Twitter
Facebook
Hatena
Windows 10への移行を「働き方改革の第一歩」に

環境の劇的な変化に対応する

2020年1月14日のWindows 7のサポート終了まで残り1年を切り、多くの企業がWindows 10への移行を進めています。もちろん、移行の目的としては、Windows 7のサポート切れへの対応が挙げられます。
しかし、私は、Windows 10への移行を単なるWindows 7のサポート切れ対策ではなく、企業を取り巻く劇的な環境の変化に対して、“柔軟で継続的な対応力を手に入れる絶好の機会”であると捉えています。

テクノロジーは進化し続け、その進化に伴いセキュリティの脅威も巧妙化・複雑化しています。さらに、国内では人口減少が進み、今までの生産量を維持するだけでも、業務の効率化や多様な働き方の実現が求められています。

Windows 10はこうした変化に対応すべく、新しい概念「WaaS(Windows as a Service)」のもとで設計されました。WaaSでは、テクノロジー、セキュリティ、労働環境などの変化にタイムリーに対応するため、随時、各種更新プログラムが提供されています。
機能更新プログラム(Feature Update)は、最新機能を追加するために毎年春と秋の年2回に分けて実施され、脆弱性の修正や信頼性・バグの修正は月1回の品質更新プログラム(Quality Update)で提供されます。

Windowsは「製品」から「サービス」へ

Windowsは、WaaSにより、Windows 7などの特定バージョンのOSを購入して所有するパッケージ型の「製品」から、クラウド経由で配信される最新版を利用する「サービス」に変わります。最新機能が配信される機能更新プログラムは、従来で言えば、XP、Vista、7、8、8.1といったOSのメジャーバージョンおよびサービスパックに相当します。Windows 10は2015年7月のリリース以降、2018年12月までに、WaaSによって計6回の機能更新プログラムが提供されています。すでに6世代ものメジャーOSアップグレードが行われてきたと言ってもいいでしょう。

たとえばセキュリティ面では、従来型のマルウェア対策のみならず、クラウド上のAIでマルウェアを検査し、マルウェアを検出した場合は各クライアントにブロック情報を反映する、資格情報を仮想化技術で分離するなど、新しい機能が次々と追加されています。

私はWindows 10軽量タブレットPC「Surface Go」を利用していますが、現行のSurfaceデバイスでは、標準で生体認証が利用できます。タブレットのカメラに顔を向けるだけで、Windowsへのサインインが完了します。パスワード盗難を回避できるという利点はもちろん、キーボードを使ってパスワード入力するといった手間もなくなります。PCのスクリーンロックの時間を短時間で設定している企業では、手放せない機能の一つになっています。

※Windows 10 の Windows Hello による顔認証。タブレットに顔を向けるだけで、Windows へのサインインが完了する。

また、PCでの作業履歴を一覧化し、中断した箇所から作業をすぐに再開できたり、作業履歴を複数のデバイス間でも共有できたりします。メールやオンラインストレージを介さず、近くのデバイスに直接ファイルを送信できるので、業務に必要なファイルの受け渡しも格段に楽になります。さらには、iOSやAndroidなどのスマートフォンとの連携が強化されており、PCとスマートフォンをまたいだ作業の効率化も進んでいます。このようにWindows 10は、ビジネスの生産性を向上させる機能を次々と搭載しはじめています。

Windows 10の継続的な機能追加の恩恵を受けられるのは、PCだけではありません。以前ご紹介したMR(複合現実:Mixed Reality)デバイス「Microsoft HoloLens(ホロレンズ)」もWindows 10を搭載しており、2016年のリリース以来、機能の追加、改善が進められ、着実に進化しています。

Windows 10は今後もアップグレードし続け、時代が求める最新のテクノロジーを搭載していきます。Microsoft社が注力しているAI(人工知能)研究の成果を機能として組み込むこともますます加速するでしょう。こうした最新の機能を自社の業務に取り入れない手はありません。Windows 10の導入で、最新のテクノロジーを「半年」という短いサイクルで手に入れられるのです。

Windows 10で「働き方改革」を推進する

富士ソフトでは、1989年に在宅勤務制度を開始、1990年にはフレックスタイム制を導入するなど、社会に先駆けて働き方改革に取り組んで来ました。これらの取り組みの実績をお客様へソリューションとして広くご紹介しています。もちろん、当社の Windows 10 移行の実績もソリューションとして展開していきます。

まずは、Windows 10への移行を「働き方改革の第一歩」にしていただきたいのです。

Windows 10の機能は多岐にわたり、かつ最新のテクノロジーですから、利用シーンがイメージできない機能もあると思います。移行や運用のみならず、生産性の向上や新しいワークスタイル、まさに働き方改革の実現に向け、Windows 10のさまざまな機能を徹底的に使いこなしていただくためのご支援も、私たちのミッションと考えています。皆様の働き方改革を実現する手段の一つとして、Windows10への移行や活用のノウハウについてご紹介していきたいと思います。

次回は、Windows 10への移行と移行後の運用についてお話しします。
最新のテクノロジー、最新のセキュリティをユーザに最速で提供するため、プログラム更新の頻度が増えたWindows 10。これまで数年に1回だった更新が、半年に1回やってきます。従来の運用では期間、コストも見合いませんし、考え方や手法も変える必要があります。
次回もぜひお楽しみに!

 

この記事の執筆者

増田 裕正Hiromasa Masuda

ソリューション事業本部
MS事業部 MSサービス推進室
部長 / エグゼクティブフェロー

Microsoft Microsoft Azure AI(人工知能)