- ホーム
- VMware 導入事例
- 株式会社富士経済 様
株式会社富士経済 様のVMware導入事例
- VMware Horizon
- VDI
- デスクトップ仮想化
セキュリティと安定稼働を絶対条件にリプレース
コストを抑えてVDI 導入をグループ全体に拡大
-
- 導入前までの経緯
- VDI導入をグループ全体に拡大したいがコスト増がネック
- グループ全体のルールづくりに向け膨大な調整作業が必要
- システムを東京に集約するにあたりパフォーマンスが心配
-
- 導入後に期待される効果
- グループ全体へのVDI導入とTCO削減を両立
- PoCを経て、高パフォーマンスと安定稼働を実現
- グループ全体でのセキュアな情報共有を実現
VDI のリプレースでリモートアクセスと
マルチデバイス対応を実現
セキュリティの厳格化に向け、早くからシンクライアントを導入
市場調査会社として、さまざまな業界に関する市場調査レポートを年間100タイトル以上発行する富士経済。調査関連情報はもちろん、案件ごとに機密保持契約を締結する「受託調査」に関連する情報は特に厳格な管理が必要だ。このため「2008年というかなり早い段階で、情報流出リスクのある『ファットクライアント』(一般的な機能を全て搭載したPC)を廃止し、ネットブート型とサーバベース型のシンクライアントを導入しました」と語るのは、富士経済のシステム部 課長の佐々木 朗氏だ。同氏はVMware の認定資格「VCP」(VMware Certified Professional)に含まれる、データセンター仮想化に関する「DCV」(Data Center Virtualization)とデスクトップ、モバイル仮想化に関する「DTM」(Desktop and Mobility)の技術トレーニングを受けている。同社はハイパーバイザー(仮想化ソフトウェア)とVDIの管理面での親和性から2013年、「VMware Horizon View」(現、VMware Horizon)にシステムを移行した。これにより、社外アクセスとマルチデバイス対応を実現したという。「会社支給のノートPCやiPadで社外からVDIにアクセスできるようになったため、現場に好評でした。経営から『富士経済グループの各社にも展開したい』という指示があり、ちょうど導入から5年のハードウェアリプレースのタイミングでもあったため、『VMware Horizon 7』をグループ内に横展開しました」
3つの決断で、コスト削減をしつつグループ全体へのVDI拡大を実現
富士ソフトとPoC(概念実証)を行った結果、以下の3つの実施を決断した。
- ・東京と大阪で冗長構成にしていたシステムを東京に集約
- ・物理ストレージをSDS(ソフトウェア定義ストレージ)の「VMware vSAN」に変更
- ・Windows Server 2016のVDIライセンスを導入
富士ソフトの手厚い導入サポートと
VDIに関する豊富なノウハウが成功へと導く
PoCでパフォーマンス低下がないことを確認して東京へのシステム集約を決断
システムの集約については、富士ソフトが用意したPoC環境にて、富士経済の3拠点(東京、名古屋、大阪)+グループ会社(東京)の計4拠点からVDI にアクセスしてパフォーマンスを測定。その結果、1カ所に集約した場合もパフォーマンスの低下がないことが確認できた。DR(災害復旧)やBCP(事業継続計画)などへの対策とコストのどちらを優先するか悩んだものの「大阪にバックアップ環境を残しながら東京に集約する」と決断した。従来と比べ、インフラ部分のコストを約3割削減できた。
vExpertのプロジェクトマネージャーが業務に深く入り込みマスタを作り込み
2017年末のキックオフから本稼働までの準備期間は半年間ほどであったが、一番苦労したのはグループ全体でのルール作りやそのための調整だったという。「業務内容やVDIに求める要件などは各社で微妙に異なるため、グループとしてどこまで共通化できるか各社との調整が必要でした。今回のプロジェクトの成功は、VMware vExpert(注)である富士ソフトのプロジェクトマネージャーが業務に深く入り込むことで、各社の要求を満たすマスタのイメージを作り込んでくれたおかげだと考えています」
