早わかりIT用語
2025年5月27日

カゴ落ちの解消を目指す!7つの対策と改善方法を徹底解説

ECサイトを運営する中で、多くの訪問者が商品をカートに入れながらも購入に至らない「カゴ落ち」に悩むネットショップ事業者は多いのではないでしょうか。この「カゴ落ち」は、一般的には約70%の高確率で発生すると言われています。この記事では、カゴ落ちの原因を深掘りし、具体的な対策方法を7つ紹介します。近年ではクレジットカード使用時に不正利用対策として、3Dセキュアが義務化されたことによる要因も増加しています。カゴ落ちの主な原因を理解し、効果的な改善策を実践することで、カゴ落ちの発生率を下げ、お客さまがストレスなく購入できる環境の構築を目指します。

「カゴ落ち」を簡単に説明!
  • カゴ落ちとは、ECサイトにおいてユーザーが商品をカートに入れた後、購入手続きを完了せずにサイトを離脱してしまう現象を指します。
  • 近年のカゴ落ち増加の原因として、クレジットカードの3Dセキュア認証があげられ、購入者にとっては認証プロセスが複雑であるため、途中で離脱するケースが増えています。
  • カゴ落ちの原因には様々な理由が複雑にからんでいるため、まずは現状を分析し、適切な対策が求められます。
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かご落ちとは

ECサイトを運営する中で、多くの訪問者が商品をカートに入れたにもかかわらず、購入に至らないという現象に悩まされている方も多いでしょう。この現象は「かご落ち」と呼ばれ、ECサイトの売上に大きな影響を与える要因の一つです。カゴ落ちの基本的な概念を理解し、その発生理由を明らかにすることで、効果的な対策を講じるための基礎知識です。まずはカゴ落ちの原因を知ることで、サイトの改善点を見つけ、売上向上に繋げることが可能です。

カゴ落ちの意味と発生理由・平均発生率

カゴ落ちとは、ECサイトにおいてユーザーが商品をカートに入れた後、購入手続きを完了せずにサイトを離脱してしまう現象を指します。この現象は、送料の高さや複雑なチェックアウトプロセス、会員登録のハードル、サイトの信頼性不足など、さまざまな要因によって引き起こされます。英語では「Cart Abandonment」、別名「カート放棄」とも呼ばれています。例えば送料が予想以上に高い場合や、チェックアウトが煩雑である場合、ユーザーは購入を断念しがちです。ECサイトのカゴ落ち率は一般的に平均70%と言われており、10人に7人の割合でカゴに入れたまま、購入せずに離脱しています。

ECサイトにおける3Dセキュア カゴ落ちの発生原因

近年のカゴ落ち増加の原因として、クレジットカードの3Dセキュア認証があげられます。2025年3月に改訂された「クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】」(クレジット取引セキュリティ対策協議会)ではECサイト事業者に対する不正利用対策の指針が示されており、適切な対応が求められています。3Dセキュアは不正利用を防止するためにセキュリティを強化するための仕組みですが、購入者にとっては認証プロセスが複雑であるため、途中で離脱するケースが増えています。このため、購入完了に至らず、3Dセキュア カゴ落ちが発生しやすくなっています。

※出典:https://www.j-credit.or.jp/security/pdf/Creditcardsecurityguidelines_6.0_revisionpoint.pdf

なぜカゴ落ちが起きるのか?主な原因を探る

ECサイト運営者やデジタルマーケティング担当者にとって、カゴ落ちは大きな課題です。多くの訪問者が商品をカートに入れるものの、購入に至らない現象は、売上機会の損失を意味します。カゴ落ちが発生する主な原因を探り、具体的な改善策を見つけるヒントを提供いたします。まずは送料の高さや複雑なチェックアウトプロセス、決済手段の制限など、さまざまな要因が絡み合っていることを理解することが重要です。これにより、効果的な対策を講じるための基盤を築くことができます。

購入画面の複雑さや入力フォーム登録の問題

購入画面が複雑であることは、ユーザーの離脱を招く大きな要因です。特に、入力フォームが多すぎたり、情報の入力が煩雑であると、ユーザーは途中で購入を諦めてしまうことがあります。フォームの最適化や画面移行の削減は、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、カゴ落ちを防ぐための重要なステップです。シンプルで直感的なデザインを心がけることで、ユーザーのストレスを軽減し、購入完了率を高めることができます。

ネットショップの送料によるコスト問題

ネットショップの送料が予想以上に高いと、ユーザーは購入を躊躇することがあります。特に、購入手続きの最後に追加費用が発生する場合、ユーザーは驚きと不満を感じ、購入を断念することが多いです。明確で透明性のある料金表示を行うことは、ユーザーの信頼を得るために不可欠です。また、送料無料キャンペーンや割引を活用することで、ユーザーの購入意欲を高めることができます。

