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2024年3月1日

3D OPPORTUNITY MASTER FUND様が公表したプレゼンテーション資料についての
当社の見解


 当社は、株主である 3D OPPORTUNITY MASTER FUND 様(以下、 3D Investment Partners Pte. Ltd. と併せて「3D社」といいます。)から2024年3月15日開催予定の当社定時株主総会における議案について株主提案(以下「本株主提案」といいます。)を行う旨の書面を受領しております。それに対して、当社の取締役会は、 2024年2月14日開催の取締役会において全会一致で本株主提案に反対することを決議しております。詳細は同日公表の「株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ」(https://www.fsi.co.jp/company/news/20240214_1.html)をご参照ください。

 そのような中で、3D社は2024年2月に「富士ソフトの企業価値最大化に向けて」と題するプレゼンテーション資料(以下、「3D社プレゼン」といいます。)をインターネットにて公表しました(https://www.compoundfujisoft.com/presentation)。当社としては、3D社の展開する主張には憶測や想像のみに基づいたものや、明確に事実に反するものが含まれており、当社の株主の皆様に誤った認識を与えかねないものであると考えております。そのため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上に向けた取組みに関して株主の皆様に公正な評価を行って頂くため、以下のとおり、3D社プレゼンの各主張に関する当社の見解をお知らせいたします。


1.企業価値向上策の推進とPEファンドからの提案に対する検討状況に係る当社見解

 当社は、これまで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から、独立社外取締役の関与の下に、上場会社として企業価値向上策の検討を進めるとともに、プライベート・エクイティ・ファンド(以下プライベート・エクイティ・ファンドを単に「PEファンド」といいます。)からの非公開化に関する提案についても真摯な検討を進めて参りました。以下、かかる経緯に関してご説明した上で、具体的な3D社プレゼンにおける主張内容に対する当社の見解をお示しします。

 (1) 当社における企業価値向上策の検討と特別委員会設立に係る経緯
 2024年1月12日に公表した「企業価値向上策の検討状況に関するお知らせ」(https://www.fsi.co.jp/company/news/20240112.html))に記載のとおり、当社は、当社の企業価値を向上させるため、あらゆる経営上の選択肢を検討するという観点から、2022年6月に独立役員が過半数を占める企業価値向上委員会を設置し、当社の企業価値向上策の検討を行っております。また、2023年7月には、企業価値向上委員会のワーキング・グループ(WG)として、独立社外取締役のみから構成される独立取締役WGを設置しました。

 そして、当社は、企業価値向上に向けた取組みの一環として、これまで、不動産流動化に関する方針の策定や、上場子会社4社の完全子会社化等の施策を粛々と実行してまいりました。また、2024年2月14日には2024年度から2028年度までを計画期間とする新たな中期経営計画(以下「新中期経営計画」といいます。)を公表しております。

 そのような中、当社は、より多角的な企業価値向上策の検討を行うべく、2023年8月に、国内外において豊富な実績を有する複数のPEファンドに対し、当社の企業価値向上策についての情報提供を要請し、各PEファンドから、それぞれ当社の企業価値向上策に関する情報提供を受けました。

 また、2023年9月には、当社の株主である3D社の依頼に応じた複数のPEファンドから、当社株式の非公開化に関する提案を受領しました。これらの各提案は当社が求めたものではございませんが、当社は、これらの各提案についても、経済産業省が2023年8月31日に公表した「企業買収における行動指針」(以下「企業買収における行動指針」といいます。)を踏まえ、検討プロセスの公正さと透明性を確保しつつ、真摯な検討を行う必要があると判断し、同年9月12日開催の取締役会において、上記独立取締役WGよりもさらに権限等を拡充した委員会として、独立社外取締役6名のみから構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の設置を決議しました(委員長:今井光、委員:荒牧知子、辻孝夫、仁科秀隆、清水雄也、石丸慎太郎)。
 当社の取締役会から本特別委員会に対する諮問事項は、以下のとおりです。

   ① 当社の策定した企業価値向上策と、当社株式を非公開化する提案(以下「非公開化提案」といいます。)に係る買収者の提示する企業価値向上策について、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から比較検討を行い、いずれが望ましいかについて取締役会に提言又は勧告を行うこと

   ② ①において非公開化提案の買収者の提示する企業価値向上策が当社の策定した企業価値向上策よりも望ましいという判断になった場合には、非公開化提案について、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかの観点から検討し、当社の取締役会において非公開化提案を承認するべきか否かについて、取締役会に提言又は勧告を行うこと


 (2) 真摯な検討の状況
 当社は、以下に述べるとおり、各PEファンドより提出された非公開化提案について真摯な検討を行っております。

 まず、本特別委員会においては、独自のアドバイザーとして、フィナンシャル・アドバイザー、法務アドバイザー、ビジネス面での分析を実施するコンサルティング・ファームをそれぞれ選任するとともに、当社執行部から完全に独立して、上記諮問事項について公正かつ適切な評価・検討を進めており、その過程で、本特別委員会自ら各PEファンドと面談し、各PEファンドとの間でQ&Aセッションなどを実施しております。

