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【導入編】VMware Cloud on AWSの導入&利用のファーストステップ

2019年12月25日
畑山 祐司(富士ソフト株式会社)

「VMware Cloud on AWS」は気軽に導入できます。利用も難しくありません。オンプレミスですでにVMware vSphereを導入しているユーザならば、その知識やノウハウをそのまま生かしてVMware Cloud on AWSを利用できます。ファーストステップとしてVMware Cloud on AWSの契約、自社環境の立ち上げ、オンプレミスからのワークロード移行の概要を解説します。

オンプレミスとAWS上のVMwareを1つのVMware vCenter画面から一元管理

VMware Cloud on AWSとは、ヴイエムウェアとAWS(Amazon Web Services)が共同で開発した統合クラウドサービスです。VMwareのSDDC(Software-Defined Data Center)環境を、そのままフルスタックでAWS上に展開できることが特長です。

具体的には、VMware Cloud on AWSはAWSのホストサーバを占有し、その上で仮想化ハイパーバイザーのVMware vSphereをはじめ、SDS(Software-Defined Storage)のVMware vSAN、SDN(Software-Defined Network)のVMware NSXなどを動作させ、仮想サーバを提供します。

これによりオンプレミスと同様、VMware Cloud on AWS上でもVMware vCenterを利用して仮想マシンの作成や電源制御などの操作を行えます。

さらに、VMware vCenterのハイブリッドリンクモードを利用した場合、同一のVMware vCenterの画面からオンプレミスのVMware vSphereとVMware Cloud on AWSの両方を一元管理することも可能です。これはVMware Cloud on AWSをオンプレミスから拡張されたデータセンターとして管理するイメージで、長年培ってきたVMware vSphereの運用ノウハウやVMware vCenterの操作スキルを生かせるのです。

VMware vCenterのハイブリッドリンクモード

VMware vCenterのハイブリッドリンクモード

A2つの契約形態から選択。最小3ホスト構成から導入が可能

実際にVMware Cloud on AWSはどうすれば利用できるのでしょうか。

VMware Cloud on AWSは、1ホスト1時間単位の従量課金で利用できるオンデマンドタイプ、1年または3年間の長期利用においてより低価格で購入できるサブスクリプションタイプの2種類のモデルが用意されており、利用目的や期間にあわせて柔軟に選択できます。また、オンデマンドタイプで利用を始め、あとからサブスクリプションタイプに切り替えることも可能です。

契約手続きが完了すると、VMware Cloud on AWS環境(SDDC)はAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)として展開され、ベアメタルサーバ上にVMwareソフトウェアがあらかじめセットアップされた状態でユーザに提供されます。

なお、VMware Cloud on AWS は最小構成として3ホストから導入することが可能。各ホストはそれぞれAmazon EC2の標準タイプであるi3.metalインスタンスと、ハイスペックのR5.metal (※) インスタンスのいずれかを選択することができます。
※2019年12月現在、東京リージョンは未対応

もちろん、あとからホストを追加することも可能です。VMware Cloud on AWSでは稼働中の仮想マシンを停止することなく、1クラスタあたり最大16ホストまで拡張可能です。

オンプレミスとクラウド間での完全無停止の仮想マシン移行もサポート

次のステップとして、オンプレミスのVMware vSphere環境からVMware Cloud on AWSへのワークロードの移行を行います。この作業は簡単に実行することができます。もちろんこれは片道キップではありません。VMware Cloud on AWSからオンプレミスに仮想マシンを戻すといった双方向の自由な移動が可能となっています。

オンプレミス環境とVMware Cloud on AWS間で容易に仮想マシンの移行が可能

オンプレミス環境とVMware Cloud on AWS間で容易に仮想マシンの移行が可能

例えば標準提供のVMware HCXを利用すれば、オンプレミスのVMware vSphere環境で稼働している仮想マシンを、アプリケーションを再構築することなくVMware Cloud on AWS上に簡単に移行できます。加えてVMware HCXは、Cross-Cloud vMotionによるライブマイグレーション(VMware vSphere 5.5以降)や、大量のVMを一気に移行するバルクマイグレーション(VMware vSphere 5.0以降)といった移行方法もサポートしています。

また、先にも少し触れたVMware vCenterのハイブリッドリンクモードを利用した場合、オンプレミス環境のVMware vCenterとVMware Cloud on AWSのVMware vCenterをシームレスにリンクすることができるため、オンプレミス環境とVMware Cloud on AWSとの間での双方向による、完全無停止のvMotionが可能となります。

現在ではさらに、複数の仮想マシンを一括・しかも無停止で移行可能な、「Cloud Motion with vSphere Replication」もサポートされました。

このように、VMware Cloud on AWSはオンプレミス環境からのワークロード移行に関するリスクとコストを大幅に低減します。

富士ソフト株式会社 ソリューション事業本部 インフラ事業部 VMソリューション部 第1技術グループ 課長 畑山 祐司

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インフラ事業部 VMソリューション部 第1技術グループ 課長

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