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2024年12月10日

法人利用にも適した5G対応の高機能SIMフリーモバイルルーター。富士ソフト「+F(プラスエフ)」

近年、モバイルルーター市場は急速な進化を遂げています。かつての3G時代から4Gへの移行を経て、いまでは次世代の5Gが注目されるようになりました。特にコロナウイルスの感染拡大の影響があった頃には、テレワークやオンライン授業の需要が増えたことで、モバイルルーターの市場は拡大。さらには、Wi-Fi環境がない場所でも手軽に複数デバイスを接続できる機能が拡充するなど、リモートワークや家族旅行中の通信手段として活用されています。また、DXや自動化が進むビジネスの現場ではIoT機器の運用に利用されるなど、使い道は実にさまざまです。

そんな中、富士ソフトではモバイルソリューション「+F(プラスエフ)」シリーズを提供しています。本記事では、コロナ禍で加速したモバイルニーズや、SIMフリーの強みを活かした柔軟な提供サービス、そして累計出荷台数100万台を突破した理由を、「+F」シリーズを担当する技術の渡辺 健太と営業の武藤 有海が幅広くお伝えします。

「+F」シリーズの特徴

モバイルソリューションとして「+F(プラスエフ)」シリーズを展開している富士ソフト。+Fの“F”とは「Fujisoft(富士ソフト)」「Future(未来)」「Fun(楽しみ)」「Fit(ちょうどいい)」の頭文字を由来としており、事業のコンセプトを表しています。5G対応高速ルーターの開発・販売に加え、法人のお客様に向けた端末・回線の管理や制御サービスの提供、専用アプリケーションの開発など、個人・法人問わずニーズに適した製品・サービスを創出しています。

登場社員のプロフィール
  • 渡辺 健太

    プロダクト事業本部 M2M事業部

    2017年新卒で富士ソフトに新卒入社後、商品開発の技術担当として、自社の「+F」シリーズ製品の開発を手掛けている。製品名から形状・機能の設計・ベンダーコントロール、販売後の保守まで幅広く対応し、お客様に心底喜んでいただけるプロダクトを提供することに全力を注いでいる。

  • 武藤 有海
    プロダクト事業本部 M2M事業部

    2018年に新卒入社し、SIMを使ったモバイル機器の販売・営業を担当。今後はモバイルルーター以外の多彩な通信端末機器の提案にも挑戦し、お客様に喜んでいただけるよう日々努力を重ねている。

IoT化により加速した、モバイルルーターの活用

昨今普及が進んでいるIoT機器でのモバイルルーター活用例を挙げると、監視カメラやキャッシュレス端末があります。工場内の監視カメラが撮影した映像データをリアルタイムで送信するためにモバイルルーターが活用され、業務の省人化や工数削減に大きく寄与しています。キャッシュレス決済端末もモバイルルーターなどによって通信が行われています。そして、街中にある何千・何万台にもおよぶ自動販売機や券売機などにもキャッシュレス決済システムが搭載されているのです。

さらに、モバイルルーターを搭載したデジタルサイネージが駅や商業施設に多数導入されています。ネットワーク通信によって表示するコンテンツを自在に入れ替えることができるなど、これまで以上に多彩な情報配信が可能になっています。通信のさらなる高速化や高容量化が進むにつれて5G対応のモバイルルーターが普及していくでしょう。

SIMフリーにより多様なニーズに応える「+F」シリーズ

当社が提供するモバイルソリューション「+F」シリーズの主軸は、SIMフリーのモバイルルーターです。モバイルルーターが電波を受信するためにはSIMが必要で、多くの機種では特定の通信キャリア回線しか利用できないSIMロックがかかっています。特定の通信キャリア回線しか使用できない場合は、通信内容や使用量に制約が生じます。他方、SIMフリーの「+F」にはこうした制約がなく、通信量や用途を問わず多様な利用者のニーズに応えることができます。

SIMロックのルーターはキャリアとの長期間契約が前提となることが多いのですが、「+F」のSIMフリー製品には契約期間の制限もありません。短いサイクルで買い替えることもできるため、ユーザーの要望に即した使い方を柔軟に提案できます。