 その上で、当社は、本特別委員会の見解や当社のアドバイザーからの助言等を踏まえつつ、各PEファンドから受領した企業価値向上策等と、上場会社としての当社が策定した新中期経営計画における企業価値向上策等を比較検討することなどを通じ、当社の企業価値を最大化するための経営上の選択肢の精査を実施しております。
 かかる検討プロセスは、経済産業省の「企業買収における行動指針」に沿った公正かつ適切なものであると考えております。


 (3) 3D社プレゼンにおける主張に対する当社の見解
 3D社プレゼンでは、①買収提案の未募集、②買収価値引き上げの失敗、③重要な状況変化の買収提案への未反映、④過度に高く算出され得る「本源的価値」の比較検討への適用の4点が、当社の検討プロセスに対する疑義の根拠として挙げられております。しかしながら、いずれの点についても当社の見解は異なります。


a)当社の検討方針は「企業買収における行動指針」に沿った公正かつ適切なものであること
 まず、3D社プレゼンでは、当社が買収提案を募集していないことをあたかも問題かのように取り上げております。また、3D社は本株主提案において「企業買収における行動指針」を引用しつつ、買収候補者への包括的なデュー・デリジェンス資料の提供や法的拘束力のある提案の募集をしなければ健全な検討プロセスとはいえないと述べています。

 しかしながら、「企業買収における行動指針」は、デュー・デリジェンスにおける情報提供の範囲や、他の買収提案を模索するか否か等に関し、とりわけ会社の取締役会が何らかの買収に応じる方針を決定していない場合においては、会社の取締役に広い裁量があることを前提としております。そして、当社においては、上記のとおり企業価値の最大化を図る観点から企業価値向上策等を比較検討している段階であって、未だ何らかの買収に応じる方針を決定しているわけではありません。3D社の上記主張は、「企業買収における行動指針」の正確な理解に基づくものではなく、3D社独自の見解と言わざるを得ません。

 なお、3D社プレゼンでは買収提案価格と比較すべきは新中期経営計画発表後の株価に適切なプレミアムを付与した価格であるとの主張がなされておりますが、このような主張も3D社の独自の見解に過ぎないものです。

 「企業買収における行動指針」においては「望ましい買収か否かは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、又は向上させるかを基準に判断されるべきである」という原則が示されており、また、「企業価値とは、会社の財産、収益力、安定性、効率性、成長力等株主の利益に資する会社の属性又はその程度をいい、概念的には、企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの割引現在価値の総和である」とされております。
 当社は上記の原則を踏まえ、各PEファンドから受領した企業価値向上策等と、上場会社としての当社が策定した新中期経営計画における企業価値向上策等を比較検討することなどを通じ、当社の企業価値を最大化するための経営上の選択肢の精査を実施しており、このような対応は、「企業買収における行動指針」に沿ったものであると考えております。



b) 各PEファンドに対しては情報提供を行っており、現在も協議を進めていること
 3D社プレゼンは当社が各PEファンドに合理的な情報提供を行っていないことを前提としておりますが、実際の状況とは異なると当社は考えております。実際には、当社は現在に至るまで継続的に各PEファンドとの間で適切なコミュニケーションを行うとともに、各PEファンドに対して合理的な範囲で情報提供を行ってきており、今後も適切な協議を行ってまいります。

 これまでの検討の過程においては、前述の通り、各PEファンドに対して一定の情報提供を行いつつ、非公開化提案について真摯な検討を行っております。加えて、本特別委員会においては、独自のアドバイザーの助言を得つつ、当社執行部から完全に独立して、上記諮問事項について公正かつ適切な評価・検討を進めており、その過程で、本特別委員会自ら各PEファンドと面談し、各PEファンドとの間でQ&Aセッションなどを実施しております。

 当社は、その間も、上場子会社4社の完全子会社化の完了や新中期経営計画の策定を行っておりますが、それらに関しても、各PEファンドとの間で、情報提供の協議を進めており、適切に対応しております。その上で、各PEファンドから真摯な提案として再提案が行われた場合には、当該提案についても真摯な検討を行う予定です。



c) 新中期経営計画は真摯な検討における判断材料となることを前提に公正性・客観性を担保できる体制の下で慎重に策定されたものであること
 3D社プレゼンでは、当社の新中期経営計画が各PEファンドによる買収提案価格を意識したうえで策定されたものであり、野心的なものという主張がなされております。

 当社としては、非公開化提案を受領し、本特別委員会を設立した時点において、既に新中期経営計画が真摯な検討の基礎となることを認識しており、従来の中期経営計画以上に公正性・客観性が求められるという理解の下で、以下のとおり、慎重に策定を進めてまいりました。

 まず、新中期経営計画は、独立役員が過半数を占める企業価値向上委員会における検討結果を反映したものであり、個別の施策のインパクトについても詳細な試算を行った上で策定しております。

 また、新中期経営計画の策定プロセスの中では、本特別委員会が独自に起用したコンサルティングファームのレビューも踏まえ、本特別委員会による批判的な検証を受けております。実際に公表した計画値は、コンサルティングファーム及び本特別委員会からのフィードバックを反映したものであり、事業上のリスクを適切に織り込んだ計画として策定されたものです。

