AWS re:Inventとは、AWS(Amazon Web Service)が年間を通して取り組んできた新サービスや機能強化に関する情報を発表する、一大年次イベントです。
2020年の同イベントはオンラインで開催され、以下5つのKeynote(基調講演)が実施されました。
① Andy Jassy Keynote(AWSのCEO Andy Jassy氏によるAWSの新サービス発表)
LIVE配信:2020/12/2(水)JST
② AWS Partner Keynote(AWSグローバルパートナー企業の代表者の方々による発表)
LIVE配信:2020/12/4(金)JST
③ Machine Learning Keynote(AWSが提供する機械学習の最新の進歩についての発表)
LIVE配信:2020/12/9(水)JST
④ Infrastructure Keynote(AWSのグローバルインフラストラクチャおよびカスタマーサポートの代表者である Peter DeSantis氏による発表)
LIVE配信:2020/12/11(金)JST
⑤ Werner Vogels Keynote(Amazon.com副社長兼CTOのWerner Vogels氏による発表)
LIVE配信:2020/12/16(水)JST
本記事では、AWS re:Invent2020で行われた各基調講演の概要を紹介します。発表数が多いため、各サービスともシンプルにまとめてみました。
Andy Jassy Keynote
(AWSのCEO Andy Jassy氏によるAWSの新サービス発表)
コンピューティング(EC2)
新しいMacOS EC2インスタンス
Keynote前のセッションにて、衝撃的な発表が行われました。ついにEC2(Elastic Compute Cloud)がMac miniハードウェアを搭載し、AWS Nitro System上で動作するMacOSインスタンスを起動させることを実現したのです。このインスタンスはmacOS 10.14と10.15上で動作するので、EC2愛好家にとっては待望の追加機能となります。結果としてアップルアプリケーションのテストのためにエミュレータや仮想マシンを実行する必要がなくなり、アップルのネイティブハードウェアでテストを行うことができるようになりました。
EC2の新しいインスタンスタイプD3/D3en
ビッグデータ分析、クラスター化されたファイルシステム、データレイクに適したd3とd3enのインスタンスタイプも発表されました。7.5倍のネットワーク速度、7倍のストレージ容量、デスクスループットの100%向上など、前世代のd2モデルに比べて大幅なパフォーマンス向上が実現されました。
EC2 M5zn Instances
カスタムの第2世代Intel Xeon Scalableプロセッサ(Cascade Lake)を搭載したAmazon EC2 M5が変化した汎用的なAmazon EC2 M5znインスタンスもアナウンスされています。M5znインスタンスは、最大4.5GHzの周波数、Intel Xeon Scalableプロセッサによるオールコア・ターボCPU性能が提供されるものです。
Amazon EC2 G4ad Instances Featuring AMD GPUs for Graphics
EC2で初となる、AMD GPUを搭載しているインスタンスG4adのリリースも予告されました。これはTensor Coreなどのハードウェアの最適化を含んだものなので、機械学習や画像処理、またはGPUベースの機械学習推論に好ましいインスタンスといえます。
新しいGravitron c6gnインスタンス
GravitronはAWSが独自にCPUを構築したものです。100Gbpsのネットワーク帯域幅、38GbpsのEBS(Elastic Block Store Bandwidth)、ネットワークの改善、より魅力的な価格/性能モデルを実現したc6gnシリーズのEC2インスタンスが発表されました。これは、従来のc6gインスタンスから大幅にステップアップしたものです。場合によっては4倍以上のパフォーマンスを実現しています。(これらのインスタンスは、2020年12月18日より一般提供されています。)
Amazon EC2 R5b Instances Provide 3x Higher EBS Performance
最大 60 Gbps の EBS 帯域幅と 260,000 IOPS を利用できる「R5b」が、NITRO世代のメモリ最適化インスタンス「R5」シリーズのインスタンスとしてリリースされました。
Amazon EC2 instances powered by Habana Gaudi
「Gaudi」はディープラーニングモデルの学習に特化して設計されたAIプロセッサですが、この「Gaudi」を搭載したEC2インスタンスが利用可能になることが発表されました。Habana Labs社が開発しているAIプロセッサ「Gaudi」ですが、新しいEC2インスタンスには最大で8台のプロセッサを搭載される予定です。既存のGPUベースのEC2インスタンスに比べると最大40%のコストパフォーマンスの向上をもたらします。
