IoTの本格展開につきものの様々な難題を総合的にサポートするインテグレーターに注目
製造業にとって、既存製品に大きな付加価値を与えると期待されるIoT。製品のスマート化には多くのメーカーが取り組んでいるが、いざ本番サービスを開始しようとすると、PoCでは生じなかった新たな課題も少なくない。
森田 和明(エリア事業本部 インテグレーション&ソリューション部 第3技術グループ 主任 / シニアマスター)
※この記事は、Tech Factory、キーマンズネット掲載コンテンツを再構成したものです。
いよいよ普及期に突入しつつあるIoT しかし本番サービス提供には新たな課題も
いよいよ普及期を迎え、一般社会への浸透が始まりつつあるIoT(Internet of Things)。日本の製造業などでも、コンセプトモデルや実証実験といった段階から一歩進んで、実際の製品にIoT機能を組み込んで本格的に販売を始めようとしているところが増えてきた。
すでに、IoTに関連した各種コンポーネントやクラウドサービスなどが、数多く存在している。それらを適切に組み合わせて取り入れることで、製品やサービスにIoTとしての機能を容易に組み込むことができ、PoCの段階までは割とスムーズに進むことが可能だ。しかし一方で、いざ本番サービスを展開しようとすると、実は新たな課題に直面するケースも少なくない。
具体的に考えてみよう。あるメーカーが、以前から作ってきた製品にセンサーや通信機能を組み込んで、新たにスマートプロダクトを作ろうと企画しているとする。センサーで取得した情報をマイコンで処理し、消費者の宅内にある無線LAN環境などを通じて通信、クラウドサービス上に立ち上げた情報収集・分析システムで解析を行い、消費者やメーカー自身のためになる知見を得ようといったところだ。
これを実際の製品・サービスとして販売したとき、消費者からはIoT機能にまつわる様々な問い合わせ、トラブル相談などが持ち込まれる可能性が高い。「無線LANに接続できない」「インターネットには接続しているはずだが、正常に通信できていないようだ」「IoT製品にエラーが表示されている」といった様々な問い合わせが、メーカーのコールセンターに寄せられてくることだろう。IoTにまつわる多種多様なトラブルを、メーカーのサポート窓口が処理しなければならない。
また、製品の種類によって差はあるものの、スマートプロダクトも非IoT製品と同様に何年間も使われることになる。メーカーはその間ずっと、IoTのサービスやサポートを提供し続ける必要がある。とりわけ注意すべきなのが、製品に採用したモジュールやサービスに対するセキュリティだ。数年の間には、それらの中に少なからぬ脆弱性が発見されることだろう。消費者がスマートプロダクトを安全に使い続けられるよう、セキュリティアップデートも提供しなければならない。
デザインや開発・システム構築はもちろん 顧客サポートも支援するサービスが登場する
このような顧客サポートの課題に、製造業をはじめとする多くの企業が直面している。もちろん、スマートプロダクトだけでなく、スマートホームやスマートファクトリーなどの分野でも課題は共通する。こうしたメーカー側の状況を踏まえ、新たにIoT本番環境を見据えた支援サービスを手掛けようとするインテグレーターも登場してきた。
富士ソフトは、IoT製品やサービスを新たに手掛けようとするメーカー等に向けて、スマートプロダクトのデザインから、実際の製品やサービスの開発・システム構築などを支援する包括的なソリューションサービス「IoTプラットフォーム on AWSトータルソリューション」を提供している。このソリューションの一環として新たに、「IoTサービス運用センター」を構想中で、早期リリースを行う計画だ。
具体的には、「サービス監視」「セキュリティ対策」「サービスの最新化」という3つの機能を持つIoTサービス基盤通じて、IoTの本番サービス展開を支援するという。例えばサービス監視においては、様々なベンダーの製品を組み合わせて構築されたIoTサービス基盤に対し、デバイスからクラウドまでの環境全体、サービス状況などを総合的に監視し、もし何らかの障害が生じた場合には問題の切り分けも行う。
これにより、スマートプロダクトを販売するメーカー側も迅速な対応が可能になる。富士ソフトは、ハードウェア販売も手掛けており、ハードウェアメーカーとのつながりも多く、ネットワーク機器のかけつけ保守なども支援することができ、スマートプロダクトの顧客サポートを包括的に代行できる体制をもつ。それに加えて、様々なデバイスやコンポーネント、ネットワーク機器に対するアップデートを適時適切に実施してセキュリティを担保するほか、クラウド上の最新テクノロジーを取り入れたサービスの機能アップデート提案なども行える。
そもそも富士ソフトは、古くから制御系システムを得意としてきたインテグレーターで、スマートデバイスに組み込むシステムの開発は得意とするところ。加えて近年ではアマゾン ウェブ サービス(AWS)をはじめとするクラウドサービスを活用したシステム開発を数多く手掛けてきた。
クラウド上で提供されているIoT関連の最新テクノロジーにも精通しており、多様なスマートプロダクトや大和ハウス工業のスマートハウスなどの支援実績も豊富で、同社のホームページでも事例を複数公開している。それらのIoT関連の実績からAWSの「IoTコンピテンシー」認定もコンサルティングパートナーとして国内初の取得をしているほどだ。
加えて同社は、サービスデザインやUIデザイン等のクリエイティブを支援する「たかきデザインオフィス」を設置。スマートプロダクトにおいても、優れたデザインを提供しようとするメーカーの支援が可能だ。富士ソフトのIoTプラットフォーム on AWSトータルソリューションは、AWSが持つIoT関連の様々な先進機能を生かした開発・構築を軸として、デザインから保守まで、スマートデバイスにまつわる幅広い内容の支援が期待できそうだ。
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