 さらに、新中期経営計画は、計画期間内の利益のみの最大化ではなく長期ビジョンの達成をゴールと置くことを大前提として策定しております。そのため、中期経営計画期間内の利益影響がマイナスの先行投資であっても、中長期での企業価値最大化および長期ビジョンの達成に資するものと判断したものについては実施する前提で計画しております。

 なお、当社の企業価値の算定についても、本特別委員会が独自に起用したフィナンシャル・アドバイザーによる算定結果も踏まえ、本特別委員会による批判的な検証を受けているものであり、3D社が主張するような、「計画未達成リスクの過小な見積もり、過度に低い資本コストの適用によって、過度に高く算出される」リスクは排除しております。


 以上のとおり、3D社プレゼンでは、当社において、あたかもPEファンドに対して必要な情報提供を行わないままに非公開化に関する交渉を実質的に打ち切り、重要な状況変化が反映されていない買収提案価格と、当社が過度に高く算出した「本源的価値」との比較に基づく検討を行っているかのような印象を与えかねない内容が含まれておりますが、そのような事実はございません。
 当社は、上場会社として企業価値の最大化を図るべく、これまで企業価値向上委員会において検討した各種施策を盛り込んだ新中期経営計画の策定を進めるのと並行して、本特別委員会における議論や当社のアドバイザーからの助言等を踏まえつつ、各PEファンドから受領した当社の非公開化提案により実現される当社の企業価値向上策等と、新中期経営計画により当社が上場会社として実現することが期待される企業価値向上策等を比較検討することなどを通じ、当社の企業価値を最大化するための経営上の選択肢の洗い出しを進めております。
 当社は、各PEファンドとの間でも、継続的に適切なコミュニケ―ションを行うとともに、各PEファンドに対する情報提供を行いながら、各PEファンドによる当社の非公開化に係る提案に関し、適切な検討過程を経ており、これに関して3D社が主張するような問題は存在しません。



2.本株主提案に係る当社見解

 2024年2月14日付「株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ」(https://www.fsi.co.jp/company/news/20240214_1.html)でお知らせした通り、当社取締役会はすべての本株主提案に反対しております。なお、取締役会意見は、取締役会で議論を尽くした結果、全会一致で決定されたものになります。

 3D社プレゼンに対する当社見解についても、基本的には「株主提案に対する当社取締役会の意見に関するお知らせ」で公表したものと同様のものとなりますので、詳細はそちらをご覧ください。

 ただし、3D社プレゼンにおいて現任監査役の平野洋氏、木村宏之氏、押味由佳子氏について、「独立性」「M&Aの専門性」「コーポレート・ガバナンスの専門性」の3つの基準から必要な専門性・独立性を有していないと主張されている点については、下記の通り当社の見解をお知らせします。

 当社としては、監査役の適性は3D社の主張する上記基準のみで判断すべきではないと考えていますが、仮に当該基準で評価した場合でも、3D社の整理においてすら、現任監査役の過半数が「独立性」を有している上、「M&Aの専門性」「コーポレート・ガバナンスの専門性」のいずれについても現任監査役でカバーすることが可能であると考えております。
 まず、押味由佳子氏は、3D社プレゼンでは不動産証券化・不動産取引を専門とし、「M&Aの専門性」及び「コーポレート・ガバナンスの専門性」を有していないとされておりますが、これは恣意的に同氏の専門分野を解釈したものです。押味由佳子氏の弁護士としての取扱分野は、「不動産証券化・不動産取引全般、バンキング&ファイナンス、コーポレート/M&A、独占禁止法、コンプライアンス」であり、「M&Aの専門性」及び「コーポレート・ガバナンスの専門性」のいずれも有しております。また、平野洋氏は、M&Aに関わる財務デューデリジェンス業務や株価算定業務に携わった経歴を持ち、「M&Aの専門性」を有しております。
 このように、現任監査役についての3D社の上記主張も当を得ないものと考えております。


3.その他の点に係る3D社プレゼンに関する当社の見解
 その他、上記で指摘した以外の個別論点や当社との対話に関する事項に関する当社の見解について、主要な事項を別表1として掲載しておりますので、詳細はそちらをご確認ください。なお、主要な事項についての記載に留めているため、当社の見解として触れていない3D社プレゼンの記載についても、当社が3D社と同様の見解を持っていることを意味しない点についてはご留意いただけるようお願いいたします。
 株主の皆様におかれましては、当社から開示される情報に引き続きご留意いただき、慎重にご判断いただきますよう、お願い申し上げます。



以上

【ご留意事項】
 本開示は、当社や他社に対する投資その他の取引の勧誘若しくは斡旋等又はこれらを阻害することを目的としたものではありません。本開示に記載されております戦略・計画・方針・予想等の将来に関する記述は、本日現在において当社が入手している情報に基づく一定の前提(仮定)及び将来の予測等を基礎として当社が判断したものであり、これらには様々なリスク及び不確実性が内在していることをご承知おきください。

この件に関するお問い合わせ

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