AWS Trainium
機会学習(ML)向けのカスタムチップ「Trainium」が発表されました。2021年から利用可能とのことですが、使い方としては「TrainiumでMLのモデルをトレーニング→そのモデルをInferentiaで推論させる」、などのケースが考えられます。
コンテナ(ECS)
コンテナとサーバレスベースのコンピュートサービスの急速な普及についても言及があり、AWSはユーザによるフィードバックのおかげでこの分野でイノベーションを起こすことができた、とのことでした。
ECSとEKS anywhere
ECS(Elastic Container Service)とEKS(Elastic Kubernetes Service)は、AWSのエコシステムの中でコンテナ管理のサポートに特化した2つのサービスといえます。現在最も普及しているコンテナ化製品はDockerで、開発者は簡単に設計ができるDockerfileを使ってインスタンスを構成して起動することができます。
ECSとEKS anywhereによって、AWSはクラウドベースのワークロードとオンプレミスのワークロードのギャップを埋めることに成功しました。このサービスは、ECSとEKSのフレームワークを、独自のメタルを使って自身のデータセンターで実行することを可能にします。セキュリティ問題も解決したので、データをオンプレミスでデータセンターに保管できるようになりました。また、軽いワークロードであれば常にクラウドで実行することも可能です。
ECR Public and Amazon ECR Public Gallery
ECR(Elastic Container Registry)をパブリックレジストリとして利用可能になります。AWSのコンテナワークロードにおけるECRは、コンテナレジストリの核ともいえる存在でした。コンテナイメージをECSやEKSで利用する場合には非常に利便性が高かったのですが、AWS以外の環境で利用できなかったことが唯一の残念な点でした。今回のECRのパブリックリリースによって、コンテナイメージを誰でも公開してダウンロード可能とすることで、この課題をクリアしています。
EKS Distro
Amazon EKS Distroは、Amazon EKSで利用されているKubernetesをオープンソース化したものです。EKS-Dと略されます。ユーザはEKS-Dを利用することで、オンプレミスでもクラウド環境と同じ運用が可能となります。
Amazon ECSのアップデートが昨今は活発化していますが、Amazon EKSも追従する形でアップデートを繰り返しています。コンテナ運用する際に複数の選択肢が存在することは、ユーザ的には歓迎すべきことです。今後ますます開発が進んでいくことに期待できるのではないでしょうか。
サーバレス(Lambda)
Lambda ミリ秒レベル課金
以前のLambdaは呼び出しにかかった時間を100ミリ秒単位で切り上げて課金していました。つまり、呼び出しにかかった時間が 5 ミリ秒未満であっても、100 ミリ秒分の時間を請求されていたのです。一見すると、これは取るに足らないように思えますが、非常に速い速度で十分な数の呼び出しを行った場合、利用者側のコスト管理が制御不能になってしまう可能性があったのです。そこで、今回Lambdaはミリ秒レベルの粒度での課金を開始し、より正確な課金が可能になりました。
Lambdaメモリを2GBから10GBに増加
Lambda関数の呼び出しに使用できるメモリは2GBに制限されていました。これによって従来はLambda を使って重いメモリベースのワークロードを実行すると、呼び出しのメモリがあっという間に尽きてしまう可能性が高かったのです。しかし今回の発表で、Lambda は利用可能なメモリ量を最大 10GBに増大したので、Lambda には適しているがメモリ制約のために実行できなかったというユースケースの障害が取り払われることになります。ただし、この変更は有料のため、利用の際には注意しましょう。
コンテナ化されたLambda
多くのAWSユーザは、Docker Containersのユーザを通じて実行環境を制御することを好む傾向にあります。この新機能を使うことで、ユーザはここでLambdaの呼び出し用に10GBまでのコンテナを作成して展開することができるようになりました。しかし、あまりにも巨大なデプロイイメージの場合には、コールドスタートの問題にもつながる可能性があるので注意が必要です。
新しいサービス「AWS Proton」
これまでは、コンポーネントの規模が小さくなるにつれてデプロイメントの管理が難しくなってきていましたが、AWS Protonはこの問題を解決するために、サーバレスやコンテナベースのマイクロサービスを一つのアプリケーションとみなすことで、デプロイプロセスの合理化を実現しました。AWS Protonは、ユーザがテンプレートに基づいて「スタック」を定義することで機能します。これらのスタックはほかのチームと共有することができるので、最適な動作環境を一貫して適用することができます。
データストレージ
EBS io2 Block ExpressとGP3のボリューム
EBS(Elastic Block Store)は、EC2とセットで使う、ブロックストレージです。EBS io2ボリュームは、スループットが大幅に向上し、より大きく高速なEBSボリュームとなっています。これらのユニットは、最大サイズ64TBで最大256,000 IOPS、4000 MBpsのスループットを提供します。また、今回の発表と並行して、GP3ボリュームも発表されました。GP3はEBSボリュームの7番目のバリエーションで、前身のgp2の後に登場したものです。GP3は一貫したIOPSパフォーマンスを提供し、MySQLやPostgresデータベースのような低レイテンシーで高パフォーマンスを必要とする構成に適しています。
データベース
Aurora Serverless vr2
Amazon Auroraをオートスケーリング構成で利用できるAmazon Aurora Serverlessですが、新バージョン(Aurora Serverless vr2)がプレビューリリースされました。従来版ではスケーリング時に2倍の容量が供給されていましたが、vr2ではさらに細かく調整してくれるため、ユーザのニーズに適したリソースを提供してくれます。データベースのコスト削減効果は、最大で90%程度見込めるとのことです。
Babelfish for Aurora Postgres
Babelfishは、MicrosoftベースのTSQL方言とAurora Postgres上の伝統的なSQLの両方が利用可能です。この新しいサービスにより、ユーザは SQL Server のインスタンスから Postgres への移行を簡単に行うことができるようになりました。つまり、MicrosoftユーザがAWSに移行する際に直面するベンダーロックインという障壁を取り除くことができるのです。
データ分析
AWS Glue Elastic Views
Glueサービスの新機能のプレビュー開始が発表されました。AWS Glue Elastic Viewsは、開発者がデータベースをあるソースから別のソースに自動的に「投影」することを可能にするものです。以前は、ストリーミングデータをRedshiftに送って分析したい場合、例えばDynamoDBからストリーミングデータをロードするには、パイプラインなどでデータをfirehoseに入力し、さらにそのデータをs3に配信し、最後にRedshiftのS3 Copyコマンドを起動してそのデータをRedshiftに移動したりしなければなりませんでした。しかし、AWS Glue Elastic Viewsを使うことで、AWSはこの複雑な作業を無料で引き受けてくれるようになるわけです。
機械学習(マシーン・ラーニング)
Sagemaker Data Wrangler
Sagemarker Data Wranglerは、機械学習に伴うデータ準備の問題を解決するものです。Data Wranglerを使用すると、開発者はデータストアにデータを簡単にポイントして、データセットに存在するさまざまなデータタイプを認識させることが可能となりました。さらに開発者はデータセットを結合、作成、プレビュー、変換を適用するためのUIを手に入れることができます。
その上、データセットを変換するために必要なインフラストラクチャも自動的にプロビジョニングされ実行されますので、開発者はデータを準備するためのインフラとしてのプロビジョニングやデプロイのセマンティクスを気にする必要もなくなりました。
Sagemaker Feature Store
機械学習モデルは、データにおける特定の側面を特徴づける、いくつかの「フィーチャー(機能・特徴)」で構成されています。フィーチャーストアは、開発者がAWS上にある複数の異なるMLベースのアプリケーションで共有するための機能を作成、保存、共有するためのリポジトリとして機能します。フィーチャーはSagemaker Studioを介して利用できるようにすることで、直感的なUIでさらに簡単にアクセスできるようになります。
Sagemaker pipeline
Sagemaker pipelineは、機械学習のための継続的インテグレーション/継続的デプロイメントパイプラインに関する初めての探索機能です。標準的なCI/CDツールで、ML空間でのイテレーションと開発サイクルの高速化に向けた歓迎すべき改善です。
Amazon Monitron
Amazon Monitronは、予知保全を可能にした、シンプルでコストパフォーマンスが高いサービスです。これによって、機械学習(ML)を使用して産業機械の異常な動作を検出するエンドツーエンドのシステムとして予知保全を実装することが可能となり、予定外のダウンタイム削減を図ることが可能です。
Amazon Lookout for Vision
Lookout for Visionは工業製品などの欠陥を自動的に検知するサービスです。細かい汚れ、キズ、変形などの欠陥品を画像から機械学習で識別可能となります。Amazon RekognitionのCustom Labelというサービスの並列に位置するような内容です。
Amazon Lookout for Equipment
モーターの回転数、温度、水流、圧力など、多岐にわたるセンサーデータを機械学習でリアルタイムに分析するものです。このAmazon Lookout for Equipmentは、機械学習で必要となるモデル構築などの専門知識は一切不要で誰でも利用することができます。
AWS Panorama
オンプレミスのカメラを、コンピュータビジョン(CV)対応の強力なエッジデバイスにアップグレード可能になるシステムです。コンピュータビジョンとは、画像や映像を人の目と同じように解析・処理することが可能な機械学習やAIを指します。工場などで品質検査を自動化や在庫の動きを追跡することなど、製造工程の最適化などのために活用されています。
AWS Panorama Device SDK
これはAWS Panorama SDKと共に利用し、AWS Panorama Applianceと同じエッジAI機能を持ったカメラの開発を可能にするものです。
Amazon CodeGuru PythonとSecurity Detector
機械学習におけるコードレビューサービスであるAmazon CodeGuruがPythonもサポートするようになります。これまではJava と Java virtual machine (JVM)のみでしたが、今回のPythonサポート開始によって、CodeGuru利用者が急増するのではないでしょうか。また、Security Detectorによって開発しているコードに対してリアルタイムなセキュリティアラートの提供が可能となるそうです。
Amazon Connect の改善
新型コロナウイルスの流行に伴い、コールセンターのスタッフが在宅で仕事をする必要性はこれまで以上に高まっています。AWSはこの分野に大幅な投資を行い、コールセンターの構築、管理、運用をさらに容易にするためのいくつかの新しい強化機能を開発しました。
Amazon Connect Wisdom
この機能は、コールが発生しているときに、その場でコールセンタースタッフのためにデータストアからデータを集約します。スタッフは関連する顧客情報を取得するために、複数のツールやデータベースを自分で検索する必要がなくなり、代わりにその情報を自動的に提示してもらいます。
Amazon Connect Customer Profiles
電話がかかる前や電話がかかっている間に、顧客に関するより多くの情報をプロアクティブに取得することができるようになりました。これは、過去の通話履歴を引き出し、その情報をすべて集約してコールセンタースタッフに提供されるというものです。
Amazon Connect Tasks
管理者はコールセンタースタッフのタスクを作成、割り当て、追跡することができます。エージェントの忙しさやシフトの残り時間に基づいてタスクを割り当てることもできます。
Amazon Connect Voice Id
Amazon Connect Voice idは、声のオーディオフットプリント(声紋)を作成し、それを自動的に識別することを可能にしました。これによって、かけてきた相手の名前や住所を確認する必要性がなくなります。
その他
DevOps Guru
昨年度のre:InventではCode Guruが発表されました。これは、バグが本番環境に入るのを防ぐために、コードをリアルタイムにフィードバックするサービスです。DevOps Guruではそれをさらに一歩進めて、顧客に影響を与える前に運用上の問題を特定します。つまり、コード上の問題を認識するだけでなく、問題を解決するための推奨アクションの提案までしてくれます。
推奨アクションは、機械学習モデルを使用して過去の傾向を評価しているという正当性を持ち、リソースの異常を正しく認識することが可能です。それをSNS通知、Cloudwatchのイベント、またはSlackの通知でアラートを受信することもできます。
Quicksight Q
QuicksightはTableauに似たビジネスインテリジェンスツールです。技術者でなくても、テーブルやチャートのライブラリを使用して、使い慣れたユーザインターフェースを介してデータセットを分析・変換することができます。Quicksight Qは、この機能にさらにNLP (Nature Language Processing )を追加しています。NLPを使用することで、ユーザはより自然な言語を使用して検索ボックスにクエリを「自由に入力」し、データを取得して洞察を得ることが可能です。
AWS Outposts in two new sizes
新しいサイズのAWS Outpostsについて発表がありました。
一般的なラックサーバーと同様の1U(1.75インチ=4.445cm)および2U(3.5インチ=8.89cm)で提供されるそうで、かなり小さいサイズでの提供が実現されました。これによって、これまで大きさの問題で導入が難しかった場所(オフィスや店舗、工場、病院など)での利用も可能となります。
AWS Local Zonesの追加
