富士ソフトのAI人材育成の秘訣 ~G検定取得~(前編)

はじめに

昨今、どのような業界・組織においても、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が飛び交うようになり、多くの企業でAIの導入やDXを推進する動きが活発になっています。

当社はSIerとしてシステム開発を行っています。その一方で、AIの調査研究や開発にも長年力を入れてきました。その成果として、AIビジネスが当社の事業における核の1つになりつつあります。

未だ多くの企業がAIの活用やDXの推進に苦戦している中、当社はお客様に満足いただけるAIシステムの導入やDXに関する支援を提供しています。そのポイントは、当社のAI人材育成術にあります。本コラムでは、AI人材育成の秘訣として、当社のG検定の取得支援についてお伝えします。

G検定取得の意義

AI人材のレベルは様々です。「AI人材である」という証明も、簡単にはできません。そこで、AI人材の指標の1つとされるのが、一般社団法人日本ディープラーニング協会(以下 JDLA)が主催するG検定の取得です。G検定とは、「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業活用する能力や知識を有しているかを検定する」ものです。

当社ではAI案件に関わる技術系社員全員に対し、G検定の受験を推奨しています。社員が正しいAIの知識を持つことで、お客様のご要望に対し的確に対応できるようになり、多くの案件をご相談いただけるようになりました。

また、技術者だけでなく、営業担当者や管理部門の社員もG検定に挑戦しています。その目的は、社内のDX化を進めるためです。各部門の課題解決、もしくは業務効率化を行うためには、AI導入を行う現場の社員にAIを理解してもらうことが重要です。G検定では、AIの技術的知識だけでなくビジネスにAIを活用する上で必要なことも学びます。幅広い職種の社員がG検定を取得することで情報を効果的に活用する意識が高まり、社内のDX推進も大きく進んでいます。

また、営業担当者がAIの知識を身につけることでAI案件の提案がよりスムーズに進み、お客様にも安心して当社にお任せいただいています。

G検定取得における壁と対策

しかし、業務ではAIを使用する機会がなく知識も全くない営業担当者や管理部門の社員がG検定を取得することは、非常にハードルが高いという現実があります。

G検定はシラバスの範囲が広いため、基本的なことだけでも長時間の勉強が必要です。さらに、AIの技術は日進月歩であり、次々に新しくなる情報を独学で勉強することには限界があります。安くはない受験費用も大きな負担になるでしょう。

そこで、当社では社員のG検定受験における課題を解決できる体制を作り、受験に向けた勉強会、G検定の受験、取得後のキャリア選択へと社員をフォローし続けています。

当社のサポート体制

学習面のサポート
1.AIの教育専門部隊を設置
2.定期的なAI勉強会を実施
3.AI学習の動画コンテンツを配信
費用面のサポート
4.検定受験の費用を補助(合格者に対し一時金を支給)
5.積極的にAI案件を推進、社内のAI活用に貢献した社員に特別報奨金を支給
取得後サポート
6.AIアイディアコンテストを実施
7.社内G検定合格者コミュニティを設立

先述のように、当社では様々なサポート体制があります。受験サポート(学習面)、受験サポート(費用面)、取得後サポートの3つのカテゴリーに分けてそれぞれをご紹介します。

受験サポート(学習面)

当社では2018年から社員に対してG検定勉強会を開催しています。勉強会では、シラバスに沿った内容を約100ページにわたる資料を使って解説します。その中には、G検定に関する経験者からの情報や、頻出する技術ワード集、例題・設問などを組み込んでおり、日頃、学習時間があまり取れない社員でも効率よく勉強できるように工夫しています。

またG検定は適時シラバスの改定が行われていますので、その内容改定にも即座に対応し、最新の技術情報や法・倫理・個人情報などの法改正が行われた分野も資料に追加、更新しています。さらに、グループチャットを使用した質疑応答にも対応し、独学では理解できない問題をいつでも気軽に学習サポートチームに聞くことができるシステムを作りました。

主催のJDLAの発表によると、2021年第2回G検定は全体の合格率が61.5%でした。当社はそれを遥かに超え、合格率が75%でした。(参考:【2021年第2回G検定 結果】7,450名が受験し、4,582名が合格。)社内の手厚い学習サポートにより、多くの社員がしっかりとAIを理解した上でG検定合格をつかんでいます。

2021年からは技術的な勉強会に加え、営業担当者へ向けたAI勉強会も実施しています。当社のAIビジネスやAI事例についてだけでなく、AI関連の契約における注意点など、幅広く実践的に使える知識を学習します。2021年はオンラインで3回勉強会を実施し、200名以上の営業担当者が参加しました。これからますます拡大するAIビジネスに対応できるAI人材を増やすため、今後も定期的に開催していく予定です。

その他に、すべての社員が簡単にAI学習に取り組めるよう、AI学習コンテンツを充実させています。感染症対策のため集合形式の研修ができなくなり、時間や場所を気にせず学習できる動画コンテンツにも力を入れています。AIとは何か、当社のAIビジネスにおけるポイントは何か、トレンドの技術は何かなど、様々な角度からAIを知ることができ、AI学習の初心者から上級者まで幅広く対応しています。

後編では、費用面および取得後のサポートについての解説と、実際にG検定を取得した社員のインタビューをご紹介します。

後編はこちらからご覧ください。
富士ソフトのAI人材育成の秘訣 ~G検定取得~(後編)

「AI総合付加価値創造サービス」のサイトをご覧ください。
AI総合付加価値創造サービス


小林 彩名小林 彩名(Ayana Kobayashi)

イノベーション統括部
先端技術支援部 AIインテグレーション室
リーダー

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます。