テレワークで生じるコミュニケーションの課題を解決!物理的距離に縛られない、ハイブリッドなオフィス環境を実現する

コロナ禍で急速に進んだテレワーク。数年前から話題となっていましたが、昨年の緊急事態宣言を機に導入する企業が急増しました。そんな企業の多くからテレワークの課題として聞かれるのが、「コミュニケーションの取りづらさ」。
富士ソフトでは、自社での経験をベースにテレワークでもコミュニケーションを取りやすくするソリューション「FAMoffice」を開発しています。オフィスで日常的にあったワイガヤを再現できるツールである「FAMoffice」、その開発に携わった松浦直樹氏に話を伺いました。

オフィスでの“ワイガヤ”を再現することで、テレワークでのコミュニケーションの課題を解決しようと考えた

―まず「FAMoffice」とは、どのようなものですか。

簡単に言えば、仮想オフィス空間です。仮想空間にオフィスを作り、そこに各社員のデスクを用意します。各社員は、テレワークでも仕事を始めるときに自分のアバターでバーチャルオフィスに出社します。オフィスの中では、社員同士がコミュニケーションを取ったり、会議をしたりする事ができます。それぞれが「今どこで何をしているか」が俯瞰的わかるようになっています。

―そもそも「FAMoffice」を開発するきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

2020年2月、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しはじめ、当社でも多くの社員が在宅勤務を開始しました。在宅勤務が続くにつれ、さまざまな課題が浮き彫りになってきました。特に多くの社員が課題として挙げた点が「コミュニケーション」。このコミュニケーションを深堀していくと、“コミュニケーション手段”に課題を感じているわけではなく、「コミュニケーションを取るタイミングがわからない」や「チームメンバーの状況がわからない」などである事がわかりました。そこでこの課題を解決するツールの検討に入ったのです。

当時、世間では「オンライン飲み会」が盛んに開催されました。私も何回か参加したのですが、全然面白くないのです。なぜ、オンライン飲み会が面白くないのかを考えた結果、次の結論になりました。
オンライン飲み会は複数の会話を同時並行することができず、一つの会話を全員で行っています。結果、会話の発展性が乏しい。飲み会に参加した感じがしない。対面の飲み会ならば、真ん中で話している人だけでなく、あっちでは別の話、こっちでは別の話をしていて、それが漏れ聞こえています。面白そうな話をしている人や面白そうな人たちがいたら、それに加わることもできる。同時並行的に複数の小さな会話が行われ、時には小さな会話が一つになり大きな会話になる。視覚と聴覚を使い、会話という「コミュニケーション」を楽しんでいたのです。オンライン飲み会が決定的に面白くない点は、これが失われてしまったためだと考えました。

飲み会と仕事を同じに考えてはいけませんが、新型コロナウイルスの感染が拡大する以前に我々が出社していたオフィスは、それぞれで仕事をしていてもオフィスのどこかで誰かが話している声が聞こえました。誰と会議室にいるのか、誰と誰が立ち話しているのかもわかります。そこで聞きたいことがあったら話に加わる、上司の手が空いていそうならちょっと質問してみる。夜遅くまで仕事をしているチームがあれば、「何か問題でも発生しているのか?」と声をかける。リアルなオフィスでは当たり前だった視覚と会話を使った「コミュニケーション」が在宅勤務では失われてしまった。この失われてしまったものを仮想空間上で再現し、多くの社員が課題と感じている「コミュケーション」を解決するツールを開発するのがいいのではないかという話になりました。そうして作られたのが、「FAMoffice」でした。

―やはり、テレワークの課題の一つは、コミュニケーションなのですね。

会社としては、パソコンも支給しているしスマートフォンも用意している。社内のSNSもあるし、オンライン会議ツール、チャットツールもある。コミュニケーションに必要なものは、ハードでもソフトでも準備しているつもりです。それでもコミュニケーションがうまくできない理由としてあるのが、「電話をしたり、チャットでメッセージを送ったりするタイミングがわからない」ということでした。「相手が仕事に集中していたら申し訳ない」、「今、会議中なんじゃないか」などが気になってコミュニケーションが取れない。ならば、「FAMoffice」のように今、誰が何をしているのかがわかるツールがあればいいわけです。そもそもリアルなオフィスにいれば、相手に話しかけても良さそうかが見てわかります。それをオンラインでもできるようにしたのです。

