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2023年9月22日

配管専用バイブレータシステムで生コンクリートの流動性低下を抑制
大成建設株式会社・極東開発工業株式会社・株式会社名和と共同で
コンクリート加振圧送工法「シン 圧送工法」を開発




富士ソフト株式会社は、大成建設株式会社、極東開発工業株式会社、株式会社名和と共同で、コンクリートポンプ車の圧送※1に連動して加振する配管専用バイブレータシステムを使用したコンクリート加振圧送工法(通称:シン 圧送工法)を開発。生コンクリートの流動性を維持したまま長距離圧送が可能になりました。



 近年、建物の超高層化や大型化に伴い、生コンクリートを従来よりも長距離にわたり圧送する技術が必要とされています。一般に圧送距離が延びるほどコンクリートの流動性が低下する傾向にあるため、コンクリートの配合調整や混和剤の添加による流動性の確保や高圧力のポンプを使用する等の対策が必要となり、その分のコスト増大が課題となっています。一方で、配合調整や混和剤添加を行わずに、コンクリートに振動を加える加振によって流動性の低下を抑制できることが知られていますが、加振し過ぎると材料が分離する恐れがあるなどの課題が残されており、これまで圧送中の配管を直接加振する工法は適用されていませんでした。

 そこで、大成建設株式会社、極東開発工業株式会社、株式会社名和と共同で、コンクリートポンプ車からの圧送に合わせて専用バイブレータを用いて適切に配管ごと加振するだけでコンクリートの流動性低下を抑制する「シン 圧送工法(通称)」を開発し、現場での実証試験によりその効果を検証しました。
 本工法の開発にあたり富士ソフトは、ICTのプロとして建設の現場における課題解決の実績と技術力をもとに、配管専用バイブレータシステムを開発しました。今後も当社は、様々な建設現場における業務課題をICTで解決し、さらに高度化を目指して支援してまいります。



コンクリート加振圧送工法「シン 圧送工法(通称)」
コンクリートポンプ車の圧送に連動する配管専用バイブレータシステムによって配管内の生コンクリートを加振します。振動によって圧送配管の筒先での生コンクリートの流動性低下が抑制されます。


特徴

・生コンクリート圧送に連動させ配管専用バイブレータにより自動で加振
圧送配管ごとに設置した加振装置(圧送配管専用バイブレータ)を用いてコンクリートポンプ車の圧送と同時に生コンクリートの配管内移動に連動させて自動で過不足なく加振できます。

・加振によりコンクリート流動性を維持し、コスト増大を抑制
配管を加振するだけで長距離圧送時のコンクリート流動性を維持できることから、従来の圧送工法で施工条件により実施していたコンクリートの配合調整、混和剤の添加、ポンプ性能向上などによるコスト増大を抑制することが期待できます。


実証試験(図1、2参照)
本工法の効果を検証するため、地上のコンクリートポンプ車から建物の16階~22階にある打設場所まで約170~200mを、横向き・縦向きに設置した配管で接続し、随所にバイブレータを取り付けて長距離圧送実証試験を実施しました。これらの条件で配管の加振有無の状態における荷卸直後のコンクリートの流動性を、ポンプ圧送機(圧送元)とコンクリート打設箇所(筒先)の「スランプ※2試験」により評価しました。その結果、加振が無い場合には圧送元に比べ筒先でのスランプが約1.1cm低下しましたが、本工法を適用して加振した場合には圧送元から筒先までスランプに変化はなく、長距離圧送でも所定の流動性を維持できることを確認しました。

図1 実証試験内容

図2 実証試験結果


※1 圧送: ポンプの圧力の作用によって、生コンクリートを配管やホースを通じて離れた作業場所まで移動させること。
※2 スランプ: JIS A 1101で試験方法が定められているスランプ試験において、計測に用いる高さ30cmのスランプコーン天端からの落ち幅を0.5cm単位で測定して得られる値、コンクリートの軟らかさ(流動性)を示す。スランプが大きいほどコンクリートの流動性が高い。



大成建設株式会社     https://www.taisei.co.jp/


極東開発工業株式会社   https://www.kyokuto.com/


株式会社名和       http://www.kk-mw.co.jp/



以上


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