決済手段の制限や不便さ

決済手段が限られていると、ユーザーは購入を諦めることがあります。特に、希望する支払い方法が利用できない場合、ユーザーは他のサイトでの購入を検討することになります。多様な決済手段を提供することは、ユーザーの利便性を高め、購入完了率を向上させるために重要です。クレジットカード、デビットカード、電子マネー、銀行振込など、さまざまなオプションを用意することで、ユーザーのニーズに応えることができます。

決済時のクレジットカード3Dセキュアカゴ落ち

クレジットカードの3Dセキュアが強化されたことにより、決済を行う際のユーザーの手間が増え、カゴ落ちが増加する原因となります。3Dセキュアは、オンライン取引の安全性を高めるために導入されているものですが、追加の認証ステップが必要となるため、ユーザーにとっては手続きが煩雑に感じられることがあります。特に、認証画面での入力ミスや、パスワードを忘れてしまうといった問題が発生すると、購入を断念するケースが増える可能性があります。

また、3Dセキュアの導入により、ユーザーが慣れていない新しいプロセスに直面することも、カゴ落ちの一因となります。特に高齢者やテクノロジーに不慣れなユーザーにとっては、追加の認証手続きがストレスとなり、購入意欲を削ぐ要因となり得ます。これに対して、ECサイト運営者は、ユーザーがスムーズに認証を完了できるよう、分かりやすいガイドやサポートを提供することが重要です。ユーザーの不安を軽減し、カゴ落ちを防ぐことが大切です。

サイトの速度やパフォーマンスの問題

サイトの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、購入を諦めることがあります。特に、モバイルデバイスでのアクセスが増えている現代において、サイトのパフォーマンスは非常に重要です。ページの読み込み時間を短縮し、スムーズな操作性を提供することで、ユーザーエクスペリエンスが向上し、カゴ落ちを抑制することができます。

カゴ落ちを防止するための具体的対策7つ

ECサイト運営者やデジタルマーケティング担当者にとって、カゴ落ちは大きな課題です。多くの訪問者が商品をカートに入れながらも購入に至らない現象は、売上機会の損失を意味します。カゴ落ちを防止するための具体的な対策を7つ紹介し、サイトのコンバージョン率を向上させる方法を探ります。訪問者がスムーズに購入を完了できる環境を整えましょう。

対策1:シンプルでわかりやすい購入プロセス画面の作成

購入画面の複雑さは、カゴ落ちの大きな原因の一つです。ユーザーが迷わずに購入手続きを進められるよう、シンプルで直感的なデザインを心がけましょう。例えば、必要な情報のみを求める入力フォームや、進行状況を示すステップバーを導入することで、ユーザーのストレスを軽減できます。これにより、購入完了までのプロセスがスムーズになり、カゴ落ちを防ぐことができます。

対策2:明確で透明性のある送料と料金表示

送料や追加料金が不明瞭な場合、ユーザーは購入を躊躇することがあります。料金の透明性を確保するために、商品ページやカート画面で送料や税金を明確に表示しましょう。特に、購入手続きの初期段階でこれらの情報を提供することで、ユーザーの不安を軽減し、購入意欲を高めることができます。

対策3:決済手段の多様化と利便性の向上

ユーザーが利用可能な決済手段が限られていると、購入を断念する可能性があります。クレジットカード、デビットカード、電子マネー、銀行振込など、多様な決済手段を提供することで、ユーザーの利便性を向上させましょう。また、ワンクリック決済や自動入力機能を導入することで、購入手続きをさらに簡素化することができます。近年課題となっている決済時のなりすましによる不正利用を防ぎつつ、ユーザーの利便性を高めるためには適切にセキュリティを強化する必要があります。

対策4:Webサイトの表示速度改善

サイトの表示速度が遅いと、ユーザーは離脱しやすくなります。ページの読み込み時間を短縮するために、画像の最適化やキャッシュの活用、サーバーの性能向上を図りましょう。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、カゴ落ちを防ぐことができます。

対策5:離脱時のリマーケティング広告の活用

ユーザーがサイトを離れた後も、リマーケティング広告を活用して再度訪問を促すことができます。特に、カートに商品を残したまま離脱したユーザーに対して、特別なオファーや割引を提示することで、購入を促進することが可能です。

対策6:離脱後のカートリマインドメールの送信

カートに商品を残したままのユーザーに対して、リマインドメールを送ることで、購入を促すことができます。メールには、カートに残っている商品情報や、限定オファーを含めると効果的です。これにより、ユーザーの再訪問の機会をつくり、購入完了率を向上させることができます。

対策7:安心感を与える購入保証や返品ポリシーの明示

購入に対する不安を軽減するために、購入保証や返品制度を明示しましょう。これにより、ユーザーは安心して購入を決断することができます。特に、返品ポリシーを明確にし、簡単な手続きで返品が可能であることを伝えることで、ユーザーの信頼を得ることができます。

カゴ落ちを防ぐツールやサービスを使った改善方法

ECサイト運営者やデジタルマーケティング担当者にとって、カゴ落ちは大きな課題です。多くの訪問者が商品をカートに入れても購入に至らない現状を改善するためには、効果的なツールやサービスの活用が不可欠です。カゴ落ちを防ぎ、売上を向上させるための具体的なツールやサービスの活用法について解説します。最新の技術を駆使したツールの導入方法や、その効果を最大限に引き出すためのポイントを詳しく紹介します。

