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Windows Insider Meetup in Japan 2019 with 法人企業に参加しました

はじめまして。今回は現在金融系のお客様にMicrosoft製品の導入を行っている三沢が、Windows Insider Meetup in Japan 2019の参加レポートをお届けしたいと思います。

企業の業務遂行にあたって必要不可欠といってよいほど普及しているWindows PC。企業のIT部門関係者の多くが認識されていることと思いますが、PCに搭載されるWindowsは、Windows 8までの3年の更新スパンを変更し、Windows 10から随時更新型のOSとして生まれ変わり、現在は半期に1度世代が上がっています。この変化で、PCを統活するIT部門では、半期毎にOSが更新されていく状況に追いついていくことが重要となっています。

4月にWindows Insider Meetup in Japan 2019が開催され、Windowsの最新情報をいち早くキャッチできるWindows Insiderのメンバーが一堂に会しました。

Windows Insider Meetupとは

さて、皆さんはWindows Insider Programをご存知でしょうか。

Windows Insider Programとは、Windows Insiderのメンバーに一般公開前のWindows 10の最新機能へのアクセスを特別に許可し、Microsoftの技術者と協力してアプリケーションの品質向上を目指すプログラムです。Windows Insider Programに登録することで、Microsoftの技術者へ直接フィードバックすることが可能になります。

Windows Insider ProgramはMicrosoftユーザであれば誰でも参加でき、個人用もしくは職場アカウントで登録できます。職場アカウントで登録するとWindows Insider Program for Businessのメンバーとなり、さらにAzure AD のアカウントの場合、組織としてのフィードバックの送信と追跡、組織固有のWindowsの開発サポートが可能になります。Insider Preview ビルドを組織内で一元管理することも可能です。

Windows Insider Program参加者に向けて年1回、マイクロソフト社主催でMeetup イベントWindows Insider Meetup in Japanが開催されており、さらに法人企業で Windows 10 や Windows Insider Program の活用を検討されている方へ向けて、Windows Insider Meetup in Japan 2019 with 法人企業も開催されました。今回は、Windows Insider Meetup in Japan 2019 with 法人企業の内容をご紹介します。

主な議題

Windows Insider Programのフィードバックのプロセス

企業では、業務がロールに基づいて行なわれます。Windowsの展開も同様で、ロールに基づいてバージョンアップを実施します。組織の中でロールの担当者が変わっていく状況を考慮し、バージョンアップへの道筋をつけていく必要があります。そのため、Windows Insider Meetupでも、Windowsの次期バージョンの導入展開に関する議題が中心となっていました。

Windows Insider Programにおけるビルド配信やフィードバック、そのフィードバックに基づく改善の流れを示した資料が図1と図2です。日本の開発チームは、IME周りやクリップボード、絵文字などの便利機能を中心に担当しているそうで、些細なことでもどんどんフィードバックしてもらいたいということでした。

(※ 図1)ビルド配信 のタイミングとフィードバック

(※ 図2)フィードバックに基づく改善の流れ

Windowsアップグレードに関する企業向けの取り組み

Windowsが定期更新されるWaaS(Windows as a Services)に関する新たな試みについての説明もありました。Windows 10 Version 1709以降では、差分更新(UUP:Unified Update Platform)という新たなバージョンアップの仕組みが提供されました。Windows Update (for Business)では、変更されたファイルのみをダウンロードすることでISOメディアの50%以下へのデータ量削減を目指して次期Windows 10の開発を進めているようです。特にネットワーク内に存在するPCの絶対量が多い企業では、こういったネットワークトラフィックの削減が重要なポイントとなっていくのかと思います。

機能更新プログラム(Feature Update)のサイズ

また、リリース後のフィードバックを受けて、機能更新プログラム適用時の所要時間を削減する取り組みも実施されています。バージョンアップ作業では、できるだけユーザがPCで作業している間(OS稼働中)にバックグラウンドで更新するように処理の流れが変更され、更新時におけるユーザの作業負荷も削減されています。

機能更新プログラム適用時の所要時間削減

企業が意識すべきこと

そのライセンスは有効ですか?

Windows 10のInsider Programが実施されている背景として、環境の変化にいち早く対応する必要があるという点について触れられていました。昨今の働き方改革に合わせてPCの用途が変化しているという機能面の観点もありますが、特に法令順守の考え方についての説明が印象に残っています。

Windows 10をWindows 7にダウングレードしているケースについて、マイクロソフト社も個別にフォローアップの説明を開始していますが、検討や対応が十分ではないケースも多いのではないでしょうか。Windowsのダウングレード権を利用してWindows 7を利用していると、Windows 7のEOS(End of Services)でダウングレード権が消滅する場合があります。その場合、ダウングレード前のOSへアップグレードするか、もしくは、Windows 7の継続利用が必要な場合はVolume License版のWindows 10を購入したうえでWindows 7へダウングレードする必要があります。

Windows 10プレインストールモデルのダウングレード権

▼マイクロソフトソフトウェアライセンス条項 WINDOWS オペレーティングシステム
https://www.microsoft.com/en-us/Useterms/OEM/Windows/10/Useterms_OEM_Windows_10_Japanese.htm

サポートは有効期間内ですか?

Microsoft OfficeとWindows OSのサポート期限についても、セキュリティや可用性の面から意識しておくことが重要です。一般的に、Microsoft Office製品はサポート期限内であればセキュリティ更新パッチがリリースされるため安心だと認識されているように思われますが、製品のサポート対象OSについては意識しているでしょうか。

特に、Office 365 ProPlusはWindows Server 2019ではサポートされないことは意識しておきましょう。Windows Server 2019を用いてマルチセッション型仮想デスクトップを提供する場合に、Office 365 ProPlusの導入を検討されているケースも多いかと思います。ライセンスの有効性とは異なり、サポート対象外のOSであっても規約違反とはなりません。しかし、今のところ問題なく動作していても、「セキュリティ向上のためにパッチが提供されたら動作しなくなった」というケースも考えられます。業務の継続性の観点からもOSが製品のサポート対象範囲内かどうかを意識しておくことが重要となります。

最後に

Windows Insider Meetup in Japan 2019では、Surface Hubがホワイトボードとして活用され、Twitterのタイムラインも表示されていました。また、今回初めて託児コーナーが設けられ、子ども連れにも優しいイベントです。軽食も提供され、和気藹々とした雰囲気で参加することができました。

Windows Insider Meetup カップケーキ

PCなど、ユーザに最も近い端末は、セキュリティの観点や生産性向上の面から今一番熱いテーマです。トレンドなど有用な情報を入手し活用していくためには、相応のパワーが必要です。今後もこのような機会を活用し、最新情報をお届けします。

富士ソフトは、Microsoft製品・サービスの提供においても、お客様の一助となれるよう技術力の向上に努めてまいります。

富士ソフトのMicrosoft ソリューションについて、詳しくはこちら
Microsoft ソリューション

 

 

この記事の執筆者

三沢 友治Tomoharu Misawa

金融事業本部
フィナンシャルIT事業部 金融ソリューション部
副部長 /
エグゼクティブフェロー

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