムに依存していると、トラブル発生時に業務が停止する可能性があります。こうしたリスクに備え、バックアップ体制や代替手段を用意しておくことで、継続的な業務運用が可能になります。

まとめ

業務システムの導入は、単なるIT投資ではなく、企業の競争力向上と持続的成長を実現する戦略的な取り組みです。各種システムはそれぞれ異なる特徴と効果を持ち、企業の課題と目標に応じた適切な選択が重要となります。
業務プロセスの標準化、データの一元管理と見える化、意思決定の迅速化により、根本的な生産性向上を実現できます。今後のDX推進において、業務システムは企業の成長を支える重要な基盤として、ますますその価値が高まっていくでしょう。


富士ソフトでは様々な業務システムの導入をご支援するとともに、NTTデータ イントラマート社が提供する「intra-mart」を用いて、複数の業務システムを利用されるお客様のIT投資の効率化と業務プロセスの最適化・標準化を行っております。

NTTデータ イントラマート社の認定パートナーとして、専門技術者50名以上を擁するスペシャリスト集団がお客様の業種・業務に応じた最適な提案を行い、業務効率化・属人化の解消・DX基盤の構築を支援いたします。ぜひご相談ください。

富士ソフトが提供するintra-martソリューション

intra-martは、NTTデータ イントラマートが提供する、企業内の様々な業務システムを共通のプラットフォーム上に集約し、業務プロセスの最適化・標準化を実現するDigital Process Automation Platformです。
ローコード開発機能を備え、迅速なシステム構築が可能で、業務プロセスのデジタル化・自動化を実現します。

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