低レイテンシーが必要となる顧客向けに特定リージョンのよりエッジに近い「ローカル」なゾーンを提供するサービスがAWS Local Zonesです。現時点でロサンゼルスに2箇所(us-west-2-lax-1a、us-west-2-lax-1b)存在しています。今回の発表では次の3地域がプレビューとして追加されました。①ボストン (us-east-1-bos-1a) ②ヒューストン (us-east-1-iah-1a) ③マイアミ (us-east-1-mia-1a)。そしてこの3地域に加えて、2021年にはニューヨーク、シカゴ、アトランタを含めた主要都市12箇所に新しいゾーンを追加する予定とのことです。
Wavelength(Tokyo/KDDI、Daejeon/SK Telecom、London/Vodafone)
以下2点が発表されました。
・KDDI in Tokyo and SK Telecom in Daejeon
・ Vodafone in London
日本ではKDDIと連携して東京でのサービスインが予定されているそうです。
他には韓国のDaejong(テジョン広域市)とロンドンです。昨年度のre:Invent 2019でKDDIでのサービス開始自体は予定されていましたが、いよいよ間近に迫ってきたようです。
AWS Partner Keynote
(AWSグローバルパートナー企業の代表者の方々による発表)
AWS SaaS Boost
既存のソフトウェアをSaaSにするためのナレッジや管理機能などが提供されるプログラムです。SaaS Boostにより、企業はソフトウェアのコアな機能に集中しつつ、拡張性を確保し、価値を実現するための時間を短縮できます。
ISP Partner API
独立系ソフトウェアベンダー(ISV)とAWSの営業部門を結びつけることでAWSパートナーを支援し、現金によるインセンティブを提供するAPNパートナープログラムです。
Managed Entitlements for AWS Marketplace
独立系ソフトウェアベンダー(ISV)やコンサルティングパートナーから、プロフェッショナルサービスを購入することが可能となりました。AWS Marketplaceで購入したサードパーティ製ソフトウェアの評価、実装、サポートなどのサービスを選択することが可能です。
Private Marketplace APIs
Private Marketplaceの管理者は、APIを使用して既存のチケット・承認ツールと統合することが可能になりました。管理者はAPIを呼び出して、新しいPrivate Marketplaceを作成したり、認証済みサードパーティ製ソフトウェア製品の表示や追加・削除したり、ブランディングの変更などが可能です。
AWS Service Catalog AppRegistry
AWS Service Catalog AppRegistry は、AWS CloudFormation スタックを収集し、AWS アプリケーションを説明する顧客定義の属性グループ (メタデータ) を関連付ける場所を提供します。これによりCI/CD プロセス内から AppRegistry を呼び出すことで、スタックとメタデータの変更内容を自動更新できるようになりました。
Professional Services in AWS Marketplace
独立系ソフトウェアベンダー(ISV)やコンサルティングパートナーからプロフェッショナルサービスを探して購入できるサービスです。ユーザは、AWS Marketplaceで購入したサードパーティ製ソフトウェアの評価、実装、サポートなどのサービスを選択します。
Competency
サンディー・カーター副社長から発表されたのは「AWS公共安全および災害対応」、「メインフレーム(原題:Mainframe migration)移行」、「エネルギー(原題:Energy)」、「旅行およびホスピタリティ(原題:Travel and Hospitality)コンピテンシー」の4種類のCompetencyです。
・AWS公共安全および災害対応コンピテンシー
天災・人災など、公共安全上の緊急事態にグローバルに準備、対応、復旧してきた実績のあるAPN(AWSパートナーネットワーク)に認定されます。「緊急管理オペレーション」「データと分析」「インフラストラクチャの耐障害性と回復」の基準に基づいた技術支援実績のあるパートナーが対象です。
・メインフレーム移行コンピテンシー
メインフレームアプリケーションとデータの双方をAWSに移行した事業者に認定されます。すでにAWSでは移行コンピテンシーをパートナーに付与しており、それが細分化したものです。
・エネルギーコンピテンシー
石油およびガス資産などエネルギー業界に対しコスト削減などに貢献したパートナーが認定対象です。
・旅行およびホスピタリティコンピテンシー
厳しい1年となった旅行業界への支援実績をもつパートナーが認定対象となります。
Machine Learning Keynote
(AWSが提供する機械学習の最新の進歩についての発表、Andy Jassy KeynoteでのMachine Learningに関する発表内容との重複なし)
Deep Profiling for SageMaker Debugger
