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富士ソフトが提案するAIインテグレーションサービス ~何故 AIの産業促進にSIerが必要か~

知られざる富士ソフトとAIの歴史

多くの方は、富士ソフトにAIのイメージを持っていないのではないでしょうか。富士ソフトは、一般的にはシステムインテグレーター(SIer)として認識されていますが、実は10年以上前から、コミュニケーションロボット「PALRO」の開発を通じてAIを研究してきました。
人とロボットがコミュニケーションを取るためには、ロボットが人の言葉を聞き、応答する必要があります。複数の人がいる場面では、相手の目線と口元を見て、誰が話しているのかを理解しなければなりません。そこでPALROは画像認識によって顔を識別し、音声認識により会話の内容を理解します。
このような場面では当然のようにAI技術が必要になってきます。当社は大学や各ベンダーとの連携と研究に加え、自社での研究開発を経て高齢者福祉施設で実証実験を行いました。現在、PALROは1,200カ所を超える施設に導入されているように、富士ソフトは、AIを使ったプロダクトで成果を残しています。

産業にAIを導入する際の難しさ

現在、AIは需要予測や画像分類、品質検査といった場面で使われています。これらは、基本的に予測、判別といったようなAI技術で成り立っています。予測や判別などの技術を駆使して、どのような分野でAIを活用するかを検討する必要があるのです。
しかし、企業の担当者との会話では、AIを「どこでもドア」のようなものと思っている方が多いのも事実。そのような方にAIとは何かを正しく伝え、お互いの目標を決めていくことが大事です。
そして目的を決めるためには、富士ソフトのようなSIerだけでなく、お客様にも自社の業務分析やデータ分析、目的の定義などを行っていただく必要があります。この体制なくしては、AIを正しく産業に取り入れることは難しいのです。それがAIの産業促進の難しい部分ではないでしょうか。

富士ソフトが考えるAIインテグレーションサービスとは


そこで、富士ソフトが提唱するのが「AIインテグレーション」です。

これまでのシステムインテグレーションでは、要件定義や仕様作成のステップで作成された新システムの仕様をもとに、業務系システムやECサイト、工場ラインなどのシステムを構築していました。当然、お客様との間では業務要件確認やデータ確認、条件確認といった調整が必要です。
AIに取り組む場合も、AIの要件を定義し、教師データを集め、学習に必要なデータ設計を行います。集めたデータに応じてAIモデルの選択を行った上で、実際に学習によって作成した学習済みモデルを既存のシステムに組み込む必要があります。

またAIサービスを提供する上で重要になってくるのは、お客様と目的を共有し、十分なデータおよびデータ基盤(データが取り出せる環境)を用意することです。お客様の環境が「データがすぐに取り出せない」「取り出すのにお金がかかる」という場合には、PoC(概念実証)で成功しても実際の業務には使えないといった状況も発生してしまいます。

当社は、長年システムインテグレーションに取り組んできたノウハウを活かし、様々なプロジェクトに取り組んできました。AI分野においても、お客様の経営的観点、実ビジネスシーンの視点を駆使し、整理し、それをAIシステムとして提供する…これが我々の「AIインテグレーション」という考え方です。各種プラットフォームやベンダー、AIベンチャー企業と協力し、顧客に必要なAIの構築・支援が可能です。
重要なのは、課題を解決するための施策が必ずしもAIの活用だけとは限らない、ということです。AIは一つの手段にすぎず、場合によってはAI以外の手段でも解決できる可能性も十分にありえます。
富士ソフトはAI技術とシステム技術の両方を持ち合わせていることによって、お客様の課題を最適な形で解決できます。そこを主眼に置いており、そこを含めてAIインテグレーションと考えています。

独立系SIerの特長を活かしたAIシステムの提供


AIの世界では、AWSやAzureなどのクラウドAIプラットフォームだけでなく、画像診断などのAIオープンプラットフォーム、AIベンチャーが提供するサービスなど、様々なプラットフォームが登場しています。そしてすでに当社は、これらの技術やサービスを使える環境を整えています。AI技術や各社AIプラットフォームに関する社内教育を実施し、AIを知り、AIを活用できる技術者を育成、拡大しています。

お客様が持つ課題をAIで解決する際に、様々な技術やサービスを組み合わせて有効活用し、お客様に最適なサービスが提供できる―これが独立系AIインテグレーターである富士ソフトの強みです。
目的を明確にして、最適な技術アプローチをする、それが富士ソフトのAIインテグレーションであり、産業促進に一番必要なことだと考えています。

今後もお客様との対話を重ね、バックボーンにいるたくさんの技術者、プラットフォームを活かし、インテグレーターとしての技術力と動員力を持って、総合的な付加価値を創造するサービスを提供していきます。

富士ソフトのAIソリューションについて、詳しくはこちら
AIソリューション

 

 

この記事の執筆者

八木 聡之Satoshi Yagi

常務執行役員

AI(人工知能)