「+F」シリーズは、SIMフリーのモバイルルーターとしてはありがたいことに業界トップを争うほどのシェアを獲得し、出荷台数は累計100万台を超えています。ガラケーの開発とともに成長してきた私たち通信端末事業は、基地局からハードまであらゆる開発に強みをもつ、いわば技術者集団。時代の変遷とともに事業転換を行う中、かつて手がけていたシニアホンの開発技術を応用して生まれたのが当社のモバイルルーターの原型でした。度重なるアップデートを経て、組織の規模も当初の3倍近くまで増員。最近では端末やユーザーの管理・監視ができるMDMサービス「+F MDM LiNK」を提供するなど、端末の開発・販売に留まらず、さまざまなニーズに応えるためのサービスを展開しています。

人気の要因は用途に応じたプロダクト開発

ユーザーの多様なニーズに応じたプロダクト開発に取り組んでいる当社ですが、なかでもロングセラー機種である「+F FS030W」は、価格とスペックのバランスに優れた人気製品です。大容量バッテリーにより長時間の連続通信が可能で、テレワークやオンライン学習といったさまざまな用途にも適しています。また、電池パックを取り外してUSB給電で利用できるため、利便性の高さもご好評いただいています。

通信キャリア様などのお客様と極めて近い距離にある当社ですので、お客様の要望に合わせたカスタマイズにも広く対応しています。例えば楽天モバイル株式会社がMNOに参入した際には、同社の回線に特化したルーターを迅速に提供した実績があります。また、特定エリア内でのローカル5G利用やeSIM切り替え機能を求めるお客様の要望に対応するプロジェクトを推進したこともあります。営業部門と開発部門が同じ組織に所属し、密に連携することにより、お客様の声に耳を傾け、プロダクト開発における“小回りのよさ”を発揮することこそが当社の大きな強みとなっています。

ユーザーにジャストフィットする独自機能

当社の技術力をご紹介する上で欠かせないのが、目玉とも言える最新機種「+F FS050W」の存在です。これは5G SA(Stand Alone)に対応した最先端のモバイルルーターで、ビジネスから家庭用まで多岐にわたるニーズに対応します。

近年では一般家庭におけるルーターへの接続台数が増加している背景を考慮して、無線LANの最大同時接続数を32台に増やし、大規模な接続環境でも安定した通信を可能にしています。「お父さんはPC作業、お母さんはSNS、お兄ちゃんはゲーム、妹はVOD(Video On Demand)視聴、加えて複数のスマート家電が動いている……」というように、一つ屋根の下で10前後の端末がルーターに接続するという風景は、一般的なものとなっています。

さらに、「標準モード」「カーモード」「ホームモード」「モバイルモード」といった接続モードの切り替えが可能で、本体にある操作ボタンや専用アプリを使うことでシーンに応じた最適なモードへと簡単に変更することができます。こうした簡易的なモード切り替え機能を兼ね備えているのは、業界でも珍しく、「FS050W」の大きな強みとなっています。

通信キャリアとの連携も強化。「+F」の次なる一手

モバイルルーター市場において当社が選ばれる背景には、営業部門と開発部門の密接な連携があります。営業担当が拾い上げてきたお客様の声を開発担当に即時伝達し、お客様の要望を満たすサポートを提供する場面も少なくありません。例えば、「特定の設定通りにルーターをキッティングして納品してほしい」というご要望にスピード感を持って応えたことで、感謝していただけたことも。その結果、お客様との信頼関係の構築につながっていると感じています。

一方、大手通信キャリアとのパートナーシップも強化しています。2024年9月上旬に行われたKDDI社のビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2024」では、登壇したKDDI Digital Life 代表取締役社長の秋山 敏郎氏が、同社の通信サービス「povo」のオープン化戦略に関して当社と技術的に連携していることを発表しました。このように今後もお客様が見据える先駆的な取り組みに貢献していきます。

他にも、IoT分野にも注力しています。すでに大手ハウスメーカー様が販売するスマートホームシリーズへの導入実績もあり、今後も法人向け市場での競争力をさらに強化していく予定です。もちろん、個人のお客様へのサービスもより盤石なものへと育てていきます。

※ 記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。