※編集注:VMwareが「ソリューションの訴求に著しく貢献した個人」を認定する制度
このプロジェクトにより、VDIをグループ各社に横展開するとともに富士経済の従来のVDI環境よりも1ユーザー当たりのコストを下げることができたという。この仕組みはオンプレミスで構築しているが、その理由は「設計の自由度においてクラウドに勝る」という判断からだ。
何よりも重視した“安定稼働”の上に、
高パフォーマンスやセキュリティ/可用性を実現
絶対条件としていた“安定稼働”と高いユーザエクスペリエンスのメリットを享受
本稼働から1年以上たった現在も、特に大きな障害もなく当初絶対条件としていた“安定稼働”を実現している。パフォーマンスについても、VDIのリソース割り当てを大幅に増やしたこともあり快適だという。「富士ソフトのアドバイスでvSANをオールフラッシュにしたのも、高パフォーマンスを実現できている理由だと考えています。オールフラッシュによってユーザープロファイルの読み取りが高速化したことで、約350人のユーザーが始業時などに一斉にログオンしてもパフォーマンスに問題はありません」
きめ細かなアクセス制御やロードバランサー/ファイアウォール機能をVMware NSXで実現
今回のリプレースでは、ネットワーク仮想化製品「VMware NSX」も併せて導入。マイクロセグメンテーション機能による細かなアクセス制御で、グループ全体でのセキュアな情報共有(各社間は、一部必要な情報の共有以外すべてシャットアウトする形)を実現している。このほか、ロードバランサー/ファイアウォール機能も活用しており、将来の変更ニーズにもソフトウェア上で簡単に対応できる柔軟性を手に入れた。
VDIで利便性を高めつつも、
働き過ぎ対策にもしっかり取り組む
「いつでもどこでも仕事ができる」故の弊害にもカスタマイズで対応
現在VDI化率96%に達する同社。VDI導入で社員の利便性が大幅に高まった分、逆に“働きすぎ”対策を考えなければ…という話が働き方改革を議論する中で出てきたという。「富士ソフトのプロジェクトマネージャーと相談しながら、Active Directoryでできること、Horizonでできることを見極めつつ、社外からのアクセスで規定の時間を超過したらシャットダウンするなどの対策をきめ細かく設定しました」場所や端末を問わずデスクトップ環境にアクセスできるが故に働きすぎを誘発するリスクがあるVDIだが、その辺りについてもしっかり対策に取り組んでいる。
システム構成図
この案件を担当したのは
-
- 富士ソフト
ソリューション事業本部
インフラ事業部 VMソリューション部 第1技術グループ 主任 - 蒋 祺彦(vExpert)
- 担当者コメント
富士経済様の案件では、複数のグループ会社かつ東京、大阪、名古屋拠点のVDIシステムを東京に集約するという要件があり、どこからアクセスしても変わらないパフォーマンスを実現する必要がありました。また、費用対効果を最大限にする必要性もありました。その為、PoC環境を利用してシステムサイジングを行い、最低限のコストで最大のパフォーマンスを実現いたしました。
- 富士ソフト
お話を伺った方
-
- 株式会社富士経済
システム部 - 佐々木 朗 様
- 株式会社富士経済
※ 記載の部署・役職は2019年7月現在の情報です。
- 企業名
- 株式会社富士経済
- 創業
- 1962年6月23日
- 本社
- 東京都中央区日本橋小伝馬町1-5
- 資本金
- 2,000万円
- 業種
- 専門サービス業
- 事業概要
- 総合市場調査会社。消費財・生活サービス分野や生産財・BtoBサービス分野、社会・インフラ分野などの業界調査を幅広く行っている。
- 導入ソリューション
- VMware Horizon
VMware vSAN
VMware NSX