ペーパーレス会議を始めよう!
働き方改革に取り組む中で、業務効率化やコスト削減の観点からペーパーレス会議の導入を計画している方も多いのではないでしょうか。
私はペーパーレスシステムmoreNOTEの製品担当者、また文書管理士として、日頃よりお客様のペーパーレス化を支援しています。そして私自身も日々、自社でペーパーレス会議を行っています。今回は、その中で得られた事例やお客様の声を参考に、ペーパーレス会議のメリットとデメリットをご紹介します。
目次
・ペーパーレス会議のメリット
・ペーパーレス会議のデメリット
・「働き方改革」の観点から考えるペーパーレス会議の効果
・ペーパーレス会議導入を成功させるためには
ペーパーレス会議のメリット
①会議資料準備の手間が削減できる、差し替えが簡単
資料の印刷、配布、差し替えなど、会議準備にかかる手間は膨大です。ペーパーレス会議を導入したほぼ100%のお客様が効果として挙げられるのは、この「準備の手間がなくなった」という点です。
日頃、私が接するお客様の中にも、会議前日は遅くまで残業していた方が非常に多くいらっしゃいます。規模や業界を問わず多くの企業で「会議準備の軽減」が課題になっているように感じます。会議のペーパーレス化により削減できた時間を別の作業にあてられて勤務時間が削減できれば、これはまさに働き方改革における長時間労働の改善や効率化といえますね。
参考:会議事務局の作業が大幅に削減!西松建設株式会社様の事例
https://www.morenote.jp/archives/452/
②会議参加者の資料視認性や検索性がアップ
紙資料からタブレットを利用するペーパーレス会議に切り替えると、資料をカラーで鮮明に表示でき、小さい文字を大きく拡大して見ることもできます。また、キーワード検索ですばやく見たいページを探すこともできます。
文書の劣化や紛失も気にする必要もなくなりますし、これらはまさにデジタルならではのメリットですね。
このメリットは、「もともと効果を狙って導入したわけじゃないけど、使ってみてわかった!」というお客様の声が多いポイントでもあります。ペーパーレス化の導入効果を「費用削減・効率化」と掲げると、なかなか気付きにくいですが、「むしろ紙よりデジタルの方が見やすい!」ということを導入後に実感されるようです。
③印刷代・紙代・保管代などのコスト削減
ペーパーレス化したことで得られる効果では、コスト削減が一番わかりやすいのではないでしょうか。
自社でもペーパーレス会議を導入していますが、以下の画像の通り、1か月で100万枚以上の会議資料がダウンロードされています。仮にこれを全て一枚10円でカラー印刷したとすると、1000万円以上の費用が削減できたことになります。
ペーパーレス会議を導入するとどれほどの紙資料が削減できるのか、moreNOTEのサイトでシミュレーションできますので試してみてください。
https://www.morenote.jp/simulator/
④セキュリティリスクの低減
紙の資料は、何枚印刷されて誰に渡ったかを追跡することもできなければ、紛失したことにさえ気付かないこともあり、情報漏洩などのセキュリティリスクをはらんでいます。
ペーパーレス化することで、アクセス制限や閲覧期間の管理、ログによる追跡ができ、確実に情報セキュリティリスクの低減につながります。
ここまで多くのメリットをご紹介しましたが、デメリットももちろんあります。
その中にはICTデバイスの進化で解決できるものもありますので、あわせてご紹介しましょう。
ペーパーレス会議のデメリット
①手書きしにくい
これまで紙資料であれば簡単にできていた資料の赤入れや会議中のメモ書きなどが、ペーパーレス会議だとタブレットにきれいに文字が書けなかったり、書き心地が悪かったりすることがあります。私自身もペーパーレス会議で最初に使いづらさを感じたのはこの「手書きしにくい」でした。
この点については、ペン操作に優れたタブレット端末が昨今多く登場し、飛躍的に手書きの操作性は上がっています。
②資料を並べて見比べることができない、一覧性にかける
紙の資料だと、複数の資料を並べて俯瞰的に閲覧することができますが、ペーパーレス化することで、デバイスの画面範囲内でしか閲覧できなくなってしまいます。
③すぐに閲覧できない
ペーパーレス化すると、閲覧用のデバイスを起動する手間がどうしても発生します。
例えば、価格表とか座席表とか「今すぐ見たい!」と思う時には若干じれったく感じます。
④ITリテラシーが要求される
これまで慣れ親しんだ紙からいきなりタブレットやPCで会議をするとなると、操作が不安だったり、抵抗感があったりする方も多いのではないでしょうか。とは言え、スマートフォンが普及したことで、最近はiPadなどのタブレット操作に抵抗を感じない方も増えてきたように感じます。
「働き方改革」の観点から考えるペーパーレス会議の効果
最近、働き方改革をきっかけとしてペーパーレス会議を導入する企業が、非常に多くなっています。ではここで、なぜ「働き方改革」→「ペーパーレス会議」なのか、先に挙げたメリットが働き方改革において本当に効果があるのか、考察してみたいと思います。