「FAMoffice」では自分のアバターを他の人のアバターにぶつけると自動でビデオ通話が始まります。オフィスで声をかける様子そのものですよね。また、会議室に誰がいるのかもわかります。リアルなオフィスでは、会議が終わったあと、参加者同士で会議室から自席に戻るまでの間に雑談したり、会議内容の確認をしたりしますよね。アバター同士のビデオ通話で、それも実現できています。

―他に「FAMoffice」をどのように社内で活用していますか。

コミュニケーションだけでなく、テレワークだと「孤立感」があるという意見もあります。リアルなオフィスでは、先輩の働きぶりを見て学んだり、後輩にアドバイスしたりできるけれど、テレワークではそれが目で見えない。自分が目指すべきモデルがわからなくなるという声が聞こえました。「FAMoffice」で俯瞰して人の動きを見ていれば、誰と誰の会話が多いとか、この人は一日誰とも会話しなかったとか、そういったこともわかります。それを元に孤立している人をフォローすることもできる。オフィスにいるときの感覚を一部でも再現できるといいと思っています。

物理的な距離にとらわれず、社員を活躍させられる

―開発で気を遣った点はどんなところでしょう。

「FAMoffice」は、例えばMicrosoft Officeのような仕事のメインツールではありません。なので極力、CPUを専有しないことに気をつけました。通信トラフィックも多いのですが、それも最低限になるように開発しています。開発期間も短縮するため、アジャイル的に進めました。現在、当社社員1,500人が「FAMoffice」を使っています。当社の特徴ですが、自社開発のソリューションでも他社の代理販売をするものでも、まずは社内で徹底的に使い込んでから販売します。一番厳しいユーザーになって、いいところも気をつけるべきところも深く理解しようとしています。また、「FAMoffice」ではサービスデザインの手法を取り入れ、2021年3月からトライアルでご利用いただいているお客様の声も製品開発に反映させています。

―ご自身が便利だと感じているポイントはありますか。

一人に対して複数のアバターを用意できるところです。私の場合、3つのフロアにデスクがあり、そのすべてにアバターを置いています。リアルなオフィスでは、私があるフロアにいるとき、別のフロアにいる人は私がどこにいるのかわからず、声をかけられません。でも「FAMoffice」ではどのフロアにもアバターを置けるので、フロアを問わず私が何をしているかわかりますし、声をかけることもできるんです。

さらに、「FAMoffice」では地方の支社・支店にいる人でも同じフロアにアバターを置くことができます。つまり、物理的な距離にとらわれず、プロジェクトチームを作ることも可能です。例えば、リアルなオフィスでは地方支社に優秀な人材がいても、本社でのプロジェクトには参加しにくい場合があります。それが「FAMoffice」なら解決できる。ベストな人材に、物理的な距離にとらわれず活躍してもらうことができる。全国に散らばった人的リソースを「FAMoffice」という仮想オフィス空間で一つにまとめることができる。これは会社にとって大きなメリットです。社員にとっても、異なる経験を積んだ人と気軽に話せる環境は、成長のチャンスだと思います。

あとは大きなポイントは管理面です。「FAMoffice」では俯瞰して社員の状況を見ることができます。そうすると、夜遅くまで仕事をしているチームや人がいるとわかります。何か問題を抱えているのか、仕事量が適切ではないのか等の気づきを与えてくれます。これは多くの人が在宅勤務をしている環境では絶対に気が付きません。また、今まで会ったこともない、まったく接点もない多くの社員と出会い、知る事ができるようになりました。

―コミュニケーションが会社を活性化し、社員の成長にもつながる。リアルなオフィスの再現だけではなく、リアルなオフィスではできなかったことも可能にしているのですね。

「FAMoffice」はまだ生まれたばかりのソリューションです。これからもっともっと発展させていきたいと考えています。また、「FAMoffice」はデジタルの世界で、全ての行動がデジタル化されています。ここから生み出されるビッグデータは未知の可能性を秘めています。今後はこのビッグデータを利用した、あらたな価値を創出していきたいと思います。

あつまる、つながる、ひろがるオフィス 「FAMoffice」のご紹介



松浦 直樹松浦 直樹(Naoki Matsuura)

プロダクト事業本部
副本部長

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