セミナーレポート「お客様事例から学ぶ AWS×Veeam 活用術セミナー 事業継続対策編」

近年のパンデミック対策などでテレワークが一般的になり、事業継続計画(BCP)への関心も高まっています。当社は2021年12月17日(金)に、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社との共催Webセミナー「お客様事例から学ぶ AWS×Veeam 活用術セミナー 事業継続対策編」を開催しました。その中から、本コラムでは、当社 インフラ事業部 インフラソリューション部 エリアグループ 川西 就のセッション「お客様事例から見るVMware Cloud on AWS × Veeamの活用方法」をダイジェストで紹介します。

BCPに必要な観点とDR(Disaster Recovery:災害復旧)対策のポイント

ITシステムに災害やトラブルが発生したときに、最小限の損害で早期復旧を図り、ビジネスを継続させるには、予めBCPを作成しておく必要があります。BCP作成の際には、重要な4つの観点があります。

・(情報伝達)BCP発動時の連絡体制
・(代替手段)代替機の準備やリモートワークの活用
・(支援体制)社内CSIRT(Computer Security Incident Response Team)※の設置
※ITシステムの監視やトラブル対応に専念するチーム
・(データ管理)データの保管とバックアップ

その中で今回は、「データの保管とバックアップ」の観点で、当社が支援したDR対策の事例を紹介します。

まずは、DR対策で考慮すべき3つのポイントを説明します。

  1. 復旧時間を短くする
    災害やトラブルの状況に応じてすぐにシステムを代替手段に切り替え、すみやかに事業を継続できるようにする。システムの切り替えや停止の時間を極力減らし、システムの復旧時間を短くする。災害やトラブル発生後からシステム復旧までに発生したデータは復旧処理が必要になるので、システム復旧までの時間が短いほど処理が必要なデータも少なくなり、対応の工数も少なくなる。
  2. 場所を問わない
    災害やトラブルはいつどこで起こるかわからない。場所や人に依存しないDR対策が望ましい。
  3. 復旧後の対応や費用
    システム復旧後の処理も、スムーズかつ低コストでできることが望ましい。

この3つのポイントに対して富士ソフトは、クラウドサービスのAWSと、オンプレミス・仮想環境でのデータ保護・監視を行うツール「Veeam(ビーム)」の組み合わせを提案しています。VMware Cloud on AWSを活用し、AWS上にDRソフトとしてのVeeam環境を構築してDR時だけ稼働させることで、簡易かつ低コストのBCPを実現します。

「データの保管とバックアップ」の支援事例、VeeamとAWSでDR対策を大幅改善

ご紹介する事例は東証一部上場の食品会社A社様で、全国で食品の製造・販売を行っています。このお客様のDR対策の課題とその対策について概要を紹介します。

VeeamとAWSによるDR対策の概要

A社様は、DR対策として本社にあるサーバでDR専用ソフトを活用し、データセンター内にDRサイトを構築していました。しかし、DR専用ソフトは仕様変更による作業が度々発生し、多くの運用工数が必要でした。DRサイトは、データセンター内のハウジングを使用していたためコストが高く、本社とデータセンターの2カ所を管理する手間も無視できませんでした。

そこで、DR専用ソフトをVeeamに変更しました。VeeamはDR専用ソフトと同等の機能を有しています。仕様変更の際にはアップデートだけで対応できますので、運用工数を大幅に低減できました。また、DRサイトをAWS上に構築したため、オンプレミス環境のハウジングが不要になりました。DRサイトは常時稼働が必要ではなく、AWSの費用は稼働状況に応じた課金になるため、コストも大きく改善できました。

A社様のシステムは、業務用や外部向けのWebシステムで、物理・仮想マシンが混在している状況でした。これらの多数のマシンを簡単にバックアップ/リストアできるように、監視はエージェント方式に統一し、Veeamのエージェントを利用しています。AWS上のDRサイトにもエージェントを導入しました。災害やトラブルなどでDRサイトにデータを保存した後にDRサイトのデータが更新された場合も、そのまま最新の状態でDRサイトをバックアップできます。

通常の運用環境であるオンプレミスに最新のDRサイトデータをリストアできるメリットがあります。 物理・仮想マシンの復旧も、エージェントのGUI上でマシンを1つずつ選んでクリックするだけです。全てのマシンをまとめて復旧させ、システム全体として動作できるように、Veeamのエージェント向けスクリプトを提供しました。これによって復旧作業を大幅に削減できました。

A社様の要件に対する当社の対応を下表にまとめます。

お客様の要件富士ソフトの解決策
DRテストがあるのでシステムを簡易化・スクリプト化にて対応
できる限りコストを抑える・通常時のAWSのリソース利用は最低限に
・コスト的にもメリットがあるVeeamを選択
・その他、専用ソフトは使用せず
ダウンタイムは1日程度まで・AWSとVeeamの組み合わせで達成
建物が全壊した場合でも復旧・AWSにVeeamサーバを構築し、全ての機能をクラウドで実現

今回のAWSとVeeamを活用したDR対策事例における効果は次のとおりです。

・DR専用ソフトの更新などで発生していたDR対策費用を半減
・データセンターの契約やハウジング管理が不要になり、DRサイトの管理作業を削減
・新たなDR対策をきっかけにクラウドシフトが加速

「Veeam × AWS × 富士ソフト」

富士ソフトが提案するVeeamとAWSによるDR対策は、さまざまなメリットを提供します。

Veeamが解決・データを2次バックアップ可能(DRサイトのバックアップも可能に)
・AWSにDRサイトを構築
・既存のDRの仕組みをAWSに移行
AWSが解決・DR時だけシステム稼働を行うことでコストを最適化
・DRサイトの立ち上げを迅速に実施
富士ソフトが解決    ・コストの最適化。ライセンスの見直しや業務レベルに合わせたDR対策など、システム全体を俯瞰した最適な提案でコストを検討可能
・お客様の環境や要望に対し、最適で効果の高い提案を実施

今回の事例のように、オンプレミスで行うDR対策でコストや運用負荷に課題をお持ちでしたら、「Veeam × AWS × 富士ソフト」のソリューションで、コストも工数も大きく削減できる可能性があります。ぜひ富士ソフトにご相談ください。

富士ソフトのAWSに関する提供サービスはこちら
アマゾン ウェブ サービス(AWS)


川西 就川西 就(Syu Kawanishi)

ソリューション事業本部
インフラ事業部 インフラソリューション部 エリアグループ
リーダー / シニアマスター

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