改めて、ペーパーレス会議のメリットを以下に記載します。
①会議資料準備の手間が削減できる、差し替えが簡単
②会議参加者の資料視野性や検索性がアップ
③印刷代・紙代・保管代などのコスト削減
④セキュリティリスクの低減
業務効率化、生産性向上は働き方改革の重要な要素です。メリットの①から③は業務効率化、生産性向上に大きな効果が期待できますので、ペーパーレス会議の導入は働き方改革に貢献すると考えてよいでしょう。
さらにもう一点。
皆さんは、以下のような経験はないでしょうか。
・家庭事情により在宅勤務することになったので、参加予定だった会議をリスケした
・会議資料がどこかに紛れてしまい、部下に情報が展開できない
・資料を上司に手渡しできなかったので、明日の決裁に間に合わない
私は日頃、生産性の向上とビジネス(決裁)スピード向上を目的として、自宅や出張先で隙間時間にテレワークを活用し作業を行うことがあります。そこで感じるペーパーレス会議の効果は、「紙の場所に依存しない働き方ができる」という点です。
例えば家庭事情で在宅勤務する場合、自宅から社内会議に参加できます。もちろん、出張先でも会議に参加できますし、遠隔地から部下に資料を展開し、チームミーティング等も行っています。
移動中の電車の中でも会議資料をチェックすることも可能です。
自社では、社内会議が全てタブレットでのペーパーレス会議になったことで、先ほどの非効率な経験がなくなりました。
さて、デメリットはどうでしょう。
①手書きしにくい
②資料を並べて見比べることができない、一覧性にかける
③すぐに閲覧できない
④ITリテラシーが要求される
働き方改革の観点でみると、ペーパーレス会議にはこれらデメリットを補って余りある貢献度が期待できるのではないでしょうか。一般的に働き方改革の実現にはペーパーレス化、ペーパーレス会議は重要と言われますが、本当にその通り、と言わざるを得ないようです。
ペーパーレス会議導入を成功させるためには
最後に、ペーパーレス会議をこれから導入される予定の方に成功させるためのポイントをご紹介します。
■初めから全てをペーパーレス化しない
会議をペーパーレス化されるお客様には、まずあまりこだわりすぎず、必要なものは印刷する、という運用をおススメしています。最初から全てをペーパーレス化することにこだわってしまうと、次のような事態が発生する可能性があるからです。
・運用ルールが面倒になる、ルール作成に時間がかかりペーパーレス会議の導入が頓挫する
・ペーパーレス化すること自体に嫌気がさしてしまう
・会議参加者から反発が出る
例えば、これまでA4で印刷していた資料はペーパーレス化しタブレットで閲覧するようにし、A3の図面だけは印刷する、という運用でもいいと思います。
利用が進むと資料の作り方を工夫することで大きな紙に印刷する必要がなくなり、最終的に全てペーパーレス化できる場合もありますし、試しにタブレットで見てみたら意外にもそれで十分だった、ということもあります。
会議のやり方や資料の作り方は、企業によって異なります。まずはペーパーレス会議を使ってみないことにはわかりません。利用していく中で少しずつ運用改善を重ねていくと、きっとスムーズなペーパーレス会議が実現するでしょう。そして参加者も徐々に慣れていき、逆に紙の会議が煩雑に感じるようになるはずです。(当社のペーパーレス会議システム「moreNOTE」は2013年に提供を開始していますが、これまでにご利用いただいているお客様の中で、「ペーパーレス会議から紙の会議に戻します」というお客様は1社もいらっしゃいません。)
■操作感や運用が自社に合うデバイスやシステムを選ぶこと
まずは今の会議をそのままペーパーレス化したときに必要な要件を洗い出します。次にその要件が実現できるシステムを選定しますが、その際ぜひ慎重に選んでいただきたいのが、デバイスの操作感です。そのためには、システム選定部門だけでなく、会議参加メンバーが事前にトライアルすることが非常に重要です。
要件に合う機能面だけでシステム設定すると、結果として使いづらいペーパーレス会議となってします。会議の運用に支障をきたす可能性があるだけでなく、企業内でのペーパーレス会議促進の鈍化につながります。
■まずは小規模な会議からスタート!
全社でペーパーレス会議を始めたいけど予算確保も推進も時間がかかる・・というお悩みをお持ちの方も多いようです。そんな企業様にお勧めしているのは、まずは役員会議など定例化された10名~30名ほどの会議で実施し、徐々にペーパーレス化する会議を増やすという方法です。1つの会議の運用ルールを別の会議にも展開し、徐々に利用する人を増やすことで導入準備の手間が軽減されますし、ぐっと推進しやすくなります。
いかがでしたでしょうか。私たちは、日々ペーパーレス会議を実践しつつ、こちらのコラムではお伝えしきれなかったペーパーレス会議のメリットや効果などをお伝えしながら、ペーパーレス会議導入の支援を行っています。働き方改革に取り組みたい、ペーパーレス会議を導入したいとご検討の際にはぜひご相談ください。