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米UiPath社主催のグローバルイベント「FORWARD Ⅵ」参加レポート ~UiPathの各製品群に生成AIを搭載した最新機能「UiPath Autopilot」が登場! AI活用の自動化でイノベーションの新時代到来か~

米UiPath社主催のグローバルイベント「FORWARD Ⅵ」参加レポート ~UiPathの各製品群に生成AIを搭載した最新機能「UiPath Autopilot」が登場! AI活用の自動化でイノベーションの新時代到来か~

UiPath Forward Ⅵとは、米国UiPath本社が主催するオートメーション業界最大のグローバルカンファレンスです。今年で6回目の開催となり、全世界から4,000名以上が来場しました。開催場所は、米国ラスベガスにあるMGM Grandで、2023年10月9日(月)~12日(木)まで開催されました。私も昨年に引き続き、現地でイベントに参加しました。今回は「AI at Work」をテーマに、AI を活用した自動化がイノベーションの新時代を迎えるに相応しい数々の発表がありました。
その中でも特に脚光を浴びたのは「UiPath Autopilot」です。本コラムでは、この新機能にフォーカスして紹介します。

UiPath Autopilotとは

UiPath Autopilotとは、UiPathの各製品群に生成AIやUiPathオリジナルの特化型AIを搭載した機能であり、これにより、自動化をより簡単に、そしてスピーディに実現できる、これまでにない革新的な製品へ進化します。実際にデモンストレーションも行われ、その魔法のような動きに多くの参加者が魅了されました。
そこで、UiPath Autopilotが搭載される製品群がどのように進化するのか、概要を紹介します。

Autopilot for UiPath Assistant

ユーザーのアシスタントとして作業を協働するロボットの実行ツール「UiPath Assistant」にAutopilotが搭載されます。生成AIでテキストベースの自然言語によるリクエストをしたり、特化型AIで情報を取り込んだりして、次々とタスクを実行できるAIコンパニオンに進化します。タスクは既存の自動化を検出し、学習により、つなぎ合わせたアクションとしてレコメンドされます。もし該当する自動化がない場合も、その場で生成して実行することが可能です。まさに、頼もしいアシスタントが手に入ると言った印象です。

Autopilot for UiPath Studio

Web ブラウザー上でワークフロー開発が可能な「UiPath Studio Web」はまだ登場して間もないのですが、早くもAutopilotが搭載されます。生成AIでテキストベースの自然言語の説明からワークフローを自動生成できるため、更に簡単に、そしてスピーディに自動化できます。自動化が誰でも取り組める身近な存在になりそうです。

Autopilot for UiPath Apps

ローコードで開発可能なアプリ開発ツール「UiPath Apps」にAutopilotが搭載されます。フロントエンドは生成AIでドキュメントに記載されているスクリーンショットに基づいて自動生成されます。そこから繋がるバックエンドの処理はApps内のテキストプロンプトの作成指示、「UiPath Studio Web」で処理が自動生成され、そこからいくつか設定をすることで、アプリを提供できるようになります。これまでになく簡単で、スピーディなアプリ開発の手段を体験できそうです。

Autopilot for Test Suite

テスト革命の可能性を感じさせ、個人的に真のテスト自動化と言っても過言ではないと考えている、私が最も期待している機能です。Webベーステスト管理ツールのTest ManagerにAutopilotが搭載され、生成AIで要件からテストケース・テスト手順を自動生成できるようになります。加えて、UiPath StudioにもAutopilotが搭載され、テスト手順から生成されたコメントを基に生成AIでテストコードも自動生成できるようになります。蓄積されたテスト実行結果もAIで分析できるなど、一連のテスト作業が自動化できるようになります。

  1. Test Managerのテスト要件からテストケース・手順を自動生成

  1. テスト手順からコード(コード化されたワークフロー)を自動生成

  1. 蓄積されたテスト実行結果もAIで分析

その他、UiPath Communications MiningやUiPath Process Mining等にもAutopilotの搭載が予定されているようです。

AI技術を安全・安心に活用するためのUiPath AI Trust Layer

近日、UiPathの各プロダクトが活用する生成AIに対する共通GW基盤がリリースされるようです。Responsible AIの原則にのっとり、信頼(Trust)、透明性(Transparency)、管理(Control)が確保されます。

AIテスト自動化についてUiPath Test Suiteの製品責任者とミーティングを実施

日本のテスト自動化の普及が遅れている背景と、その課題を解決するための製品機能の要望についてディスカッションするために、現地でUiPath Test Suiteの製品責任者 Gerd Weishaar氏とミーティングを実施しました。
テスト自動化は、アジャイル型や運用保守等でリグレッションテストを繰り返す活用がセオリーとされています。しかし、日本ではSIベンダーが請負契約でシステムを開発するケースが多く、現在もウォーターフォール型の開発手法が圧倒的に多く繰り返しテストが少ないことから、テスト自動化の効果が出にくいという側面があります。
そこで、ウォーターフォール型の開発でも、テスト自動化の効果が発揮できれば良いと考えました。生成AIを活用して仕様書・設計書を読み込み、テスト項目とテストデータを抽出。ジェネレータを通してテストコードが自動生成され、一連のテスト作業を自動化するといった提案を持参しました。偶然にも、今回のAutopilot for Test Suiteが、それに相当したものでした。もちろん、Autopilot for Test Suiteであれば、従来のテストライフサイクルのあらゆる段階を加速することも期待できます。

ラスベガスでのディスカッションの様子

また、2023年10月24日(火)に開催されたFORWARD Ⅵ JapanにUiPath Test Suiteの製品責任者Gerd Weishaar氏が来日された際にも、引き続きAIを活用したテスト機能について、ディスカッションしました。従来のテスト自動化では難しかった、人間であれば暗黙的に判定できる検証作業を模倣する機能や、同様に人による抽出や判定が必要となっていたテスト周辺作業の自動化についても、活発な意見交換を行いました。

UiPath Test Suiteの製品責任者が来日された際のディスカッションの様子

さいごに

テスト自動化の新時代の幕開けは、もうすぐそこまで来ているかも知れません。
富士ソフトはUiPath Test Suiteにおける国内トップパートナーとして、
自社プロジェクトでも積極的に活用し、UiPath社へのフィードバックにも取り組んでいます。
今後も富士ソフトはUiPath社とのパートナーシップのもと、より良い製品をユーザーの皆様へお届けできるよう、取り組んで参ります。

※ UiPathは、UiPath社の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

RPAソリューション UiPathについてはこちら
UiPath - RPAソリューション

 

 

この記事の執筆者

塩見 潤Jun Shiomi

エリア事業本部
西日本支社 インテグレーション&ソリューション部
ITアーキテクトグループ
課長 / フェロー

RPA UiPath