昨年発表されたSageMaker Debuggerのアップデート機能です。これより、ハードウェアリソースの使用で引き起こされるトレーニングの問題を容易に特定、修正することが可能になりました。導入プロファイルでは、CPU・GPU、RAM・GPURAM、ネットワークI/O、ストレージI/Oなどのメトリックを収集、レポート生成、プロファイリングルールに基づいたイベントトリガが可能です。
Amazon SageMaker Clarify
学習用データセットに含まれる、ビジネス、倫理、および規制に影響するようなバイアスを含むデータを検出し、その値の影響を抽出します。また、Amazon SageMaker Model Monitorと統合することで、バイアスドリフトと特徴重要度ドリフトを継続的に検出可能です。
Amazon SageMaker Edge Manager
Amazon SageMakerの新機能です。エッジデバイスでの機械学習モデルの最適化、監視、保守を容易化します。
Amazon SageMaker Neoで最適化されたモデルをエッジデバイスにデプロイ、それらをSageMaker Edge Manager ManagerAgentによって管理します。
Amazon Redshift ML (Preview)
Amazon Redshift上で実行されるSQLクエリを用いて機械学習モデルを作成、トレーニング、デプロイすることが可能です。 学習用データセットの抽出からモデルの学習まで、機械学習に必要な処理を一つのSQL文に閉じた形で記述・実行することが可能なので、管理リソースや処理スコープを簡潔にすることが可能です。
Amazon Neptune ML
グラフ専用の機械学習(ML)手法であるグラフニューラルネットワーク(GNN)を使用する新機能です。GNN使用時は、スタンフォード大学の研究に基づく非グラフ手法を使用して予測を行う場合と比較すると、予測の精度を50%以上向上させることが可能となります。
Amazon Lookout for Metrics (Preview)
AWS上のデータソース(S3, CloudWatch, RDS, Redshift)だけではなく、サードパーティのSaaS(Salesforce、Google Analytics、Slack、Zendeskなど)をデータソースとして、高精度な異常検知が実行できるサービスです。単純なアラート通知のみならず、根本原因の解析も可能です。
Amazon HealthLake (Preview)
こちらはフルマネージドのHIPAA適格サービスです。多岐にわたる形式で医療機関に保管された複雑構造データを一元化されたデータレイクに集約可能としました。
Infrastructure Keynote
(AWS グローバルインフラストラクチャ&カスタマーサポート担当シニアバイスプレジデントPeter DeSantis氏による発表)
「Macインスタンス」の仕組みについて説明がありました。
Macインスタンスは、Mac miniとNitroコントローラの組み合わせによって実現されたもので、AWS独自システムであるNitroコントローラによりサーバはそれらの余計な処理から解放され、セキュアなコネクションを維持しつつも能力を100%発揮できるようになる、という内容でした。
Werner Vogels Keynote
(Amazon.comの副社長兼CTOであるWerner Vogels氏による発表)
AWS CloudShell
マネジメントコンソールから使用できるブラウザベースのシェルです。コンソールへのログイン時と同じ資格情報によりあらかじめ認証された状態で、インストール済みのAWS Command Line Interface (CLI)を使用して、Amazon Linux 2環境にログインして実行します。永続的ストレージは、リージョンごとに1GBに制限されます。
AWS Fault Injection Simulator
Well-Architected Frameworkの設計の一部となったカオスエンジニアリングのサービスで、2021年の早期に提供するとのことでした。カオスエンジニアリングは、システムに対して何らかの破壊的な事象を発生させ、そこで弱点を見出し影響が出る前に改善するという手法です。
AWS Fault Injection Simulatorでは、AWSサービス全体で制御されたカオスエンジニアリングの実験をセットアップして実行するプロセスを簡素化します。
Amazon Managed Grafana
フルマネージド型のGrafanaで、データの可視化が可能となります。AWSが管理するGrafanaで複数のデータソースを使用しつつ運用メトリクス、ログ、アプリケーションの追跡結果に対してクエリや相互関連付け、可視化を瞬時に可能にしました。
Amazon Managed Prometheus
フルマネージド型のPrometheusです。コンテナ化されたアプリケーションの大規模なモニタリングを、AWS管理のPrometheusを利用することで可能にします。
富士ソフト アマゾン ウェブ サービス (AWS)のご紹介