Googleアナリティクスでのデータ分析方法

Googleアナリティクスは、ECサイトのカゴ落ちを分析するための強力なツールです。訪問者の行動を詳細に追跡し、どの段階で離脱が発生しているのかを把握することができます。具体的には、ファネル分析を用いて、チェックアウトプロセスの各ステップでの離脱率を確認し、問題点を特定します。これにより、サイトのどの部分を改善すべきかが明確になり、効果的な対策を講じることが可能です。

カゴ落ち防止専用のマーケティングツールの紹介

カゴ落ちを防止するための専用マーケティングツールは、ECサイトの売上向上に大きく貢献します。例えば、リカバリーメールやリターゲティング広告を活用することで、離脱したユーザーを再度サイトに呼び戻すことができます。また、チャットボットを導入することで、リアルタイムでの顧客サポートを提供し、購入意欲を高めることが可能です。これらのツールを効果的に組み合わせることで、カゴ落ち率を大幅に低下させることが期待できます。

クレジットカードの不正利用を防止する「ThreatMetrix」の導入

ThreatMetrixはクレジットカードの不正使用やWebサイトの不正ログインなどのなりすましを防ぐ、不正検知ソリューションです。購入ユーザーと悪意ある第三者を見分けることで、会員サイトへのログインや決済をスムーズに行うことができます。全世界で約5,000社に採用されており、そのデータを共有・解析することで、高い精度での検知を可能にします。これによりなりすましによる不正使用を検知し、購入ユーザーのカゴ落ちを防止することにつながります。

カゴ落ちを未然に防ぐサイト設計のポイント

ECサイト運営者やデジタルマーケティング担当者にとって、カゴ落ちは大きな課題です。多くの訪問者が商品をカートに入れながらも購入に至らない現状を改善するためには、サイト設計の見直しが不可欠です。カゴ落ちを未然に防ぐための具体的なサイト設計のポイントを紹介し、売上向上に貢献する方法を探ります。訪問者がスムーズに購入を完了できるようなサイト設計を目指しましょう。

分かりやすい商品情報の明記と視覚化

商品情報が分かりやすく、視覚的に魅力的であることは、購入意欲を高める重要な要素です。商品の特徴や利点を明確に伝えるためには、詳細な説明文と高品質な画像を組み合わせることが効果的です。また、動画配信や360度ビューを活用することで、ユーザーが商品をより具体的にイメージできるようにしましょう。これにより、購入の決断を後押しすることができます。

短時間で簡単に完了できるフェーズ構築

購入プロセスが複雑で時間がかかると、ユーザーは途中で離脱してしまう可能性が高まります。短時間で簡単に完了できるフェーズを構築するためには、入力フォームの最適化や画面移行の削減が重要です。例えば、会員登録などでも必要最低限の情報のみを入力させることで、ユーザーの負担を軽減します。また、進捗状況を示すバーを設置することで、ユーザーがどの段階にいるのかを把握しやすくすることも効果的です。

信頼感をアップするカスタマーレビューと内外評価

信頼感を高めるためには、カスタマーレビューや第三者機関の評価をサイトに掲載することが有効です。実際の購入者からのレビューは、商品の信頼性を示す重要な要素となります。また、外部の評価機関からの認証や賞の受賞歴をアピールすることで、サイト全体の信頼性を向上させることができます。これにより、ユーザーは安心して購入を決断することにつながるでしょう。

カゴ落ち問題の根本解決に向けて

カゴ落ち問題を根本から解決するためには、多角的な視点からのアプローチが必要です。まず、ユーザージャーニー全体を分析し、サイト訪問からカート投入、チェックアウト完了までの各ステップでの離脱ポイントを詳細に把握することが重要です。ファネル分析やヒートマップ、セッションリプレイなどのツールを活用することで、ユーザー行動を可視化し、具体的な改善策を見出すことができます。

次に、UI/UXとサイトパフォーマンスの評価を行い、ページの読み込み速度やレスポンシブデザイン、ナビゲーションの使いやすさを定量的に測定します。これにより、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための具体的な改善ポイントを特定できます。また、決済プロセスの簡素化と最適化も重要です。会員登録の必要性や入力項目の数、ステップ数など、決済フロー全体の煩雑さを評価し、エラーや不具合発生箇所の特定と改善策を検討します。

第三者によるなりすましを防ぎ、セキュリティを強化することもECサイト運営企業には大切なポイントです。セキュリティを強化することで、ユーザーからの信頼を獲得し、スムーズに商品の購入ができるようになることはカゴ落ち問題の解決にもつながります。

これらの多角的な観点で現状を分析し、原因ごとに優先度をつけた上で具体的な対策を講じることで、持続的な改善が期待できます。ユーザー行動データや市場の変化を定期的に再評価し、PDCAサイクルを回すことが今後のビジネス成功の鍵となるでしょう。

※記載の会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。