はじめに
AWS Ambassadors 2年目、インフラエンジニアの安斎です。
昨年に引き続きラスベガスで開催されている「AWS re:Invent 2023」に参加しています。
今回はKeynoteで発表されたAWSの新しいサービス「Amazon Q」について、Keynoteの内容だけでなく、現地で聞いた情報も含めてレポートします。
Keynoteの発表
Keynoteでは新しいAWSのサービスとしてAmazon Qのリリースが発表されました。
ChatGPTの様にプロンプトを通じてAmazon Qと対話することで、ユーザがAWSを利用する手助けをしてくれるサービスです。
サービスのローンチ発表の後にAWSコンソールを見ると、Amazon Qが画面右側に表示されていました。
Amazon Qは何ができるのか
Keynoteでは以下の発表がありました。
AWS上の問題のトラブルシュート
→例えば、AWS上のLambdaとDynamoDBを連携しようとした際にLambda側で発生したトラブルについて、その原因としてパーミッションがないと回答しています。さらに、どういった権限を追加すればいいのか、解決方法まで回答しています。
これは、従来、AWSに知見のある人にしか回答できない内容でした。しかし、Amazon Qを利用することで、このようなトラブルシュートが誰にでもできるようになる可能性があります。これは凄いことです。
Amazon Q Code Transformationによるコードのアップグレード
→Java 8 および 11 アプリケーションを、Java Long-Term Support (LTS) リリースのバージョン 17 にアップグレードできます。
データソースを基にしてビジネス課題への質問に回答する
→Amazon S3、Google Drive、Salesforce、Microsoft 365等様々なデータソースに対応している為、データから得たインサイトを、プロンプトを通じて掲示します。
クラウドの設計サポート
→例えば、「AWS上で1日あたり100,000リクエストを処理するデータベースと連携が必要なAPIを構築したい」と具体的な数値を入れてリクエストを投げると、そのリクエストに見合ったアーキテクチャをベストプラクティスに則って作成します。
これはもはやAWSの技術者が要らなくなるレベルではないでしょうか。
IDE との統合
→Visual Studio Code および JetBrains IDEとの統合が可能(現時点)
考察
Amazon Qはまだ発表されたばかりでプレビュー版ですので、これからユーザのフィードバックを受けて更にアップデートや機能が追加される可能性がありそうです。
私も、Python2系から3系への書き換えを実施した際は大変苦労しました。Amazon Q Code Transformationを利用できれば、開発者の負荷を大きく軽減できるのではないかと期待しています。
Amazon Qの機能として、新しくAWS上に構築するアーキテクチャについてはW-Aやベストプラクティスに則って利用可能なサービスを選定し、かつ構築もできる機能が提供されます。もちろんこれらの機能はクラウドサービスを利用するユーザを支援する位置付けと理解しています。我々SIerもこれまでより素早い開発に使用できるか、検証してみたいと思います。
re:Inventの会場でAWSのAmazon Qの担当者と会話する機会があり、日本語対応をリクエストしました。既にあるリージョンの言語にも対応することで、さらにAmazon Qのユーザが増加するのではないか、といったフィードバックもできました。
今後のAmazon Qについては、ランタイムのアップデートで現在対応できていないJava以外のメジャーなコードも更新をサポートする予定と伺いました。これからに期待したいと思います!
富士ソフトのAWS関連サービスについて、詳しくはこちら
アマゾンウェブサービス(AWS)