2021年7月21日
富士ソフト株式会社は、AIインテグレーションサービスの提供により、株式会社豊田自動織機様の自動車部品製造における生産設備の設定値を分析・判断し、さらに高精度に最適値を予測する、自動補正システムの構築を支援しました。理想値と実測値の乖離検知から予測・補正までをすべて自動化、機械学習における再学習および推論モデルの自動更新に成功しました。
株式会社豊田自動織機様は、繊維機械、自動車などの幅広い分野で事業展開しています。自動車事業部では、自動車の開発・製造におけるすべての工程において、産業用ロボットを含む多種多様な生産設備が稼働しており、今回は、その中の自動車のバンパー製造に用いる射出成形機向けに、AI/機械学習を活用した自動補正システムを構築されました。
射出成形機には情報分析基盤が稼働しており、圧力や温度等、多種多様な数百個ものセンサーデータから不良品の発生原因を分析して波形として可視化しています。その分析結果から得られた、効率的に生産品質を安定させる理想の波形を維持するためには、環境の変化に合わせて制御パラメータの設定値を調整する必要があります。しかし、その調整は長年の経験や勘を必要とするため熟練工に委ねられ、ノウハウは完全に属人化していました。
この度当社が構築を支援した自動補正システムは、情報分析基盤が理想的な波形を維持するように、熟練工に代わってAIが射出成形機の最適な設定値を予測し、この設定値で生産することで理想の波形に補正するしくみになっています。これまでは不具合発生後に熟練工が設定値を調整していましたが、本システムでは、不具合が発生する前にAIがその傾向を検出して最適な設定値を提示します。当社のAIに関する高度な技術とノウハウを活かし、AIでデータを分析・判断するだけでなく、さらに予測した最適設定値を射出成形機にフィードバックする、スマート生産ラインを実現しました。これまでのように長年の経験と勘に頼らずに、生産の安定化と製品の品質向上に貢献します。さらに、AI導入により業務が効率化されることで、人はより付加価値の高い業務に注力でき、業務生産性の向上にも効果が見込まれています。
今後、豊田自動織機様は、このシステムを基盤とした他の工程や他の事業部への展開を予定されています。富士ソフトは引き続き、AIの活用によって生産品質の安定維持と業務の生産性向上を目指す豊田自動織機様の取り組みを支援してまいります。
株式会社豊田自動織機様AIインテグレーション事例
https://www.fsi.co.jp/cases/talk_shokki.html
株式会社豊田自動織機
https://www.toyota-shokki.co.jp/
株式会社豊田自動織機 開発IoT推進グループのプロジェクトリーダー様よりコメントを頂戴しました。
「自動車バンパーを100%良品で生産するという大きな挑戦に、製造現場の課題を的確にくみ取りながらお付き合い頂きました。社内ではまだまだ技術的知見の少なかったAI活用に力を貸して頂けたことが今回の成功の鍵だと思っています。」
富士ソフトのAIソリューション
https://www.fsi.co.jp/solution/AIsolution/index.html
以上
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